隠しジュピター
ブラームスの交響曲の調性を1番から順に並べると「CDFE」になる。これはモーツアルトのジュピター交響曲の終楽章のテーマに一致する話は割と知られている。シューマンで同じことをやると変ロ音起点のジュピター音階になることも合わせて既に言及しておいた。
チャイコフスキーの交響曲の調性を何気なく眺めていて気づいた。
- 1番ト短調「冬の日の幻想」 1866年
- 2番ハ短調「小ロシア」 1872年
- 3番ニ長調「ポーランド」 1875年
- 4番へ短調 1877年
- 5番ホ短調 1888年
- 6番ロ短調「悲愴」 1893年
両端の2曲を除く4曲つまり2番から5番までの調性に注目して欲しい。キッチリ「CDFE」になっている。4番がヘ長調だったらブラームスと一致してしまうところだった。これらの4つの交響曲のうち最初の3つまでは、その成立時期が、ブラームスの同調性の交響曲より先行している。5番だけがブラームスの4番に遅れて完成した。「ドレファ」まではブラームスより先に完成し、最後の仕上げの「ミ」でブラームスに出し抜かれた形である。
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