妻への贈り物
バッハ二度目の妻はアンナマグダレーナバッハという。ケーテンの宮廷ソプラノ歌手だった彼女はもちろん音楽の才能もあって、筆写譜の筆跡がバッハそっくりとい手練れでもある。
バッハがこの妻のために、日常の慰めとして残した曲集が「アンナマグダレーナの音楽帳」だ。小品の堆積なのだが、クラヴィーア作品だけでなく声楽も少々ある。平均律クラヴィーア曲集のハ長調プレリュードや、ゴールドベルク変奏曲のアリアなど、超なじみの作品もある。
バッハファミリーの愛奏曲集の意味合いだ。ここには彼らのお気に入りの作品収載されているとみていい。
この中に、カンタータ「Ich habe Genug」BWV82の第2曲レチタティーボと第3曲アリアが収められている。カンタータはバス用だが、バッハ愛妻用にとソプラノ用転調したものだ。バッハ本人のお気に入りだったのか、妻の好みだったのかわからぬが、よいではないか。
« 四旬節ならでは | トップページ | 序奏付きアリア »
コメント