昨日の記事「BWV3」で、「バッハ作品目録2022年版」に巡り合ったとはしゃいだ。
話せば長くなる。
現在ブログ「ブラームスの辞書」上で進行中の「バッハでたどる教会暦」が、事実上のカンタータ特集であることもあって、その記事執筆の資料としてやはり楽譜は不可欠と、楽譜ショップをうろつくことが増えた。200曲あるカンタータすべてのフルスコアをそろえるなんぞ、夢のまた夢ではあるのだが、せめてお気に入りの作品だけでも楽譜を参照したいと思い詰めた。ドイツの出版社の楽譜は高いし、品ぞろえにも限界もある。そこで米国のドーヴァー社の大判スコアをと考え、店頭取り寄せを依頼した。
お店のスタッフがいろいろ準備する間、店内をうろついていて目に留まったのが「BWV3」だった。それが2月21日のことだ。
限定2冊で価格が税込み60000円。
6万円はさすがに引く。とその日は後ろ髪引かれながら退散したが、どうにもこうにも気になって仕方がない。思えば巧妙な価格設定だ。なぜなら60万円なら簡単にあきらめられた。在宅勤務の谷間で翌日は出勤予定だったこともあり、仕事の後再訪。
店頭で手に取りつつスタッフさんの話に耳を傾ける。「限定2冊だが、すでに1冊は電話で仮予約がはいっています」「この価格実は大変お得ですよ。本来は倍近い価格です」
20年前「ブラームスの辞書」執筆のためにマッコークルの「ブラームス作品目録」を30000円で買い求めたことが思い出された。価格は痛かったが、内容はすごかった。辞書片手にむさぼり読んだ。店頭でパラパラと中身を眺めるとあれと同じことがまた起きる予感がした。
カンタータの楽譜を探しに来なければ絶対に出会うことはなかった。これも運命かつバッハのお導き。60000円分熟読すればいいのだと、自分に3回言い聞かせて、トマス教会の屋根から、パラシュートなしで飛び降りる覚悟で買い求めた次第。
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