L;istesso tempo
「同じテンポで」と解される。「何と同じなのか言及が無い」などど突っ込んではいけない。「今までと」という部分が省略されているのだ。
- 歌曲「遠い国で」op19-3冒頭。
- 交響曲第2番第2楽章33小節目。「L'istesso tempo,ma grazioso」として出現する。私が生まれて初めて体験した「L'istesso tempo」はここだ。4分の4拍子で始まった曲が、一部のパートに8分の12拍子が出現し始める場所に置かれている。「拍子記号が変わる人たちが居るけど、テンポは変えないでね」という意図は明らかだ。
- 大学祝典序曲op80 88小節目。「L'istesso tempo,un poco maestoso」として現れる。
初期のピアノ用変奏曲の国内版の一部の楽譜に、ヘンレ版には存在しない「L'istesso tempo」が書かれているので注意が必要である。
それにしても上記1は、奇妙だ。「今までと同じテンポで」という意味なのに作品の冒頭に出現しては具合が悪かろう。これにはブラームスならではのカラクリがある。op19-2「遠い国で」は、その直前の「別離と辞去」op19-1の続編になっている。テキストがそうなっているのだが、それに付与された音楽も巧妙なエコーになっている。だからこの「L'istesso tempo」は「前の曲と同じテンポで」という意味なのだ。
さすがブラームスだ。若いのに芸が細かい。








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