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カテゴリー「233 交響曲第3番」の23件の記事

2015年12月 3日 (木)

Brahms meets Jazz

ショップをうろついていて入手したCDのタイトル。ブラームスの作品をジャズ風にアレンジした8曲が収録されている。ブラームス作品の印象的な旋律を切り取ってジャズテイストに仕上げなおしたというイメージ。編成はヴァイオリン、バス、ドラム、ピアノというカルテット。2005年トゥツイングで開かれたブラームスフェスティヴァルの出し物だったらしい。

  1. Viilon sonata A major ヴァイオリンソナタ第2番の3楽章冒頭のテーマを取り扱っているが、ジャズテイストが優勢で、黙って聴かされたら誰も気づかない。
  2. Hungar.Dance Nr5 さすがにこれはよくわかる。
  3. Intermezzo a minor op116-2がアレンジされている。
  4. Presto ハンガリア舞曲12番。
  5. Violin concerto D major ヴァイオリン協奏曲の第2楽章を題材にアドリブ満載。自然に第3楽章に移る。
  6. Capriccio 
  7. Symphony Nr.3 例によって名高い第3楽章から。
  8. Hungar.Dance Nr16

CDジャケットに掲げられたタイトルをそのまま記した。見ての通りドイツ語と英語のチャンポン。演奏はとことんジャズ寄り。素材にブラームスが用いられているのだが、集中していないと気づかないレベル。根を詰める仕事をする際のBGMにいいかも。

2014年6月30日 (月)

Nerobergbahn

ウィースバーデン郊外にある登山鉄道。標高245mのネロベルクに登るための小さな鉄道なのだが、マニアの間では有名。世界唯一の水力鉄道だ。ワイヤーでつながれた2両のうち頂上側車両のタンクに水を満載し、その重みで傾斜を下ると、麓側の車両が引っ張られる仕組みだ。麓駅に着いた車両のタンクから水が抜かれ、同時に頂上についた車両のタンクに注水される。頂上側へはポンプで水をくみ上げているから、完全なエコではないものの、発想がユニーク。冬季は水の凍結を理由に運休という設定がすばらしい。

ブラームスは1883年夏ウィースバーデンに滞在した。ここで交響曲第3番を作曲したことで名高い。当時ブラームスが滞在した家は、市街中心のマルクトプラッツから、ネロベルグに向かう途中にあった。もしやブラームスが乗車しているかと思って調べたが、開業が1888年だった。フランクフルトから近いので、乗車の可能性はゼロではないことが救いだ。

「Nero」はイタリア語で「黒」だ。「Neroberg」は「黒山」かもしれないが、ローマ皇帝ネロに関係があるかもしれぬと妄想ばかりがふくらむ。

2014年6月20日 (金)

4番の位置

交響曲1つ1つに独立したカテゴリーを付与した結果、それら各曲の言及回数が図らずもランキング化されることになった。本日現在の本数を以下に列挙する。

この結果は、ブログ開設以来無意識に積み上げたものだ。1番への集中は、のだめネタも貢献している。無意識だっただけに、これらの数値には意味がある。本日以降、この数値が刷り込まれてしまうため、必ずしも公正とは言えなくなる。

案の定次女がブラ4に挑戦すると知っただけでテンションが上がってしまい、鉄道特集を4日も中断してしまった。この先次女のブラ4ネタが膨れ上がると、鉄道特集のエンディングが年末にずれ込む可能性が出てきた。嬉しい悲鳴。

2014年6月19日 (木)

プレゼント返し

昨日言及した第3次カテゴリー改訂の目玉は「交響曲独立カテゴリー体制」の導入だ。

既存のカテゴリー「205 交響曲」にはブラームスの4つの交響曲が雑多に放り込まれていた。2033年までの継続を考えるとそれを放置するのはしのび難い。さらにそこには、ブラームス以外の作曲家の交響曲を話題にした記事も混入している。だからそれを整理したと書いた。

しかしそれだけでは必ずしも正直ではない。

次女が大学オケデビューでブラームスの第4交響曲にチャレンジすることが決まったことが大きなモチベーションになった。過去の記事をあたって、それらに交響曲各々のカテゴリーを再付与するのは、簡単ではない。一通り読まねばならないから時間がかかる。必要性を感じながらも、手が出せずにいた。

