風の送り手
オルガンのパイプに風を送る職人のことをカルカントといった。ドイツ語で「Kalkant」と綴る。さしずめ「ふいご職人」といったところか。踏みっぱが壮麗であるといってもカルカントたちがきっちりと風を送っていればこその話だ。シュニットガーなどの歴史的なオルガンも現在では電動で風を送る。
風の送り方が下手だとオルガンの鳴りに影響するらしい。弦楽器でいうならボウイングにも相当する重要な位置づけが、演奏家とは別人格だということである。バッハには専属のカルカントがいたと言われている。ストップの操作はアシスタントだということを思うと、両手と足を総動員して直足らずにカルカントとアシスタントが要るという豪勢な楽器である。
オーケストラの次に人手がかかると言っていい。
« 2個イチは南方系か | トップページ | 変奏曲の伝統 »
コメント