リヒターのブランデンブルク
ブランデンブルク辺境伯への就職活動のツールと言っては元も子もない。これら6曲に添えられていた手紙の日付が1721年3月24日だった。だから明日はブランデンブルク協奏曲の記念日。
私が初めてブランデンブルク協奏曲に出会ったのは大学1年の冬。所属する大学オケ恒例の春の室内楽演奏会でブランデンブルク協奏曲第5番の演奏にヴィオラで参加することになったからだ。達者なピアにニストが同学年にいて、なんとチェンバロをレンタルすることになった。楽譜が配られもしたが、ひとまず演奏を聴きたいとレコードを買い求めた。カールリヒター盤だ。その後長く長くマイスタンダードの座に君臨することになるリヒターだが、当時は唯一の所有で、いろいろ聞き比べる余裕なんぞなかった。
やがてCDの時代になって買い替えた。今ではブランデンブルク協奏曲のCDは10種類くらい持っているにはいるが、やはりリヒター盤は別格。第1番のホルンがヘルマン・バウマンだし、第5番のフルートにはオーレル・ニコレもいる。
その後、第6番に趣味が移りはしたがやはりリヒター盤の威光は不変。リヒターさんはその5番と6番でのみチェンバロを弾いてくれている。
時は巡り、昨年秋に次女が結婚により巣立ったことによるマイルーム計画が発動。自室で心置きなくDVDが聴けるようになってリヒターのDVDを入手した。CDより3年新しい1971年盤は、どこぞのシュロースでの録音。
見て気づいたのは、リヒターさんの指揮がえらくかっこいいことだ。カルロス・クライバーに匹敵する感じ。DVDのご利益。5番や6番でも弾き振りっぷりも必見だ。
しみじみ、ほのぼの。
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