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カテゴリー「323 ショスタコーヴィチ」の7件の記事

2012年7月14日 (土)

お盆のファンタジー11

夜更かしがたたって遅くに起きてリヴィングに下りてゆくと、ブラームスとビューローが次女を捕まえて話をしている。私が行くと会話を中断させかねないので立ち聞きしてみた。

ビューロー> それにしてもあの日のショスタコ某っていったい何だ。

次女> ディミトリー・ショスタコーヴィチの交響曲第5番は20世紀の作品なのでお二人が知らなくても無理はありません。今のロシアの前にソヴィエト連邦という時代があってとても苦労したそうです。

ブラームス> よく勉強しているね。

次女> 演奏会やコンクールで取り上げる作曲家については、集中的に勉強します。

ビューロー> そんなことじゃなくて、いかにも複雑そうなあの曲をあなた方は暗譜しているのか?

次女> へっ??演奏会本番では楽譜を置いて弾きましたが、何故暗譜だと感じるのですか?

ビューロー> 実はこっそりステリハを見ていたんだ。リハーサルのときはみな暗譜だったでしょ。楽譜なんか誰も見てないことくらいすぐ判るよ。

次女> はい。暗譜でした。あの曲をあのテンポで弾くのは、私たちのレベルではとても難しいので、暗譜してあわせることに集中したのです。楽譜を置くのはホンのおまじないです。コンクールでは譜面台も置きませんでした。でも暗譜は最後の手段です。楽譜を見ないで間違えずに弾くことだけに気をとられ過ぎると機械と同じになってしまいます。楽譜通りに間違えずに指が動くところまでは、息をするのと同じレベルでこなすのが理想です。余った注意力を表情やアンサンブルに振り向けたいのですが、口で言うほど簡単ではありません。

ビューロー> 指揮者が「練習番号105の8小節目から」というような指示をしても、問題なく場所がわかるのですか?

次女> 慣れるまでは大変でしたが。

ビューロー> 全員がそんな感じなの?

次女> はい。初心者ほど暗譜が速いです。

ブラームス> 今度ビューローに君たちを指揮をさせてはもらえないかね。

次女> 本当に指揮をなさる方なのですね。一昨日は失礼しました。顧問に話しておきます。

ブラームス> 顧問って何だ?

次女> 我々のオーケストラの責任者ですが、事実上の常任指揮者でもあります。同時に私たちの学校で音楽を教える教師でもあります。

ブラームス> 音楽の先生だったのか。てっきりどこぞのマエストロを呼んだのかと思った。普段からメンバーに接しているというわけだな。

次女> 私たちにとってはマエストロです。

ビューロー> その前にショスタコ某について私が勉強せばねならん。スコアはあるかな?

次女> もちろんここにあります。

ビューロー> 君は指揮もするのか?

次女> とんでもない。指揮はしません。

ビューロー> それでは何故スコアにたくさん書き込みがあるんだ?

次女> 暗譜してしまったあとの全体合奏練習では、パート譜は見ません。その代わりにイスの下にスコアを置いて、指示や注意をいちいち書き込むのです。自分のパートの暗譜は当然ですが、スコアに頻繁に触れることで、他のパートの事情にも明るくなります。大事なところでは、よそのパートの動きも大体覚えます。

ブラームス> リハーサルのとき、指揮者がホールの鳴り方を聴くために指揮台を離れたことがあったね。そのとき指揮無しでも演奏が続いていたけど、大丈夫なの?

次女> はい。テンポの動きが激しい曲ですが、もう長いこと取り組んでいるので、あの曲に関しては指揮無しでも止まることはありません。みなコンミスとパーリーを見てます。それでも困ったらコンバスやティンパニを聴きます。ショスタコーヴィチならではのアッチェレは、体にしみついてしまった感じです。

ビューロー> そりゃ驚いた。驚かされることだらけだ。

次女> もし私たちが、ブラームス先生の作品を取り上げることになったら、一度練習を見てもらえませんか。

ビューロー> 1度でも2度でも飛んでゆくよ。君たちの国では指切りをするのかね。

大御所2人を相手に臆することなく会話が続く次女であった。

2012年3月 8日 (木)

