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カテゴリー「211 オルガン」の49件の記事

2023年9月 9日 (土)

残響実感

念願かなって取り揃えたCDプレーヤーの話。オルガン作品の再生で目から鱗、いや耳から鱗が数枚落ちた。言葉で表すのは難しいと申してきたが、ヒントとなる現象に気付いた。

オルガン作品のエンディングで、和音が全力で鳴らされる。まさに音圧というにふさわしいのだが、その直後も聞き逃すまい。オルガニストが鍵盤から手を放した瞬間からしばらく、空間に音が残る。この度買い求めたプレイヤーで再生すると、空間を満たすこの音がやけに鮮明なのだ。

文字通り「残響」だ。残響が途切れるまでが音楽なのだと心から実感する。

オルガン以外のジャンルではあまり実感できない感覚。

幸せだ。

2023年9月 8日 (金)

5度犠牲

16世紀初頭に考案されたオルガンの調律法にミーントーンがある。この調律法の特色を一言で申すなら「5度犠牲」とでもしておきたい。Gis音とEs音で生じる耐えがたい不協和音が「ヴォルフ」と呼ばれて恐れられていること周知の通りである。「ヴォルフ」を筆頭に、さまざまな制約もありながらも、シャープ、フラットとも2個以内なら長短どちらも美しいというメリットもあり重宝されてきたという。
ミーントーン調律法が5度の響きを犠牲にしてまで守ろうとしたものは何か。
それは「3度」である。

2023年9月 7日 (木)

全三音跳躍

「全三音」とは、増4度または減5度のこと。かなりインパクトのある不協和で、古来「悪魔の音程」と言われてきた。バーンスタインのウエストサイドストーリーにちょくちょく出てきた。ジャズっぽい感じを手軽に付与できる面もある。
BWV564のトッカータ、アダージョとフーガはお気に入りだ。名高い「トッカータとフーガのニ短調」BWV565の一つ前にひっそりと言うには、あまりに華麗だ。「トッカータ」「アダージョ」「フーガ」といういわば3楽章構成。その冒頭に全三音の跳躍がある。20190321_161151
赤枠で囲んだ部分。HからFへのジャンプだ。同型が反復される2回目は、GからEの6度になっているからとりわけ目立つ。はっとさせられる。そーとーおしゃれに聞こえる。

2023年9月 5日 (火)

ドラドラ

麻雀の話ではない。BWV575ハ短調フーガにささげた私的ニックネーム。

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これが作品の冒頭だ。ニックネームの由来は赤枠で囲っておいた。そりゃあ調号としてフラット3個が奉られて、結尾ではハ長調の主和音が鳴る。だからハ短調と解されて疑われないのだとは思う。でもこの出だしはスリリングだ。フーガの主題として異例。響きが独特。BWV番号的に名高い「小フーガト短調」の3つ前にひっそり置かれているが、魅力的だ。

 

2023年9月 3日 (日)

テンポ表示としての拍子

BWV540ヘ長調のお話。大好きな作品だけに、基本的な疑問がある。
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なぜ8分の3拍子なのだろう。音価が2倍に延ばされた4分の3拍子でもよさそうなものだ。あるいは2小節一組として8分の6拍子でもいいのではないか。オルガン作品においては珍しい拍子だ。
この音楽に8分の3拍子を採用したバッハの脳内基準は何だろう。作品冒頭に発想記号も、ダイナミクス表示もない。この作品に向き合うオルガニストの注意は、フラット1個の調号と、8分の3拍子、そして楽譜1ページ目に横たわるペダル踏みっぱに向けられるに違いない。繰り広げられる楽想は左右の手による精密なカノンだ。16分音符の織り成す刺繍のよう。譜面づらによるテンポ指定ではないのか。16分音符の連続により譜面が黒っぽくなるという視覚効果とともに遅く弾かれることを戒める意味が、この8分の3拍子にありはしないか。

2023年8月30日 (水)

