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「写譜」が、話題に上りそうだ。カテゴリー「097 写譜」を追加した。
私の場合、写譜は自分の演奏のためだ。自分で演奏したい曲で、楽譜が簡単に入手できない作品を写譜する。
であるのだが、この先身体が衰えて楽器が弾けなくなっても写譜だけは残る気もしている。
中学生時代。音楽の先生が忘れ物のペナルティに写譜を要求した。音楽の教科書に載っている作品が指定されてそれを次の授業までに写譜するのだ。当時はいやいやでたまらなかった。さぼることだけ考えていた。
ブラームスもバッハもいなかったけれど、私の写譜はそこに行き着く。
似ている。筆写の対象が「お経」か「楽譜」の違いだ。
「写経」は仏事だ。そもそも修行の一環だったが、今ではそれ自体が目的ともなっている。
「写譜」は音楽。作曲家のお仕事はスコア上で完結する。ピアノ譜であるにしてもだ。作曲家が完成させたスコアで、それを演奏家が見て演奏できる規模の作品はそれでいいが、いわゆるパート譜が必要となった瞬間に「写譜」がニーズとして浮上する。
印刷の技術が未発展の段階では、人の手で筆写された。それが「写譜」の起源に違いあるまい。パート譜であればそうだが、実はスコア毎全部筆写することもあった。バッハの譜面は自筆譜以外、さまざまな人物の手によって写譜され現代に伝わる。写譜者の癖がそのまま楽譜に残り、それが研究家にとって細かく分析もされているくらいだ。
もう一つ大切な共通点がある。
それは塗香だ。古来僧侶たちは写経の前に身体を清めた。それが塗香だった。私も演奏や写譜の前に、塗香で身体を清めて、感覚の働きを高めようと試みる。
何より、写経は父の、父の趣味だった。
記事「ヴィオラ香 」で、演奏前に塗香を塗ったり、自室にお香を焚く話をしてあった。
で、また蘭奢待が目当てで「正倉院TheShow」にも出かけた。やはりお香だ。
バッハのヴァイオリンソナタ第4番ハ短調ヴィオラ版の第二楽章を新たに写譜する決意をして、塗香を手に取った。なんだか楽器の練習よりよほど塗香が似合う気がしたからだ。楽器の演奏と同等に精神の統一が要求されているような気がする。
長い曲だとなおさらだ。気持ちを整えて一気にやってしまうのが効率的だ。
あとは、バッハ。この先老後をバッハの演奏で過ごそうと決意している手前、行きがかり上バッハ作品の写譜をすることが多い。音符一つ一つに心を込めて書き写す。バッハと自分のためのパート譜だから心を込めたい。
よいアイデア。
すごく、すごく、よいアイデア。
10月21日と22日両日、母の生活に少しだけ変化があった。
まずは21日。内科の健診だった。毎月1回だが、90歳を過ぎてから私も同行して診察室に入ることにしていた。尿検査や血液検査の結果が先生から説明される。そして次回に向けていろいろ注意がある。今回はかなり思い切った提案があった。先生いわく「薬を減らしましょう」だ。母は朝6種類、夕食後1種類、就寝前1種類の計8種類を飲んでいたが、これを朝3種類、就寝前1種類にという提案だった。「腎臓の負担を減らしたい」というのが先生の意図。母は「はい」と一言。先生は今年の夏くらいから腎臓の機能が少し落ちているというのがその理由だ。それならばここ3年くらいの薬を少し減らして様子を見ましょうとなった。大雑把に申せば自律神経系の薬をやめましょうということだ。
母は「薬が減るのはよいこと」という一点で納得。
で22日。これは郵便局だ。もともと90歳を過ぎたからずっと考えていた。夏は暑いのでやめていたがこのたび「ゆうちょ」の定期預金を解約して普通預金に積み替えた。「90歳過ぎていつ何があるかわからん」「定期預金をじっともっているのではなく普通預金に代えておく」というのが目的だ。これら括弧の中は母の考え。
21日は健康。まだまだこの先やれるという話で、22日は90歳過ぎたら何があるかわからんという話。両極端の話が2日続けて起きた。
今日初孫の保育園の運動会。とうとう孫の運動会だ。母にとってはひ孫の運動会。
ところがだ。
これ、ギャラリーを調整しないと大変なことになるとのことで、見学は各家庭2名までとなっている。つまりこれ親だけということだ。元気なじじとばばが大挙してなどということが予見できる。
我が家は祖父母ではなく曾祖母だが、特例はない。画像は親が撮って、「じじばば」に送るという設定ということだ。
