オーボエという楽器
ヨハネの祝日用のカンタータ第30番にはオーボエやオーボエダモーレの出番が充実している。バッハのカンタータの聞き所は独唱歌手によるアリアだと思ってはいるのだが、実はオーボエにも華麗な出番が多いと感じてはいた。
ブラームスに目を移せば室内楽に出番はないもののコンチェルトを含む管弦楽には納得の出番がところ狭しと並ぶ。オーボエの友人曰く「オケでは2番オーボエも面白い」らしい。そりゃあ室内楽に出番のあるクラリネットやホルンには一歩譲るが、充実度は負けていない。
第一交響曲の序奏、同じく第一交響曲の第二楽章、第二交響曲の第三楽章などおいしい見せ場が多い。ヴァイオリン協奏曲の第二楽章では延々と独奏ヴァイオリンを黙らせるというブラームス節の根幹をも背負っている。
昔からヴァイオリンとオーボエのための協奏曲は大好きだった。ブランデンブルク協奏曲にも出番がある。しかしその程度にとどまっていたのもまた事実だ。バッハへのアプローチが器楽限定になっていたから仕方がない。カンタータにどっぷりつかってみて、まず独唱アリアに目覚め、ほどなくオーボエにもと視界が広がった。
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