我がため息我が涙は
イエスの最初の奇跡とされているお話に基づく。いわく「水をワインに変える云々」で、これ以降イエスの公生涯が始まる。がしかし、それは受難への第一歩でもあるせいか「いっえーい」という趣きにはなっていない。イエス本人も「私のときはまだ来ていません」などと淡々としているせいか、ため息と涙が巧妙に音型化されていたり、水瓶に溜まった苦い涙を神がたやすくワインに変える場面だというのに短調が採用されていたりと、戒め優先のトーン。
これがBWV13「Meine Seufzer,meine Tranen」だ。第5曲でバリトンのフィッシャーディースカウ先生が引き締めて、フィナーレが清澄にしめくくる。
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