「愛の歌」の編曲
ワルツ「愛の歌」は作品番号52を背負うブラームス重唱作品の代表だ。全部で18曲の可憐なワルツの集合体である。
ソプラノ、アルト、テノール、バスにピアノ連弾という特殊な編成は小さなサークルとりわけ家庭での楽しいひと時のために供給されたかのように見える。マッコークルの作品目録に記されているだけでも以下の通り様々な形態に編曲されていることからも、さまざまなニーズの存在を推定出来る。
- 四重唱とピアノ連弾 これがオリジナルだ。
- ピアノ連弾 オリジナルから重唱が抜かれた代物。
- 四重唱とピアノ独奏
- 四重唱と小管弦楽 フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンと弦楽5部。ただし3番、7番、10番と12番以降は除かれて、後に新・愛の歌の9番になった曲が加えられている。木管五重奏プラス弦楽合奏だ。ここまでがブラームス本人による編曲である。
- ピアノ連弾とヴァイオリン、チェロ。
- ヴァイオリンとピアノ。
- フルートとピアノ。
- フルートとヴァイオリンとピアノ。2本のフルートでも可能とされている。ヴァイオリン2本とピアノでも当然演奏されただろう。
- 2つのヴァイオリン。
- 弦楽四重奏または弦楽合奏。
- ピアノ6手用。1台のピアノを3人で弾くのだ。
- ピアノ独奏。
さすがウィーンだとため息が出る。出版年は1869年だ。お気づきの方も多いと思うがこれはハンガリア舞曲第1集第2集出版の翌年である。ベストセラーになったハンガリア舞曲の2匹目のドジョウを狙ったと勘繰られても仕方が無いタイミングである。おそらくハンガリア舞曲を先を争って買い求めた層が主たるターゲットだったと思われる。
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