革命の終楽章

次女が高校に合格して喜んでから早くも1年だ。今一心不乱に部活動のオケに打ち込んでいるの見ると一段と感慨深い。

ショスタコーヴィチの交響曲第5番は「革命」とあだ名されている。昨年10月のコンクールでは、その終楽章を演奏した。その後も懸命に練習を続けている。最終的には5月のスペシャルコンサートで今の2年生が引退するまでじっと磨き上げることになる。

昨年8月にCDを買い与えた。バーンスタイン指揮のニューヨークフィルの「革命」だ。次女と車に乗るたびに聴いていた。バーンスタインの演奏時間は8分少々で、後から知った話ではかなりのハイテンポだ。次女は早いうちから「自分たちが目指す演奏ではない」と断言していた。しからばとばかりに他のCDも聞かせてみた。ムラヴィンスキー率いるレニングラードフィルの東京ライブは、作曲者生前の初演指揮者による演奏という点、しきりに感心はしていた。284小節目後半のヴァイオリンの音が他の演奏と違っているなどと、オタクな発見をしていた。結局は「ホルンのヴィブラート気持ち悪い」とか、ラスト324小節目からのテンポが遅過ぎると恐れを知らぬダメ出し。

今のところ一番しっくりと来ているのがムーティらしい。自分たちの目指す演奏に一番近いというが、324小節目からもう少し速かったら完璧だなどと注文も忘れない。このテンポでは金管が最後まで持たない。ここは弦に構わずテンポを上げて金管をアシストしたいなどと申している。中学時代にブラバンでトロンボーンを吹いていた経験から、ラストのハイトーンをフォルテシモでとなると、ゆるいテンポではどうにもならないらしい。

内容の妥当性はともかく、同曲異演を聴き比べて次々と感想が沸いて出るのが素晴らしい。「好き嫌い」をベースに「自分たちに比べてどうだという視点」と「自分らの目指す演奏という視点」をうまくブレンドした感想を、とにもかくにも言葉に出来るというのが小気味よい。

次女から「ところでレニングラードって何?」と不意に質問。なるほど無理も無い。私がクラシックにのめり込んだ当時、「レニングラードフィル」といったら泣く子も黙る存在だった。とりあえず「なあに大したオケじゃないよ。今ならオマエたちをとる」と応えておいた。

2011年12月29日 (木)

有休の訳

昨日全国オーケストラフェスタなる催しに行ってきた。全国の高校オケが一堂に会するイベント。26日から28日までの3日をかけて数十校のオーケストラが出演する。毎年この時期に開かれていて今年で18回目だそうだ。私が仕事納めの日に有給休暇という暴挙に出たのは何を隠そう次女の高校オケがこれに出演するからに他ならない。

3日目朝から聴いた。何と申すべきか次女の学校は18回目の出場だ。つまりオーケストラフェスタが始まってから出場を欠かしたことが無い。サッカーのワールドカップで申せばブラジルみたいなものだ。そうした実績からか、全出場校の大トリを飾る出番になっている。

次女たちのオケを含めて19校の演奏を聴いた。何と言ってもブラームス「第二交響曲の第1楽章」「大学祝典序曲」が収穫。コンクールではさっぱり取り上げられないブラームスが2曲もあったのは嬉しい誤算。スラブ舞曲や第8交響曲などドヴォルザークも人気だ。ヘンデルの合奏協奏曲や、ブランデンブルクの3番などかえって新鮮。大阪や長野からの参加もある。一日聴きまくって疲れるかと思ったら、意外と平気だった。楽しくて時間がたつのが速く感じた。

次女たちのショスタコはといえば、いつもどおり根こそぎ感動させられた。背中に鳥肌。次女がフルオケの中のどこにいるか探しもしなくなった。このメンバーに含まれているというだけで誇らしい気持ちになる。相変らずの弦のキレ味、管楽器の独特な丁寧さ、最後の最後でおいしいところを全部さらってゆくティンパニ。要所がキッチリと押さえられているのにどこまでも懐かしくて暖かいオケのトーン。おそらく縦の線と音程がキッチり合っていることから来る独特の厚み。表現の明確な方向性が完全に共有されている感じ。親冥利とはこのことだ。

甲子園の応援のために会社を休む親の気持ちが少しはわかった気がする。

2011年10月19日 (水)

