神は堅き砦
宗教改革記念日用「Ein fest Burg ist unser Gott」BWV80。ルターの宗教改革は10月31日とされている。ルターが「95箇条の論題」をヴィッテンベルク城教会に掲げた日だからだ。ルター作の有名なコラールをベースにバッハ節が躍動する。
冒頭ルターのコラールを題材にした独唱4名による壮大なフーガはまさにバッハ。特に第2曲のソプラノとバスの二重唱が大のお気に入りだ。独唱二人の問答に弦楽器のユニゾンがからむ。テンポが軽快なこともあって、重厚というより爽快という感覚。ましてや他を圧倒するディースカウ先生の歌いっぷりにただただ感動する。ここでの弦のユニゾンはヴァイオリンとヴィオラをさす。第一第二のヴァイオリンとヴィオラが同じ旋律を弾く。オクターブでもない完全なユニゾン。BWV140の第4曲「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」でも観察された。記譜はハ音記号が用いられているが、よく見ると音域はヴァイオリンの演奏可能範囲にとどまっている。
バッハはときどきこれをやる。
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