淡々公平
「バッハ作品目録2022」の淡々とした記述。BWV番号順に全作品に触れる。カンタータに始まって、モテット、受難曲、ミサ、オルガン、クラヴィーアと続く。淡々と事実の列挙が繰り返される。
現代のバッハ作品受容の濃淡には影響されていない。どんなに有名な作品であっても、あるいは無名の作品でも記述に差はない。ほれぼれとするばかりの一貫性だ。私個人の作品の好みがいかに偏っていて、所有するCDの枚数に差があろうと、同書の扱いは公平。
身が引き締まる思いだ。
マッコークルのブラームス作品目録も、この性格は同じだ。つまり、作曲家研究の起点として作品目録が備えるべき機能とはこうあるべきなのだ。
作曲家研究史の起点になったのが、バッハだということ。その旗振り役を担ったがフィリップ・シュピッタという研究家。
なんとブラームスの友人だ。
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