原因分析

2011年10月16日の記事「全国学校合奏コンクール」で、次女の参加したコンクール県予選について書いた。本日はその中身だ。高校の部の参加校は8校。うちブラスバンドが2校、弦楽合奏が1校あった。残り5校がオケで参加。中学の部から言及すると大変なのでオケで参加の高校だけ出演順に列挙する。学校名は仮称だ。

  1. 県立ホルスト高校「組曲惑星より木星」 (金賞)キビッキビの木星。冒頭のきらきらした弦でいきなり引き込まれた。同校初の金賞受賞だとも聞く。おめでとう。
  2. 県立ヴェルディ高校「シチリア島の夕べの祈り」 (銀賞)期待していたのに残念な結果。実を言うと金賞の県立ホルスト高校との決定的な差を現場で聞き取ることは出来なかった。思い当たる節といえば中学校の部で同じ曲を演奏した学校があり、そことの明確な差を示せなかったこと、あるいは見せ場のチェロの色艶不足かも。曲がかぶるときついです。でもね「銀」は「金より良い」と書くのです。
  3. 私立ベトヴェン学院「ベト7第4楽章」 (銅賞) 「いやあベートーヴェンは難しいッス」これをコンクールに持って来る意欲は素晴らしい。とにかくヴァイオリンがもっと鳴らないと苦しいかも。この超有名なキレッキレのフィナーレを独立してポッコリ取り上げて、短い時間にアピールしようと思ったらとんでもなく骨が折れる。でもね「銅」は「金と同じ」と書くのです。
  4. 県立ショスタ高校「ショスタコーヴィチ第5交響曲第4楽章」 (金賞)次女のオケ。意表をつく選曲。たしかにここで大学祝典序曲とかやっても埋没しそうな雰囲気。とかなんとか考える暇を与えぬかのように冒頭からグイグイと聴衆を引き込む。松脂の煙たなびくすさまじい気迫。「速めのテンポ」どころじゃなく、最後まで持つのか的なぶっちぎるばかりの前半。県代表の座を奪うためには「革命」が必要だとの決意と見た。静謐なハープのアルペジオを合図に始まる終結部、このまま時間が止まってほしいと思った。クライマックスへの長い長い坂道を上り詰め、仲間の思い全てを引き受ける決意をこめたティンパニに何かが降り立った。メンバーが舞台袖に引き上げ始め、次に弾くストラヴィン高校の生徒が入場を始めてもなお、鳴り止まない拍手。51歳にして聞かされた人生最高のショスタコ。
  5. 県立ストラヴィン高校「火の鳥」 (金賞) 「革命」の挑戦を真正面から受けて立つ「火の鳥」だった。息を呑むばかりのソロ群。「革命」の気迫を受け流すかのような圧倒的な余裕度。あるいは「革命」を高みの見物としゃれ込む「火の鳥」。あのショスタコの後に素知らぬ顔で余裕の火の鳥とは王者の底力か。

金賞の中から選ばれる県代表は県立ストラヴィン高校に決定。次女のショスタ高校は2位の評価。発表と同時に歓声とため息。応援にかけつけた3年生は涙一部号泣で、親たちは明らかに落胆。次女にとっては音楽生活で初めて獲った金賞。「声を出して喜ぼうと思ったら、周りは全然喜んでいなかった」とポツリ。「金賞当然、代表狙い」は明らかだったがみな気丈に振舞う。「結果を真摯に受け止め次につなげよう」と訓示する顧問の先生。解散後その場でパート毎の話し合いがあちこちで始まる。3年生に慰められて初めて涙を見せる子も。小一時間たっても終わる雰囲気も無い。

親たちは9月の文化祭コンサートのショスタコの出来を知っている。金管や木管のソロがたった1ヶ月でどれほど上達したか身にしみている。だから情が移る。初心者で4月に入った子が弦楽器には何人も混じっている。たった半年でショスタコを弾くこと自体大変なことだとわかっている。けれどもコンクールの審査では考慮されない。本番で示せた演奏の出来だけが審査の対象だ。つまりその程度の努力はどの学校もしているのだ。

ここ最近ずっとストラヴィン高校の後塵を拝する結果が続いているのだが、ショスタ高校は毎年腐ることなく一定水準を以上の演奏を持ち込んでくる。けれども超えられない壁。親の欲目を無理やり封印して原因を分析する。

