つくづくグッドジョブ
ドーヴァー社のバッハの楽譜が「旧バッハ全集」準拠だという話。これを昨日グッドジョブと評した。
よくよく考えると、カールリヒター先生は「旧バッハ全集支持」だった。いわく「新全集は研究成果の反映はあるにしても誤植も多い。しかも旧全集の方が印刷の具合がよろしい」とその根拠を述べていた。ドーヴァー社の楽譜がその字体まで含めたコピペで、刊行時に付与されたのは目次だけにとどまると考えると、ドーヴァー社のフルスコアを見ることは、リヒター先生の見た楽譜を見ることに等しくはないか。
もっとある。
旧バッハ全集は1851年に第1巻が刊行され、これをクララ・シューマンが「友情の印」としてブラームスに贈っている。それ以降ブラームスは没するまで旧バッハ全集の新刊を手元に取り寄せて、自らの蔵書とした話は既に述べておいた。
ドーヴァーの楽譜はブラームスの見たままということになる。
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