リプリント
パッヘルベル作品の目録に決定版がないという話を掘り下げる。ドーヴァー社が2015年に刊行した「パッヘルベルオルガンワークス」は、お値段手ごろで重宝している。1903年にブライトコップフ社から刊行された楽譜のリプリントであると明記されている。
1903年時点の楽譜に手を付けずにということだ。刊行時点での最新の研究成果を反映させてはいないということだ。「Complete」と謳っていないことにささやかな良心も感じる。
どうりで、2006年CPO社発売のCD7枚組オルガン作品全集の収録内容や英語版Wikiの中のパッヘルベル作品目録どちらとも微妙にずれている。収載の範囲として最小だが、ここにしか収録されていない作品もあって悩ましい。
BWV番号やBuxWV番号が広く流布しているだけ、バッハやブクステフーデはマシなのだが、このあたりの曖昧さもまた、楽しみ方の一つではある。
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