1歳3ヶ月のかけっことお遊戯は、ひたすら画像待ちだ。
本日のこの記事はブログ開設以来7500本目の記事だ。
2005年5月30日の開設以来の積み上げの結果ではあるのだが、同時にその日以来記事更新に1日の抜けもない。
2033年5月7日ブラームス生誕200日のゴールまで2752本の記事が必要だが、備蓄記事が200本少々あるので、ここまでに堆積した記事7500本から見ればおよそ3分の1でよいことになる。
最大のリスクは健康だ。いや、マジで。
本日初孫1歳3ヶ月の分数誕生日。「12分の15」である。
いよいよ保育園時代が始まった。小学校入学までかれこれ5年続く。5年は長くて小学校に匹敵する。
「長い」と言えば最近、保育園生活が始まったから、孫と会うのはほぼ2週間に一度だ。この二週間がやけに長い。這えば立て、立てば歩めのなんとやらで、昨日まで出来なかったことが、あっと言う間に出来る。今はてちてちと歩いている。
がしかし。はやばやと家を買った長女夫妻のマネープランを支持する。とゆうより、家を買って住居を固定しないと保育園が選べないという話でもある。
私と母で出来ることは何でも応援したい。
そもそも、額縁をオリジナルで作って、自室に何かを飾る場合、入れたい物本体と額縁の価格の間に、何か相関関係があるのか。
今回のフェルトバッグは1000円。これを、大好きな絵の部分だけ切り取って額に納める。だから実物の価格は1000円を切る。このとき額縁にいくら使ったらいいのか?
懇意にしている額縁屋さんに伺って相談したところ盛り上がった。かつてこういうお願いをした。A4の既製品で色、デザインがピタリの物でもあれば問題はない。一つだけあるにはあったがそれでも4200円だ。
オリジナルの額縁をあれこれ絵の周りに置いてみてなどと始まったら、お店の思うつぼだ。
えいっと選んで見積もってもらったら12000円だ。微妙だ。10万なら諦めていた。
先般、「マエストロたちの晩餐」で、ダヴィンチの最後の晩餐をパロったデザインのフェルトバッグに出会って衝動買いした話をした。価格は1000円。安い。大体A4サイズの横で、楽譜ならスンナリ入る。イェーってなもんで得意顔だったが、実際にはこれもったいなくて使えない。
その後、買ったときについていたビニール袋に入れて本棚の上に飾ってある。そもそもフェルトバッグは使っているうちに毛玉も出来るし、色合いもあせてゆく。そんな姿は見たくないと、心のそこから思い詰めた。
その後、いろいろ考えるうちに、このデザインはバッハを中央に配置して、イエス様になぞらえたバッハグッズであると思うようになった。で、おまけにブラームスも顔を出している。
だからいっそ、ビニールに入れたまま、自室に飾っておくべきグッズであると結論付けた。
10月15日、我が家のベランダに蛇口を取り付けた。
長い間の懸案だった。ベランダは2階で、水道がない。当たり前だ。
雨が降って窓に泥水がはねるとこれが大変だった。1階からバケツで何往復かするのだが、若い頃ならともかく最近はネックだった。長男に応援を頼むのだが、最近その長男が、「何往復の問題より、バケツもって階段で転ぶリスクのが高くね」と言い出した。おっしゃるとおりだ。
設置から3日たった。いやいやなかなかだ。
何がって、母がだ。キチンと雑巾をそろえておいておく。毎朝物干し前に棹や手すりをふくところから、出番がある。風雨にさらされた窓も定期的に念入りに拭く。2階の母の部屋にある花瓶への水差しも行う。ベランダにたまった泥も綺麗にする。
なんたってやけに元気だ。
バケツもっての往復や、転倒のリスクよりずっと細かい。
「マホガニー」も「ウォールナット」もどちらも、木材の名前だ。これに「チーク」を加えて三大銘木と呼ぶこともある。どれも人気なので、説明はネットに譲る。
この度のウィットナー社製のメトロノームを買う話は、単に買うだけならネット上で購入することも出来る。画像サンプルが豊富だ。きちんと品番が付与されていて安心かというと、実はそうでもない。
艶消し調と艶あり調の2種は、どうにも画像では伝わらぬ。で、木材一つ一つの雰囲気はやはり見て確かめないとどうにもならぬ。後はメトロノームを鳴らした時の音は、ちゃんとサンプル音源が聴けるが、この音はどこにのせても同じなのか疑問だ。一般的にピアノの上かとは思うが、弦楽器奏者は、どこに乗せているか不明だ。演奏中、テンポをいじることもあるだろう。メトロノームを床に直接置くのは、はばかられる。