「楽譜通りに弾けること」をゴールにするかスタートにするかの差。「楽譜通り弾けること」をゴールとせずスタートにしていた子の数で、もしかすると負けていたかもしれない。断じて努力の質や量のことではない。作曲家が楽譜に遺したことを全て吸収しきった上で、さらに付加価値を上乗せする厚みの差。「革命」もかくやと思わせる気概を示してくれたショスタ高校の生徒には酷だが、超えるべき壁として今後意識し続けるべきだ。無理やり見つけた差。親として自分に言い聞かせるための差でもある。敗因と呼ぶにはあまりに切ない微妙な差。

火の鳥の厄介なファゴットのソロを軽々吹きこなす生徒がいた。音色までストラヴィンスキーの音色。彼はきっとブラームスを吹いたらブラームスの音色で吹くのだろう。その彼を囲む周りの仲間は、「うちのファゴット聞いてやって」というプライドにあふれた演奏。そこかしこの難儀なソロがみなそういうノリ。次女は、めぐり合わせ次第で、こちらで「火の鳥」を弾いていたかもしれなかったという奇縁。おめでとうストラヴィン高校。あなたがたを県代表にいただくことを誇りに思います。

でも私は断言する。ショスタ高校のオケを愛する。次女の居るオケとしてではない。慈しむべき「おらがオケ」として見守り続ける決意とこのたびの原因分析はセットになっている。あと何回かあのショスタコが聴ける。次回以降はおそらくノーカット版が楽しめる。下を向いている暇はない。

あの感動を何とか言葉でと苦悶した結果の残渣。けれどもこれを書かずに何がブログかと思い詰め、お叱り覚悟の言及。

2011年10月16日 (日)

全国学校合奏コンクール

昭和31年に始まった全国規模の合奏コンクール。小学校、中学校、高等学校の部に分かれている。今年は55回大会だという。次女のオケも当然ながらエントリー。昨夜その県予選を聴きに出かけた。座席確保もかねて14時30分には到着。中学生たちの演奏にも耳を傾けた。小学生の部は今日なので、昨日は中高生だけだがそれでも約30団体になる。ブラームスを弾いた団体はゼロだったのが我がブログ的には気がかり。

分刻みのスケジュールで淡々と進んで行く様は見事。演奏の合間の入れ替えはおよそ4分だ。きびきびとした運営を見るだけで気持ちがいい。次女たちの演奏は18時45分くらいから始まった。ショスタコーヴィチ作曲:交響曲第5番より第4楽章。一週間前のリハーサルよりももっと集中出来ていた。予定通りの暗譜演奏で、持ち時間があっという間だった。山あり谷ありのドラマが凝縮された濃密な9分間。成績はこちらから。

2011年10月 8日 (土)

リハーサル見学

次女の高校オケの話。彼女たちの年間活動のうちのひとつのヤマ場は間違いなくコンクールだ。そのコンクールがおよそ1週間後に迫った昨夜、リハーサルがあった。保護者の見学が許されているので、万難を排して駆けつけた。

ショスタコーヴィッチの交響曲第5番の第4楽章の一部カットされたバージョン。先日の文化祭のコンサートでも聞かせてもらったが、本日はさらに磨きがかかっていた。一言で申せば鬼気迫る演奏。中間部のしっとりとした弦の音色に熟成を感じた。休憩時間にすれ違えばかわいらしい生徒たちなのだが、ひとたびタクトが一閃すると別人格という落差が病みつきになる。

そういえばステージ上に譜面台がない。全員が暗譜の演奏。指揮者が練習番号で指示するとそれだけで伝わってしまう。練習番号もろとも暗譜している。パート譜かスコアがイスの下に置かれて、指示があるといちいちそこに書き込んでいる。楽譜は事実上メモ帳と化している。娘に聞いたら「よその学校もみな暗譜だよ」とケロリとした答え。

親ばか丸出しで自分の子どもを応援するつもりが、オケみんなの出来にハラハラするようになった。トランペットが短期間にとても上達していて嬉しかった。ホルンやオーボエのソロがますますで、こりゃブラームスで聞きたいと思わせる出来。みんなすごいと感心していたら、最後の最後でティンパニが全部おいしいところを持っていった。

2011年9月12日 (月)

