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カテゴリー「322 レーガー」の7件の記事

2011年11月17日 (木)

MDG

ドイツのCDレーベルの名前。「Musikproduktion Dabringhaus und Grimm」のイニシャルだ。DabringhausさんとGrimmさんの共同経営らしい。何と申しても本社所在地がデトモルトというのがおしゃれである。

さてさて、小さな街の田舎レーベルかと思いきやとんでもないグッドジョブに出会った。「Das Lieben bringt gross Freud」というタイトルのアルバム。演奏者はアマルコルドAmarcordという男声五重唱(テノール2、バリトン1、バス2)と、ライプチヒ弦楽四重奏団のジョイントで、20曲のドイツ民謡が演奏されている。

これだけでも十分驚きだ。

ジョイントと言っても両者の共同演奏は全20曲のうち3曲だけ。「菩提樹」の男声五重唱の弦楽四重奏伴奏が聴ける。

以下8曲は弦楽四重奏だけの演奏だ。以下に曲を示す。

  1. Das Fuchslied
  2. Das Schwabische Brunnele
  3. Muss i denn
  4. O du lieber Augstin
  5. Ist mir alles eins
  6. Ach, wie ist's moglich denn
  7. Loreley
  8. In eine Kuhle Grunde

いやいやお宝。編曲はモーリッツ・ケッセマイヤーという人。1831年生まれで1884年に没したからブラームスと重なっている。ウィーン宮廷歌劇場のヴァイオリニストでのちに指揮もした。音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第2巻40ページ。ホイベルガーとの会話の場面で、ブラームスがケッセマイヤーの葬儀に参列したことが明らかとなる。「光り輝く音楽家、善良なる人物、栄えある同胞」というのがブラームスの見立て。作曲や編曲にも才能を見せたらしく、名高いドイツ民謡を弦楽四重奏に編曲している。ここにある8曲も超有名どころだ。1番は大学祝典序曲の中にも出てくる「新入生の歌」だ。編曲も凝っていて飽きさせない。

アマルコルドはライプチヒ・トマス教会の少年合唱団の出身者らしく、ライプチヒ四重奏団とはライプチヒつながりの競演だ。技あり連発の嬉しいCDである。

2011年10月 1日 (土)

Wie bitter bist du

9月28日の記事「恐るべしレーガー」で言及したレーガーの合唱曲「O Tod,wie bitter bist du」のCDをこのほど無事入手した。ソプラノ、アルト、テノール、バスがそれぞれ2分されたアカペラの混声八部合唱だ。行きつけのCDショップであっさり見つかった。きっと前からあったのだと思う。こちらのアンテナがそちらに向いていなくて判らなかっただけだ。

この作品は「3つのモテット」op110の中の3つ目だ。この時点で既に脳味噌が酸っぱくなっている。何故ならブラームスにおいてもop110は「3つのモテット」になっている。偶然にしては出来過ぎな気がする。

CDを購入して帰宅する電車の中でテキストを確認した。案の定「4つの厳粛な歌」op121の3番とピタリと一致する。全体がホ短調で最後にホ長調に転じて終わるという調性のプランさえも一致していた。同じディスクに収録された作品が11曲あるが、ブラームスの声楽作品と一致している作品は他に無い。レーガーがこの作品を作曲するにあたりブラームスを念頭置かなかったとしたらそれこそ奇跡だ。ブラームスを意識していたに決まっている。

英語の解説を舐めるように探したが「Brahms」の文字は発見出来なかった。この作品を解説する時にブラームスの「4つの厳粛な歌」を迂回しているということが最大の謎だ。

2011年9月30日 (金)

レーガーの手口

マックス・レーガーの手によるドイツ民謡の編曲がある。つい最近それらを収録したCDを手に入れたところだ。23曲のうちブラームスの編曲と被る作品を数えたら、たったの2曲だった。

  1. Der Schnitter Tod 旋律は同じだが少しだけテキストが違う。
  2. Ich hab die Nacht traumet

楽譜が無いから聴いた感じだけで申すと、レーガーとて特にトリッキーな和音を使ったりはしていない。メロディーラインの装飾が少しブラームスより細かい。フレーズとフレーズの合間に合いの手を差し挟むことが多い。ブラームスの方がオーソドックスな感じがする。むしろこうした被りがたったの2曲であることそれ自体が特色だと思う。