マホガニーが814Mで、ウォールナットが813Mだった。実際に画像を見た限りでは814Mだったが、10月2日当日お店でサンプルを見て驚いた。圧倒的に813Mのウォールナットだった。私の部屋に置いた際のはまり具合まで、目に浮かんだ。問題はこの813Mと814Mの個体差なのか、ウィットナー社の製作の意図なのかわからぬが、今目の前にある在庫だけで、そう判断した。
やはり現場だ。
ブラジル戦の後、西ドイツなどというとサッカーの話かとも思うが別問題。
ご承知の通り、ブログ「ブラームスの辞書」は、偶然を放置しないという方針を貫いている。
今回もその系統だ。
まずは、ウィットナー社製のメトロノームを買いに都内に出かけたのが2025年10月2日のことだ。買うかどうか本気で悩んだのが9月に入ってからで、元々10月4日に買いに行く予定だった。いろいろあって2日になった。
さて昨日の記事「謎のW」で話題にしたとおり、買い求めたメトロノーム本体裏板の原産国表示に「謎のW」が刻印されている。
新制ドイツの成立は1990年10月3日だ。つまり旧西ドイツはその前日の10月2日まで存続したことになる。
ウィットナー社は、1990年10月2日に在庫していたこの裏板をずっと使い続けたのか。35年分以上の在庫を持ち続けたのか。一方で段ボールの外箱の表示からは「W」が脱落している。
私はそのピタリ35年後2025年10月2日にショップに出かけて、メトロノームを買い求めた。本体裏板の表示に気づいたのは帰宅後だ。
同社のメトロノームを欲しいと思い続けて1ヶ月。ネットではだめだと決めて店を訪ねたのが10月2日。旧西ドイツの消滅の日であった。厳密には旧東ドイツが西ドイツ側に吸収された日。
そのことを私に知らせるために本体裏板に謎のWが刻印してある。
バッハにもブラームスにも西ドイツは関係がないけれど、何かのメッセージだ。
ずっと大事にしたい。
ブラジルに勝った。
2引き分け11敗の後、とうとうブラジルに勝った。
前半0-2で折り返しの後半に3点取って勝った。
サッカー日本代表の話だ。
これを現地・味の素スタジアムで見ていた長男は、偉い。
ウィットナー社製のメトロノームの外箱下の表示を見てみる。
中央に「MADE IN GERMANY」とある。これ「ドイツ製」のことだ。その右下のシールには「813M」とある。これ、私が迷った挙げ句に購入した「ウォールナット調艶消し」の記号だ。
さらに箱を開けて、本体の下を見る。
この通りだ。中央部に何やら文字が書いてある。
これだ。「Germany」の左側にある「W」は、なんだろう。しかも文字右下に「.」省略符が打ってある。外箱には全く書いてない「W」が本体には刻印してあるということか?
まあこの「W.」が「西」以外の意味だったらそれこそ謎が深い。
1895年創業の同社は、メイン商品であるメトロノームの裏板の部品を35年分以上在庫の用意があったということか?もしかするとこれは、情報を秘匿している同社の本社または、工場の位置が旧西ドイツ側にあったという証拠なのか。
ドイツ・ウィットナー社製のメトロノームを購入するということで、ショップを捜した。
10月に入ってすぐ出かけてきた。都内の坂のほとりとでも申し上げておく。置いてあるのが打楽器のフロア。他にも楽器いろいろ扱っている中で、メトロノームを扱うのが打楽器フロアということだ。
さすがにドイツ。精巧な木製だ。慣れ親しんだ電子音とは完全に一線を画するアナログ音。そしてゼンマイ。そうだ。これは打楽器なのだ。打楽器ショップに置いてある意味がやっとわかった。
あらかじめ電話で申し上げておいた好みの色に加え、2色ほどオプションを用意してもらった。茶色好みの私にぴったりな3系統からの選択。
それにしても、つくづくネットでは困る。私が選んだのはかねて準備の色ではなかったからだ。木目の精巧さにつられて「ウォールナット調艶消し」を選んだ。これネット注文したら別の色を発注したはずだ。
で、運良くお店の特売期間に当たっていたということで2万円少々だ。
いやいや、メトロノームだと思ってはいけない。もはやインテリアだ。お店から自宅に戻る間、ぽかぽかと温かかった。
まずは、以下の写真を。
私好みの色合い。何を隠そうこれはドイツ・ウィットナー社のロゴだ。
1895年創設のメトロノームの老舗。ネット情報をあたってもドイツのどこが本社なのか不明という。