まさかのオルガン

マイルーム取得計画の根幹として念願のCDプレイヤーを買い求めて、所有するCDを片っ端から聴き直している中、思わぬ収穫に打ち震えている。

それがオルガンだ。オルガン作品のCDを再生して唖然とした。よく鳴るのだ。期待以上。

こりゃたまらんとばかりにあれこれ聴き直している。言葉でうまく説明できないのがもどかしい。オルガン特有の音圧が克明に再現されるとでも申すのが関の山だ。

ほぼバッハを聴くことに等しい。やはりバッハだ。

2021年5月 5日 (水)

任意でないオルガン

記事「オルガン任意 」でドイツレクイエムのオルガンが任意だと書いた。オルガンの設置が概ね教会に限定されることを考慮して、「オルガン必須」としなかったのかもと推定した。

ブラームスには伴奏にオルガンを指定した合唱作品がある。「GeistlischesLied」op30である。

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「宗教的歌曲」と訳されている。シューマンが没する時期の作品を後から出版したものだ。ほんっとに美しいけれど、実は実は二重カノンという複雑な形式で書かれている。対旋律と主旋律2つ一組が1小節遅れて2度低く模倣されるという精巧な造りだが、聴いた感じではそんな技巧面での工夫など微塵も感じさせない。編成の指定は「混声四部合唱とオルガンまたはピアノ」となっている。

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楽譜にはオルガンまたはピアノ3手または4手とある。オルガンの足鍵盤をピアノに転写することを考えるとピアノ奏者一人では足りずに、最低もう一人が左手1本を差し出せと読める。

我が家所有のCDにはピアノ版もオルガン版もある。私はやはりオルガン版の方がいい。一度音を発したら減衰が宿命づけらたピアノでは、ペダルを長く引き伸ばすのは酷だ。和音を空間に敷き詰めるならオルガンに限る。

特に終盤、53小節目以降、クライマックスへの準備が始まると同時に低い「Es音」がスラーで数珠繋ぎになる。いわゆるオルゲルプンクトだ。絶対にオルガンでなければならぬ瞬間だ。

 

 

2021年4月29日 (木)

四段鍵盤実例

  ライプチヒのニコライ教会の大オルガンの鍵盤の写真を実は現地で撮影していた。数えると4段ある。

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このオルガンの演奏を生で聴けた。開演前に何気なく撮った一枚。

 

 

2021年4月27日 (火)

ニーノロータ

20世紀イタリアの作曲家だ。映画音楽の分野ではかなりな有名人。「ゴッドファーザー」「太陽がいっぱい」など名旋律が多い。中学校時代私も大好きだった。このほどふとした弾みで思い出した。「スターウォーズ」のオルガン版が欲しくて購入したCDに、ニーノロータ作曲の「オルガンのためのソナタ」が収録されていた。

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いやいや楽しいCDだ。冒頭はひとまずバッハだ。「トッカータとフーガニ短調BWV565」が枕替わりである。ダースベイダーのマーチは、オルガンで弾かれると説得力がある。それに加えてニーノロータとは恐れ入る。

 

 

 

 

2021年3月18日 (木)

混乱の源泉

BWV596は、ヴィヴァルディの調和の霊感op3-11をバッハ自らがオルガン独奏に編曲したものだ。ブラームスはこれを自ら筆写してまでクララにプレゼントしたのだが、バッハの長男フリーデマンの作品であると考えていた。

このほどそうした錯乱の原因が分かった。1774年頃のことだ。父ヨハン・ゼバスチャンの膨大な楽譜を相続した長男ヴィルヘルム・フリーデマンは、経済的な困窮から遺品楽譜の一部を売却して換金しようと企てた。買い手との交渉の中で、故意か過失か問題のBWV596を自作と位置付ける一方、自作のいくつかを父作とした。相続者本人のこの工作が世間の認識を左右し、同曲は長く「長男フリーデマン・バッハ作」とされてきた。

ブラームスは自ら筆写するほど気に入って、さらにクララにプレゼントまでしたのに、これを「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ」作であるとクララに申告していた。信じ切っていた証拠だ。

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