このたび次女のブラ4挑戦は、またとない機会だ。4番関連記事だけを抜き出すことも考えたが、テンションが上がっているうちに全4曲で実施することにした。

初めてブラームスの4番に挑戦する次女へのプレゼント。既に今日までに第4交響曲に関連する記事は40本を超えていた。それらを一括して閲覧することが可能になった。父の日のお返し。

次女のブラ4にブラームスのご加護を。

2011年9月25日 (日)

レアンドロス

ギリシャ神話の登場人物。ヘロとのロマンスで名高い。彼は恋人のヘロに会うために毎夜ダーダネルス海峡を泳いで渡った。ヘロは美の女神アフロディーテに仕える身だから結婚が許されていない。つまり禁断の恋だ。だから危険を冒して夜の海を泳いでわたる。ヘロはレアンドロスのために目印となる灯りをつけていたが、強風で消えてしまい、レアンドロスは溺れ死んでしまう。ヘロは絶望のあまり塔から身を投げた。

昨日話題にしたドイツ民謡「二人の王子」はこの話が題材になっている。ドイツ人にとってそこそこ知られた話なのだ。

ブラームスの親友ヨアヒムは交響曲第3番第4楽章52小節目の第二主題を聴いて「ヘロポントス(ダーダネルス海峡)を泳いでわたるレアンドロスのようだ」と称している。激情にかられて荒れ狂う大自然に挑む若者の姿を想像したと告白している。ハ長調で奏でられるチェロとホルン雄渾な旋律だ。ヨアヒムもブラームスもこの話を知っていた可能性が高いばかりが、それを題材にした民謡も知っていた可能性もある。

ブラームスが関与した民謡にとどまらず、民謡一般の知識習得を試みる中から民謡「二人の王子」を通じてレアンドロスの話を知った。おかげで第3交響曲についてのヨアヒムの比喩が具体性をもって実感できた。

2011年5月24日 (火)

感謝のしるし

人は感謝のしるしとして何かと物を贈る。言葉で礼を述べるだけにとどまらず、別に贈り物をして感謝の気持ちを伝えるのだ。

ブラームスは作曲家だから、感謝のしるしとしてお世話になった人に曲を贈る。献呈という形をとったり、自筆署名入り初版印刷譜だったり形態は様々だ。作品一覧表中の献呈された人々の欄はそうした感謝のしるしが時系列的にお行儀良くならぶことになる。一見オヤというような人物に献呈されていても、よく調べると納得の理由が必ず潜んでいる。

ハンブルクでのポストに嫌われ続けたブラームスに、ハンブルク市は名誉市民の称号を贈ることで謝罪と和解の意思表示をする。わだかまりが完全に払拭された訳ではないが、ブラームスはこれを喜んで受諾する。そして時のハンブルク市長ペーターセンに「8声の合唱のための記念と祝典の格言」op109を献呈する。1889年9月9日にハンブルクで初演にこぎつける。何かの語呂か「9」が重なる。受賞の決定は5月23日だったが、授賞式は9月。この演奏会はそれに先立つ祝賀行事の一環だと思われる。

名誉市民への選定はこの市長が最終的に決裁したことは事実だが、実はもう一人功労者がいる。

ハンス・フォン・ビューローだ。彼はブラームスの友人でピアニストとしても指揮者としても成功した音楽家で、演奏会の前に聴衆にむかって演説することでも有名だった。こうと思ったら突き進む人なのだ。持ち前の行動力でハンブルク市を説得し、ブラームスへの名誉市民授与に対する障害を根気よく取り除いたという。

ブラームスは後に第3交響曲の手書き総譜をビューローに献じて、感謝の気持ちを表した。

2011年3月26日 (土)

献呈より凄い

4つの交響曲は誰にも献呈されていない。このうちの第3番には凄いエピソードが隠れている。

1890年1月8日、この日はハンス・フォン・ビューローの60歳の誕生日だ。ブラームスは盟友のビューローに第3交響曲の自筆スコアをプレゼントする。出版用の原稿としてジムロックに手渡したものとは別に書き下ろしたと推定されている。

