公認書籍管理士
ブラームスが没した後、彼の遺産の大きな部分を占める蔵書は、膨大な量の古楽譜と合わせてウィーン楽友協会に寄贈された。几帳面なブラームスのことだから、それなりに整理はしていたと思われるが、主無き書庫に残された蔵書は、第三者にとっては、カオスだったに違いない。
寄贈を受ける立場の楽友協会は、一山いくらのどんぶり勘定ではなく、詳細な寄贈明細を作成した。その全貌を伺う資料は和訳されていないようだが、さまざまな書物から推定することが出来る。日本ブラームス協会編「ブラームスの実情」にも掲載されている。
125年前の今日はブラームスが残した蔵書の明細が完成した日のようだ。ブラームスの蔵書明細書の日付が1897年5月12日になっているらしい。そこには作成責任者の名前とともに「公認書籍管理士」の肩書きが添えられている。
「公認書籍管理士」とは何だろう。どんなドイツ語の訳語かわからないが、字面から言えば「本のスペシャリスト」というイメージだ。司書に近いと思われる。おそらく署名したのは責任者で、実際の作業は大勢の人間による手作業なのだと思う。ブラームスの葬儀は1897年4月6日だったから、そこから1ヶ月少々の作業だったと考えられる。ウィーン楽友協会からの委託を受けたプロの仕事だ。
つまり本のプロが乗り出す必要があるほどの蔵書の量だということだ。
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