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カテゴリー「304 ベートーヴェン」の47件の記事

2020年8月17日 (月)

三大Bそろい踏み

「BACH」のスペリングを音名に見立てて、これをモチーフとして扱うのは、バッハが復興したロマン派以降、バッハへの敬意を示す方法として広まった。両手の指に余る数の実例がある。

ブラームスにも渋い実例を発見した。

ブラームスは自らが先輩作曲家のピアノ協奏曲を演奏する際にカデンツァを書いた。このうちベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番第一楽章のカデンツァの中25小節目に「BACH」のモチーフが現れる。ベートーヴェンのコンチェルトのカデンツァに、ブラームスが「BACH」のモチーフを埋め込んだということだ。

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見ての通りソプラノの声部にキッチリだ。和音進行をコードネームで言うなら、「C7→F→Dm7→G7」とでも解せよう。楽譜にこのように音名が印刷されているということは、オリジナルに書かれていたのだと思う。幸いナクソスからCDが出ている。

2020年8月14日 (金)

カデンツァ

協奏曲中に挿入される演奏者の即興演奏のことまたはその部分。何故か時代が進むにつれて作曲家がこれを承認したがらなくなる。演奏と作曲の分業が進んだせいとも指摘されているが詳細は手に余る。

ブラームスは超一流の作曲家でありながら、同時に達者なピアニストだった。自作以外のピアノ協奏曲を公開の場で弾いたことも少なくない。そうした機会には自作のカデンツァを披露していた。

  1. バッハ クラヴィーア協奏曲ニ短調BWV1052の第3楽章
  2. ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番ト長調op58第1楽章、第3楽章
  3. ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番ハ短調op37第1楽章
  4. モーツアルト ピアノ協奏曲ト長調KV453第1楽章、第2楽章
  5. モーツアルト ピアノ協奏曲ニ短調KV466第1楽章
  6. モーツアルト ピアノ協奏曲ハ短調KV491第1楽章
  7. モーツアルト ピアノ協奏曲ニ短調KV466第1楽章 マッコークルは疑っている。

以上だ。

ブラームス側にカデンツァを作る気があっても、ロマン派の作曲家は演奏家の即興を認めていない。お許しがあればショパンやシューマンの協奏曲用にカデンツァの1つや2つひねり出すのは容易だったと思われる。

2020年7月19日 (日)

100のトピック

原書房刊行の「100のトピックで知るドイツ歴史図鑑」という本を買った。グイドクノップという歴史学者が書いた本の翻訳版。原題は「Die Sternstunden der Deustchen」という。「ドイツの世紀の一瞬」くらいの意味。西暦800年から2007年までの出来事100件が収載されている。読み物として面白いのだが、その中に音楽系のトピックが4つある。

  1. 1734年12月25日 ライプチヒ。バッハ「クリスマスオラトリオ」初演。
  2. 1791年09月30日 ウィーン。モーツアルト「魔笛」初演。
  3. 1824年05月07日 ウィーン。ベートーヴェン「第九」初演。
  4. 1876年08月13日 バイロイト。ワーグナー「指環」初演。

興味深い。以下は突っ込みどころだ。

  • 「ドイツの歴史」という場合の「ドイツ」とはったい何だ。「ドイツ語圏」と言い換えないと上記の2番は矛盾をきたす。モーツアルトはザルツブルクの生まれでウィーンで没した。いわゆる小ドイツ主義的には具合が悪かろう。
  • そもそも「魔笛」と「第九」初演の地ウィーンはドイツではない。
  • ブラームスは入っていない。「ドイツレクイエム」や「第一交響曲」の初演はあえなく落選だ。

当然と言えば当然だが、「宗教改革」は筆頭格である。

 

 

2018年7月29日 (日)

伊豆の3B

何かと思った。まさかバッハ、ベートーヴェン、ブラームスではあるまいなと。伊豆のカフェの名前だった。

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スリービーンズのことだった。3種類の豆を常時扱っていることから来るネーミングだという。コスタリカの浅い焙煎が気に入った。もちろんコーヒー自慢のお店なのだが、ジビエやピザもおいしくて盛り上がった。

2018年6月 2日 (土)

アジア初演か

1918年6月1日の徳島坂東におけるベ-トーヴェンの第九交響曲の演奏が、日本初演だということなのだが、この演奏が同時に「アジア初演」だと断言されている。

第一次大戦で日本が陥落させた中国青島のドイツ租借地は、日本の攻撃を受けるまで10年以上ドイツ人が多数居留していた。青島ビールはドイツ人用のビール供給に端を発する。オーケストラも組織されていた。