出版社から刊行された印刷譜の表紙に「献呈の辞」が書かれるのも素晴らしいが、作曲者本人から手書きのスコアを贈られる栄誉は、ある意味で献呈を凌ぐと感じる。総延長数十小節の小品ではない。数百小節という規模、参加するパートの多さを考えると手書きスコアの価値は計り知れない。

もちろんビューローはその意味合いを十分に認識していた。その後、第3交響曲を指揮する機会を得たビューローは、ブラームスから貰った自筆スコアを演奏会当日に譜面台に持ち込む。そうしておいて実際には、スコアを閉じたまま暗譜で指揮するという挙に出た。超一流の指揮者ならではの感謝の表明であると感じる。

ジムロックに渡された出版用の原稿は行方不明になっいる一方で、ビューローに贈られたスコアは、ビューロー未亡人その他の手を経て現代に伝えられた。

2011年2月23日 (水)

組版の知識

ブラームスと出版人ジムロックの交友は有名である。大出版社ジムロックの社長に就任する前からの付き合いだ。ジムロックとの付き合いはブラームスに出版関連の知識をもたらしたと思われる。

交響曲第3番は、ブラームスの4つの交響曲の中では最も規模が小さい。このことはブラームス本人もよく認識していて、友人宛の手紙の中で「Symphonichen」としていることからも明らかだ。交響曲が縮小語尾によってモデファイされている。いわば「小交響曲」のニュアンスだ。

第3交響曲の規模の小ささを踏まえた言い回しがある。友人への手紙の中で「第3交響曲は短いから、組版も簡単に出来る」というくだりがある。このエピソードは、どんな書物でももっぱら交響曲第3番の規模が小さいという指摘のために引用される。私としては、そのこととは別に、ブラームスが出版の工程にも明るかった証拠だと思っている。

いくつもの出版社と刊行の交渉をするうちに、出版社側の事情にも精通していたと解したい。出版社から見たブラームスは、超一流の作曲家であったと同時に、タフな交渉相手でもあったと考える。

2010年3月25日 (木)

舞曲楽章の掟

昨日の記事「舞曲メーカー」でドヴォルザークの交響曲の第3楽章だけを抜き出してiPodで聴いていると書いた。程なく気付くのだが、ドヴォルザークの交響曲の第3楽章は、みな先頭楽章と同じ調になっている。例外は6番と8番で、どちらも第1楽章の同主短調になっている。どうやらこれは、古典派にあってのお約束らしい。ベートーヴェンだって7番を除いて皆、これを守っている。

ところが、ロマン派になるとこれを守らぬ輩が増殖する。シューマンは2番と4番だけ守っている。ブラームスはと見ると、意外と大胆で4曲全部守れていない。

  • 1番ハ短調→変イ長調
  • 2番ニ長調→ト長調
  • 3番ヘ長調→ハ短調
  • 4番ホ短調→ハ長調

そもそも楽曲の形式を見れば、舞曲楽章と呼ぶのさえはばかられる。実質的に「管弦楽のためのインテルメッツォ」に等しい位置付けた。ブラームスは表向きカッチリとソナタ形式にとどまりながら、内側から解体している感じがする。

交響曲に関して申せば、ドヴォルザークは意外と律儀である。

2009年10月17日 (土)

第3交響曲私演

1883年10月ドヴォルザークがウィーンにブラームスを訪ねた。ドヴォルザークはジムロックに宛てた手紙の中でこの対面について言及している。

ドヴォルザークの証言によればこれほど陽気なブラームスは初めてだといい、相当に話が弾んだというニュアンスだ。

12月2日に迫った第3交響曲の初演も話題になったに違いない。ブラームスはドヴォルザークの求めに応じて第1楽章と第4楽章をピアノで弾いて聞かせたという。ドヴォルザークは「前の2つの交響曲を凌ぐ」という感想を漏らす。ということはつまり前の2つの交響曲もよく知っていたということに他ならない。

このシーンを想像するだけでワクワクする。他にどんな話をしたのだろう。

12月2日の第3交響曲初演には、ドヴォルザークも姿を見せた。彼の第7交響曲の解説には、しばしばブラームスの第3交響曲の影響が指摘されてている。

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