2年前、15年放置の楽器を取り出して老後の楽しみとして弾き続けようと決意した際、メトロノームについては、昔から持っているからと、購入を見送っていた。今時珍しい積層乾電池で、電子音だ。
当時はメトロノーム大嫌いだったが、今は大好きになったせいで、どうにも気になっていた。
ネット情報を収集するうちに、なんとかこれを欲しいと思い詰めた。色合い、木目、音色などなど議論の余地が大きすぎる。これネット上の写真だけを頼りに購入したら、きっと後悔する。
思案、思案、思案。
長男の話題だ。
昨日、仕事を終えて帰宅すると、入浴、食事の後、そそくさと出かけた。
大阪行きの夜行バスに乗るらしい。
10月10日だから今夜、サッカー日本代表のテストマッチが大阪で行われる。それを見に行くということだ。
若いとは言え、元気がある。
私はテレビで応援する。
確か昨日、回答期限だったか。さくさくとネットで回答してあった。国勢調査だ。
国勢調査第一回は1920年だったと聞く。母が生まれるより前だ。
ブログ「ブラームスの辞書」は2005年5月30日の創設なので、その年の秋には国勢調査を経験している。その後2010年、2015年、2020年と経過して今年は5回目だ。
いやあ、長く続けているとこういうイベントに合う。2033年5月7日「ブラームス生誕200年」のゴールまで、国勢調査はあと1回だ。
バッハ、ヴァイオリンソナタ第4番ハ短調ヴィオラ版の第2楽章に続いて、第1楽章も写譜する流れになった。大枚はたいて買い求めたインターナショナル社の楽譜には、要らん情報も多いので、思い切ってすんなり諦めて、ヘンレ版のヴァイオリンパートを写し取ることにした。ここ重要。
考えることは以下。
ヘンレ版をオクターブ下に写し取るだけだ。
1ページ12段。1段に3小節取ることで、完全に1ページに収まる。先に小節線を引いてしまってあとは黙々と写す。
気持ちがいい。
バッハ、ヴァイオリンソナタ第4番ハ短調BWV1017のヴィオラ編曲版について、思いあまって第2楽章を写譜したと書いた。この度第1楽章も写譜することにした。第2楽章の場合はオクターブ下げるため、同時にC線を鳴らしたいためだった。
では何故第1楽章も写譜なのか?
まずは私が写譜を苦にしないことが大前提として、以下の画像を見比べて欲しい。
これが、ヘンレのヴァイオリンオリジナル版。
次がインターナショナル社のヴィオラ版の楽譜。ボウイングやダイナミクス、あるいは指番号は無視するとしてだ。
同じ小節数なのに、ヘンレは1楽章に丸々1ページ割いている。一方でインターナショナル社は、無理やり半分に切り詰めている。
第1楽章をも写譜でと決意した理由はこれだ。インターナショナル社の切り詰めっぷりでは、楽譜の余白に書き込みもしにくい。コストダウンと言われれば返す言葉はない。がしかし、どうせ練習するなら同社のコストダウンのシワ寄せを受けたくない。
この程度のことで私の音程が劇的に改善するはずはないが、どうせなら気持ちよく練習したい。
15年ぶりに取り出した楽器を昨年9月8日に、メンテナンスに出した。かれこれ早いもので1年たったので、またメンテに出した。9月30日に預けて1日に完成。
6月に更新した弓の点検と弦交換がメイン。A線のみ昨年11月で他は9月だったからちょうどいい。
少なからぬ問題は弦。結論から申すとこのたびWarchalに代えてみた。A線のラーセンが少々高いのでなどなど言い訳はあるが、悩んだ末にの結論。まだ3日しか弾けていないので結論は持ち越し。
大学オケの行事のうち、定期演奏会の次くらいの位置付けに「移動音楽教室」があった。小学校を訪問して小さな演奏会を開く。
中には泊まりがけの年もあった。1979年夏、3泊4日で山梨県に移動音楽教室を行った。2年生になったばかりの私が幹事だった。とかく音程の悪い楽器演奏に比べて、この手の幹事役は大好きだった。今に続く仕切り癖の初回だったと思う。
で、9カ所くらいで演奏会を行った。全ての学校で楽器紹介をする。スコアの上の方から楽器1つ1つを鳴らして紹介する。演奏はもっぱらパートリーダーだ。各パート趣向を凝らして楽器紹介をする。初心者だった私にずっとヴィオラを教えてくれた先輩がさらりと弾いた。
なんとなんとそれが「大きなのっぽの古時計 」だった。
小学生の心にもきちんと響くC線の鳴りだった。大学生の心にもきちんと届いていたので、今頃記事に出来る。
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