会心の選考漏れ
一昨日紹介した書物「オペラものしり図鑑」の話を続ける。この中にオペラ歌手名鑑が収載されていて重宝しているとはしゃいだ。
御大フィッシャーディースカウ先生は特筆大書されている。ヘルマン・プライ、ペーター・シュライヤーももちろん写真入りだ。記述がオペラに偏っているのは、趣旨からして当然だ。女子だとマリア・カラスさんの赤文字アンダーライン的扱いも想定内。
ところがだ。ところが大好きな歌手が載っていない。
ソプラノ歌手エリー・アメリンクだ。どうしたことだ。
そう、彼女はオペラ歌手ではないのだ。残されたCDのライブラリを顧みることで納得がいく。シューベルト歌曲の第一人者である一方モーツアルト、ハイドンの歌曲にも確固たる足跡が残る。そしてそして何よりバッハだ。オラトリオやカンタータのアリアこそが主戦場。
オペラ歌手名鑑から漏れていること自体が、彼女のキャラを雄弁に物語る。脳内リーディングソプラノの座に可憐に君臨し続けている。
載っていなくてこんなにうれしいのも珍しい。
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