夢中とはこのこと
2パートインヴェンションのヴィオラパートに心酔している。
そもそも無伴奏チェロ組曲ヴィオラ版や、ブランデンブルク協奏曲の第6番、ガンバソナタのヴィオラ版あるいは奮起して無伴奏ヴァイオリン作品のヴィオラ版で毎日ヴィオラに親しむと決めたのは自分だが、ここにきてインヴェンションにはまるには相応の訳がある。
やがて次女とアンサンブルができる日のためではあるがそれは長期計画のどん詰まりである。短期的には本作が面白いことにつきる。
- 1番ハ長調
- 2番ハ短調
- 3番ニ長調
- 4番ニ短調
- 5番変ホ長調
- 6番ホ長調
- 7番ホ短調
- 8番ヘ長調
- 9番ヘ短調
- 10番ト長調
- 11番ト短調
- 12番イ長調
- 13番イ短調
- 14番変ロ長調
- 15番ロ短調
これだけで惚れ惚れだ。15年前にも少々さらっていたがこのほど懐かしく取り出して練習してみると景色が変わっている。原因は自分。一つはバッハへの知識と理解が深まっていること。練習への取り組みが体系的で充実したこと。調性に対する意識が格段に高まっていること。取り組む作品の調を肝に銘じ、今いる場所の調を意識するだけで味わいが格段に深まる。
1番や8番は元々大好きだった。2番4番7番11番13番の短調はバッハ節炸裂。特に意味深臨時記号の味わいが格別だ。5番変ホ長調もいい。コツコツと繰り返す16分音符の連なりや、気の利いた装飾音符。それらがカラリと弾けるかどうかの運試し。さらには6番ホ長調は15年前に挫折した。苦手な苦手なホ長調で♯4つだ。おまけに延々とシンコペーションだ。がしかし、今それが魅力なのだと気づかされた。10番ト長調は8分音符3個一組という枠組みが鬼門でさえある。C線上のDとFisの長三度がどうも苦しい。14番変ロ長調はかつて32分音符で大挫折したがこのたびリベンジ中だ。
先日の楽器の損傷は、14番変ロ長調の最終小節での出来事だった。演奏会の曲目そっちのけでのハマリ過ぎに注意のアラートかもしれぬ。
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