リヒターの威光
リヒターのカンタータ集に満足している。バッハの教会カンタータはおよそ200曲くらい伝えられているうち、76曲が収録されている。一連の録音に参加した歌手は下記の通りである。出演している曲数を添えておいた。
- エディット・マティス sop 44
- シェイラ・アームストロング sop 1
- ロッテ・シェードル sop 1
- ウルズラ・ブッケル sop 3
- ヘルタ・テッパー alto 10
- アンナ・レイノルズ alto 26
- トルゥデリーゼ・シュミット alto 11
- ユリア・ハマリ alto 11
- ペーター・シュライヤー ten 50
- エルンスト・ヘフリガー ten 10
- ジョン・ファン・ケステレン ten 2
- ディートリヒ・フィッシャーディースカウ bar 53
- テオ・アダム bar 8
- クルト・モル bar 3
- キース・エンゲン bar 5
ため息が出るばかりの華麗さだ。フィッシャーディースカウの53曲が全体の1位だ。数分のレチタティーボだけの出演でも1とカウントしているが、それは他の歌手も同じだ。
ソプラノのマティス、テノールのシュライヤーにフィッシャーディースカウを加えた3人を軸にした企画とみていい。この3人すべてに出番のある作品は、29曲。
独唱を1パートしか要求しない作品は下記の通り7曲ある。
- BWV4 ディートリヒ・フィッシャーディースカウ
- BWV51 エディット・マティス
- BWV55 エルンスト・ヘフリガーten
- BWV56 ディートリヒ・フィッシャーディースカウ
- BWV82 ディートリヒ・フィッシャーディースカウ
- BWV158 ディートリヒ・フィッシャーディースカウ
- BWV199 エディット・マティス
これらは出演歌手の見せ場になる曲だ。BWV55がシュライヤーでないのが惜しい。
昨今のピリオド楽器台頭後のCDでは、この華麗な顏ぶれは望むべくもない。古楽器の好みは別として、歌手たちを味わうという意味において、これらの歌手を集められるリヒターの威光にひれ伏すばかりである。
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