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カテゴリー「326 パッヘルベル」の47件の記事

2019年5月18日 (土)

三面鏡

よいたとえを思いついた。テレマン、ブクステフーデ、パッヘルベルはバッハを映し出す三面鏡だ。ただただバッハが好きで、彼のことを知りたい一心で、バッハだけを見つめていると、かえって本質を見落とすと気づきかけている。一歩下がってドイツバロックの一角にバッハを置いてみる。あるいは恐れ多くもバッハをワンオブゼムであると考える。

昨年夏の旅行が契機になった。バッハの他に、テレマン、パッヘルベル、ブクステフーデの墓参を敢行したのはその狙いからだ。彼ら3人を通してバッハを見つめる。

そしてそして必然のオチがある。

三面鏡によって理解が深められるバッハ自身が、ブラームスを映す優秀な鏡だということだ。

 

 

 

 

2019年5月17日 (金)

エキストライニング

お気づきの人がいるかどうか。昨年8月のドイツ旅行の報告記事が今年1月末で終わった後、すぐにパッヘルベル関連記事を連ねた。その後すぐテレマンにまとまった言及をしたと思ったら、矢継ぎ早にブクステフーデを取り上げた。

先の旅行はこの3人にバッハを加えた4名の墓参がテーマだったことを考え合わせると、実は2月以降も事実上の旅行レポートだった。少なくとも心理的にはつながっている。脳みそが熱いうちにとばかりに、バッハ関連記事の濃度が下がるのもいとわなかった。バッハをドイツバロックの大きな背景の中でとらえたいからだ。

パッヘルベルはアイゼナハ在勤中にバッハ家と交わり、バッハの長兄ヨハン・クリストフにオルガンを教えたという。両親なきあとバッハを教えた兄だから、バッハはパッヘルベルの孫弟子だ。テレマンは、バッハから次男のためにミドルネームをと所望された。ブクステフーデを聴きに遥か440kmの道を徒歩で駆け付けたことも知られている。

2019年3月13日 (水)

ペイヒェルベ

昨年夏の旅行最初のエポックはパッヘルベルの墓参だった。

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ホテルで道を訊くのだが、どうにも伝わらん。「パッヘルベル」と言っても伝わらん。名高いカノンの一節を口ずさんでもなお伝わらない。メモに「Pachelbelと書いても「?」な感じ。ブラームスはもちろんバッハやテレマンやブクステフーデはすぐに通じたことと対照的だ。

そもそも一般人がパッヘルベルを知らないという現象だ。日本での知名度の方がずっと上だと感じたが、よく考えるとそりゃ「カノン」の知名度だろう。

それでも何とか伝わると、相手は「ペイヒェルベ」と言っている。まさかそれが「パッヘルベル」だとは思わなかった。

2019年3月12日 (火)

ヴィオラ六重奏のためのカノン

1980年の夏。大学3年のオーケストラの夏合宿。合宿恒例の室内楽演奏会があった。その直前の6月にヴィオラのパートリーダーに就任した私の思いで、ヴィオラだけでパッヘルベルのカノンを演奏した。もとは3声のヴァイオリンと通奏通奏低音という編成なのだが、私がヴィオラ6声部用に編曲した。編曲に加えてパート譜も写譜してそろえた。

原曲は3部に分かれたヴァイオリンがまったく同じ旋律を2小節ずつ遅れて追いかけるというシンプルな構成で、1~3までのヴァイオリンパートに難易度の差はない。編曲とは言っても個々の旋律を分解してヴィオラ6声部に構成しなおしただけで、せいぜいオクターブの上下動くらいだ。1番から6番までの各パートには、当時のヴィオラパートのメンバー構成に合わせて難易度に差をつけた。

  • 1番 難しいパート。
  • 2番 中くらいのパート。
  • 3番 難しいパート。
  • 4番 4月に入部した初心者用のパート。
  • 5番 中くらいのパート。
  • 6番 難しいパート。

実際にはコントラバスとチェロを各1名加えた。

8月29日の夜、室内楽演奏会で披露した時の会場のざわめきを忘れない。当時オケのしきたりに反するパートアンサンブルだったこと、それまで弱小だったヴィオラパートに12人そろったという驚きもあったはずだ。

2019年3月 9日 (土)

