32という切り口
グールドによって再認識が進むバッハ、ゴールドベルク変奏曲BWV988の話だ。なんせ長大な変奏曲。
主題のアリアは32小節ある。主題を冒頭と末尾で提示するのだが、変奏が30あるために、全体は32の部分から成り立つ。32が好きなのかと疑う。
主題に30の変奏がほどこされ、それにコーダが続くことで全体が32の部分からなるといえば、ブラームスの第4交響曲のフィナーレ第4楽章と同じである。そう、ブラームスはこのゴールドベルク変奏曲の弾き手でもあった。公開の場での演奏の証言は見当たらないが、貴重な友人の証言がある。
母を亡くしたブラームスを見舞ったゲンスバッヒャーによれば、ブラームスはゴールドべルク変奏曲を弾いていたというのだ。どこの部分なのかは不明ながら、この時ブラームスのほほが涙に濡れていたと証言する。
弾いていたのがアリアの主題であってもぴたりとはまってくるエピソードではないか。
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