ブラームスのピアノ四重奏曲第一番に見事なオーケストレーションを施したシェーンベルクにも、ドイツ民謡を題材にした合唱作品がある。「Drei Volksliedsatze」という。「民謡三章」とでも訳すのだろう。こちらは民謡の旋律こそ使っているが、単純な編曲ではない。声部が錯綜していて難解。一部に聴きなれぬ響きも出てくる。レーガーはずっとシンプル。あくまでもあくまでも民謡編曲の柵内にとどまる感じ。

2011年9月29日 (木)

同稿異曲

ひょっとすると私の造語。同じテキストが違う旋律で歌われることだ。代表は何と言っても「野ばら」だ。ゲーテ作のテキストが100通り以上の旋律で歌われるという。我が家にCDがあるのは、そのうちの4種類だけだ。シューベルト、ウェルナー、シューマンそしてブラームスだ。

日本で「夜汽車」として歌われている旋律は「Wenn ich ein Voglein war」というテキストで歌われるのが普通だ。ロベルト・シューマンが同じテキストを採用して二重唱を作曲しているが、このほど買い求めたレーガーの民謡編曲のCDでは、シューマンとも夜汽車とも違う第3の旋律で歌われていた。最近脳味噌に民謡補正がかかているから、この種の発見には心が躍る。

2011年9月28日 (水)

恐るべしレーガー

昨日の記事「レーガーのドイツ民謡集」で、レーガーがドイツ民謡を合唱用に編曲したCDを入手したと書いた。その解説書の余白にある同シリーズの宣伝の中に驚くべき記載を発見した。

昨日話題のCDには「Reger Vocal Ⅲ」という副題がついている。つまりレーガーの声楽作品または合唱作品シリーズ第3弾ということだ。解説書の余白に同シリーズの宣伝が掲載されていた。同シリーズ第1弾のタイトルこそが今回の驚きの正体だ。

「O Tod,wie bitter bist du」となっている。

ブラームス愛好家には目の毒だ。最後の声楽作品「4つの厳粛な歌」の3番と一致する。このタイトルの作品をブラームスの「4つの厳粛な歌」を知らずに生み出したとしたらそれはそれで物凄い偶然だが、おそらくレーガーはブラームスを意識していたに違いない。

2011年9月27日 (火)

レーガーのドイツ民謡集

記事「唐突にレーガー」でマックス・レーガーの民謡編曲を話題にした。CDもある。

  1. 6つの民謡集SATB
  2. 8つの民謡集TTBB
  3. 9つの民謡集SATB

私がとにかく気に入った「二人の王子」は上記3番のラストに収録されていた。つまりCDのトリでありアルバム全体のタイトルにもなっている。

つくづく縁を感じる。ご覧の通りのブラームス好きだから、普通ならレーガーにはトンと縁が無い。大好きなブラームスのドイツ民謡への傾斜がキッカケで、私も民謡にのめりこみ、あろうことかレーガーのさしてメジャーとも思えぬ作品のCDを捜し求めた挙句、それを聴いて喩えようもなく満足した気になっている。

この23曲本当に美しい。ブラームスの民謡編曲と何等遜色は無い。私のブラームスラブは微動だにしないが、ブラームスを軸足に少しだけ視野を広げると、このように美しい作品があったということだ。知らずに一生を終えていたら取り返しのつかぬ損失だった。

2011年9月26日 (月)

唐突にレーガー

ここでいう「レーガー」とは作曲家マックス・レーガーのことだ。世間様の評価ではブラームスとの類縁も指摘されている。クレーメルというヴァイオリニストが、ブラームスの協奏曲のカデンツァ代わりにレーガーの小品を弾いていた。作曲家として名前を知っている程度の認識だった。どうも変奏曲や編曲の分野で大した業績があったらしい。なるほどブラームス的である。

9月22日の記事「Christophorus」で紹介したドイツ民謡集のCDの中に絶唱「二人の王子」があった。ドイツ民謡集のCDであれば大抵はとりあげられている名曲だ。9月23日の記事「裏民謡ベスト20」でもナンバー1に推挙しておいた。先の「Christophrus」ではマックス・レーガー編曲版が収められている。

この編曲が絶品だ。レーガー一般のイメージや評価がどうなっているかは別として、私個人としては目から鱗だ。何と言う繊細な編曲だろう。そのつもりで探すとそのCDの中にもう1曲だけレーガー編曲があった。

「In einem kuhlen Grunde」だ。こちらも可憐。9月23日の記事「裏民謡ベスト20」では12位にランクインしていた。

ドイツ民謡の編曲という分野においてブラームスは、いっぱしの地位を獲得しているが、レーガーも覚えておこうと思う。

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