臨時記号の素性
ブランデンブルク協奏曲の第6番を「エチュード変ロ長調」と称して練習している。ひとまず第一楽章に話を限ってみる。もちろんフラットは2個。「シ」と「ミ」につく。同楽章に現れる臨時記号を以下に列挙する。
- ナチュラル BについてHを作り出したりEsについてEをひねり出したりしている。
- フラット Aについて変ホ長調を作り出すが、変イ長調テイストの時もある。Dにつく場合、これは大抵変ホ長調の属7だろう。
- シャープ CやFにつく。これらは大抵ニ短調やト短調のしるしだ。
だいたい上記の6種類だ。実は最近の練習では一つ一つの臨時記号の意味を弾きながら考えている。同曲の全体の調としては変ロ長調とひとまず押さえながら、曲の流れでそれらがどのように移ろうのかが楽しみだ。
学生の頃この曲に取り組んだが、先生からは「味わいなさい」と言われてはいてもあまりピンと来ていなかった。長い中断を経て歳を重ね、今先生の言っていたことがやっとわかってきた。
調性や和声について知識がたまった。今何調で次どこに行くのかが楽しい。重音やアルペジオを弾きながらそれがわかるのは、フィンガリングにも役立つ。ときどきバッハがそれらを逆手にとるのも楽しい。
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