高きには栄え

オリジナルは「Allein Gott in der Hoh sei Ehr」だ。下記の通りブクステフーデ以外の3人が採用している。

  1. バッハ BWV662,663,675,676,677,711.716.717,764,771
  2. パッヘルベル P10,11,12
  3. テレマン TWV31:3

3人が計14回も採用している。頻度としては最高だ。ブクステフーデ不在が残念でさえある。

テキストも旋律もニコラウス・デシウス(1485-1546)というホフ生まれの神学者だ。1522年ブラウンシュヴァイクの教師として赴任した際、宗教改革の理念に共感して、ミサの通常分「グローリア」「サンクトゥス」「アニュスデイ」を独訳して旋律を付して刊行した。ルターによるドイツ最古の賛美歌集より2年さかのぼる。最古のドイツ語賛美歌と位置付けられる由縁である。

このうちの「グローリア」こそが本日話題の「高きに栄え」である。

2019年3月 8日 (金)

アポロンの六弦琴

オリジナルは「Hexachordum Apollinis」と綴るパッヘルベルのチェンバロ作品の代表作。ただただ可憐だ。

とくに第6番がいい。

なんと、この作品はブクステフーデに捧げられている。

2019年3月 7日 (木)

マニフィカトフーガ

マニフィカトとは、マリア様を賛美する聖歌だ。となるとプロテスタントにはお呼びでないかとも思えるが、バッハにも作品がある。本日話題の「マニフィカトフーガ」はパッヘルベルオルガン作品の最高峰を形成すると思われる。必ずしも聖歌にはとらわれぬ主題に基づくおよそ90のフーガの集合体だ。

当時使用されていた下記8つの教会旋法に基づいている。

  1. 第1旋法 ドリア
  2. 第2旋法 ヒポドリア
  3. 第3旋法 フリギア
  4. 第4旋法 ヒポフリギア
  5. 第5旋法 リディア
  6. 第6旋法 ヒポリディア
  7. 第7旋法 ミクソリディア
  8. 第8旋法 ヒポミクソリディア

イオニア、ヒポイオニア、エオリア、ヒポエオリアはない。当時知られていた全ての調を網羅する点で、「平均律クラヴィーア曲集」を思い起こさせる。

まだある。このうち第一旋法ドリア調によるマニフィカトフーガは、フーガの技法との主題的な関連が指摘されている。

2019年3月 5日 (火)

心から愛しまつるイエスよ

原題は「Herlich liebster Jesu,was hast du verbrochen」という。コラダス分類は「2」で、パッヘルベルだけが採用している。

コラダス収載143曲のうち、パッヘルベルだけが採用する、分類番号「2」は、33曲ある。しかしながら、オルガン曲には採用がなくてもカンタータには採用されているケースもあるからあくまでも目安程度である。現にマタイ受難曲には3度、ヨハネ受難曲には2度現れる。

ブログ「ブラームスの辞書」的にもっとも大切なことは、ブラームスの「オルガンのための11のコラール前奏曲」op122の2番が「Herlich liebster Jesu,was hast du verbrochen」をベースにしていることだ。パッヘルベルとブラームスのペアリングが完成していることになる。

2019年3月 4日 (月)

神のみこころは

原題は「Was mein Gott will,gescheh allzeit」という。

  1. パッヘルベル P488,489,490
  2. テレマン  TWV31:35

見ての通り、コラダス分類番号「5」。パッヘルベルとテレマンが採用する。まあしかし、バッハにオルガンコラールこそないものの、「マタイ受難曲」に印象的な出番があるから目安程度と考えていい。

特筆すべきはメンデルスゾーンだ。オルガンソナタ第一番op65-1の第一楽章に本コラールが引用されている。

2019年3月 2日 (土)

キリストは死に繋がれしか

オリジナルは「Christ lag in Todenbanden」だ。下記の通りブクステフーデ以外の3名が採用している。

  1. バッハ BWV625、695、718
  2. パッヘルベル P58、59
  3. テレマン TWV31:27

見ての通りオルガンは賑やかなうえに。実はこのコラールはBWV4のカンタータの中核をなす。7つの楽章すべてが同コラールに基づくといういわゆる「コラールカンタータ」であるミュールハウゼンのブラジウス教会オルガニスト試験応募作品だと考えられ、最古期のカンタータと位置付けられている。

ブラームスはウィーンジンクアカデミー音楽監督時代に同カンタータを演奏会で取り上げている。だから本作にまつわるさまざまな蘊蓄はすべて承知していたと考えられる。

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