素朴な疑問がある。

日本に占領されるまでの間、同地オケは第九交響曲を演奏しなかったのだろうか。

当時の青島はドイツ人も多く住んでいた。俘虜という制約もない音楽活動が保証されていたはずで、第九交響曲の演奏が試みられたことがないというのか。坂東が「日本初演」に加えて「アジア初演」と断言する以上、その点の検証には抜かりがないと思うには思うのだが、信じられない。

征服前の青島で顧みられることがなかった第九演奏が、俘虜生活の制約の中で実現したということなのか。

2018年6月 1日 (金)

第九日本初演

第一次大戦中、日英同盟の関係で日本は中国・青島のドイツ租借地を攻略し陥落させた。たてこもったドイツ将兵が日本で俘虜として収容された。数か所に分散したうち徳島の坂東にはおよそ1000名が収容され、同地に組織されたオーケストラによってベートーヴェンの第九交響曲全曲が演奏された。

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女声が求められる部分を男声で補っての演奏ながら、これが同交響曲の日本初演である。初演の日付は1918年6月1日だ。つまり本日は第九日本初演100年のメモリアルデーだ。

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2018年3月11日 (日)

3大宗教作品

ブラームスは1872年秋から1875年春までウイーン楽友協会音楽監督の地位にあったが、その最後のシーズンの選曲を調べていて興味深い事実を発見した。

  • 1874年12月06日 ベートーヴェン:ミサソレムニス
  • 1875年02月28日 ブラームス:ドイツレクイエム
  • 1875年03月23日 バッハ:マタイ受難曲

ご覧の通りだ。この周辺の事情は以前にも述べておいた。

この年、復活祭は3月28日だった。バッハのマタイ受難曲を聖金曜日の3日前に演奏したということだ。自作の「ドイツレクイエム」はイースターのちょうど1か月前。ついでに申すならミサソレムニスは作曲者ベートーヴェンの誕生日の10日前である。

楽友協会音楽監督の辞任を決めていたブラームスがラストシーズンで放つプログラム。これをドイツ3大宗教作品と断じてもブログ炎上には至るまい。

2017年12月26日 (火)

第九特集総集編

ミニ企画「第九特集」が終わった。8月にティンパニ特集して以来の企画だ。手軽に年末気分が注入出来るのだが、12月一か月もれなく記事を敷き詰めるには本数が足りないのでミニ企画でお茶を濁す次第。

  1. 2017年12月14日 空虚五度
  2. 2017年12月15日 抱き合え百万の人々よ
  3. 2017年12月16日 第九初体験
  4. 2017年12月17日 ベートーヴェンの記憶
  5. 2017年12月18日 Durch と Zur
  6. 2017年12月20日 第九初演
  7. 2017年12月21日 Die Absoluten Musik
  8. 2017年12月23日 シューマンの証言
  9. 2017年12月24日 さすが楽聖
  10. 2017年12月25日 アンカー
  11. 2017年12月26日 本日のこの記事

2017年12月24日 (日)

さすが楽聖

坂東俘虜収容所のオケの演目が詳しく記録されている。

作曲家別の交響曲演奏頻度ではベートーヴェンが抜きん出ている。ハイドンとシューベルトが少々あるほかは全滅だ。マーラー、チャイコフスキー、ドヴォルザークはもちろんブラームスも全滅。

一方のベートーヴェンは、交響曲なら9番を含む4曲がある。コンチェルトだってピアノ協奏曲第1番とヴァイオリン協奏曲がある。室内楽も少し演奏されている。

ブラームスはハンガリア舞曲第5番があるくらい。

1918年と言えばブラームスが没してからまだ20年しか経過していない。ブラームスを知る人がまだまだ存命中だ。ちゃきちゃきの現代音楽なのだと思う。

坂東や習志野でブラームスの交響曲が日本初演されていたら、20本くらいは記事を稼げたはずだ。

2017年12月23日 (土)

シューマンの証言

以下、シューマンの言葉だ。

イタリアにナポリ、フランスに革命、英国に艦隊があるようにドイツにはベートーヴェンの交響曲がある。

含蓄がある。

ドイツ人にとってのベートーヴェンの位置づけが透けて見える。慣れない日本での生活を強いられた俘虜たちが、心のよりどころとしたのがベートーヴェンの音楽だったこと想像に難くない。

バッハでもブラームスでもなくベートーヴェンであった必然を味わっている。

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