文化祭のはしご

一昨日、昨日と娘たちの高校の文化祭に出かけた。

一昨日は長女。彼女の学校は県立高校の中では文化祭のノリが図抜けている。2日目の昨日は午前中に来場者が2000名を超えて安全対策として入場制限を実施し、外に300名が待つ事態となったらしい。一部では受験レースでの出遅れも心配されている。長女は3年生だから最後の「りんどう祭」だ。クラスの出し物は劇「Cat in the red boots」。夏休み前から準備は夏の暑い中もずっと続けられていた。長女は小道具と衣装係りとして小物の調達に明け暮れていた。祖母に教わりながらミシンかけに精を出していた。

初日の初回公演を観た。会場もプログラムも脚本もオリジナル。長女は小物調達の他にも、町娘役で踊りの出演まであった。予想以上の出来。高校生の気迫はものすごい。これが演劇部でも何でもない普通のクラス劇だということがすばらしい。そういえばこの夏我が家で仕上げたドレスやズボンがあちこちで活躍していた。主人公のネコの衣装は我が家で作ったものだ。家では滅多に見せないようなとびっきりの笑顔での町娘の踊りが何よりの収穫。思えば3年前の夏、中3で観た文化祭の迫力に圧倒されたことがこの学校を志望する強烈なモチベーションになった。これが学校の伝統なのだ。日常の教室が2日間だけ非日常の舞台となる。およそ60分の公演を2日間で7回こなすエネルギー。ステンドグラス、レンガ、プランター、衣装、大道具、小道具、全部手作り。精巧なプログラムだけは印刷屋さんにお願いしたらしい。そこで繰り広げられる阿吽のドラマ。クラスメートとの強力きわまる連帯。見事狙い通りの「りんどう大賞」に輝いた。いわば「最優秀出し物賞」だ。おめでとう。

そして昨日は次女の高校の文化祭に出かけた。もちろん目的はオケなのだが、席確保のために早く出かけ合唱団の演奏から聴いた。この演奏がまたすばらしかった。オランダ人作曲家によるコンクールの課題曲らしい曲、冒頭いきなりの見事なハモリで引き込まれた。筝曲部による琴とのジョイントもサプライズ。最後の八木節の切れ味も抜群。いかにもブラームスが喜びそうな31名の乙女による女声合唱だった。マジでブラームスを歌って欲しくなった。

いよいよオケ部の出番となって、早出の席確保が正解だったと判明。客が続々と押し寄せ、両脇の立ち見に加え通路まであふれんばかり。ハープやコンバスの後ろに補助いすまで登場。500名を楽々超える大入りだ。出し物は以下の通り。

  1. 歌劇「カルメン」より「闘牛士」
  2. ショスタコービッチ:交響曲第5番第4楽章
  3. カバレリアルスティカーナ「間奏曲」
  4. 「オーメンズ」
  5. ファリャ「三角帽子」から「終幕の踊り」

ここでのサプライズはキレッキレのショスタコ。いやいやすごい。個人練習を家で聴いていたが、全体として野心溢れる出来。一ヵ月後のコンクールを目指すようだ。チェロと金管楽器にもう一歩芯が通ればワンランク上に行ける。「闘牛士」はホンの小手調べ。ショスタコ一転のカヴァレリは、おそらく十八番だ。しっとり系は安心して聴いていられる本拠地のよう。ファリャが一ヶ月前よりうまくなっていて驚いた。より交通整理が進んだ感じ。

いつも感じることなのだが、受付、セッティング、進行の諸面において相変わらずキビキビで清涼感にあふれていた。空調の不調と大入りでの蒸し暑さを忘れさせてくれる。入場無料でこの水準の演奏だ。鈴なりの盛況もうなずける。娘の高校にこんな立派なオケがあって、親としてサポートできる幸せは何にも代えがたい。愛するオケを本拠地で聴く幸福。

次女はと申せばステージのほぼ中央、セカンドヴァイオリンの3プルト目裏で、キャピキャピと弾いていた。おそらくブラームスのご加護のおかげ。指揮者越しに次女と相対する場所だったから、次女が時折指揮者に投げる視線の鋭さがいやでも目に入る。加えてコンマスやパートリーダーにも視線を送る。ボウイングの躍動感には胸が熱くなる。時々見せてくれるシャープな譜めくりも秀逸。演奏後の柔和な笑顔との落差に陶酔した。

なんだか濃い2日間。親バカモードで「民謡特集」に無理やり割り込んで間もなく芸術の秋。

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ブラームスの辞書写真集

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    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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