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カテゴリー「326 パッヘルベル」の16件の記事

2018年9月 9日 (日)

教会ショップ

教会のEingang(入口)付近で、ちょっとした小物を売っていることがある。ゼバルドゥスにもあった。本当に小さなスペースにひっそりだった。

そこにはCDが数種類あった。このうち2種類を買い求めた。同教会のオルガン演奏を収録したパッヘルベルオルガン曲集とバッハオルガン曲集だ。

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しかし驚いたのはそこではない。パッヘルベルのグッズは買い求めたCD以外は皆無だった。中期ドイツバロック最高の巨匠パッヘルベルの不当な扱いをここでも感じた。CD、本、Tシャツ、マグカップ、チョコ、エコバッグ、ネクタイまで商売のタネになりまくるバッハとの大きな差に頭を抱えた。ニュルンベルクでこの扱いだから他は推して知るべしだ。

2018年9月 8日 (土)

オルガンリハーサル

ゼバルドゥス教会を訪問したのは8月10日午前10時くらい。

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壮大な伽藍に圧倒されていると、不意にオルガンが鳴りだした。ラフな格好の男性がオルガンを弾いている。演奏会に備えた練習だった。日程上演奏会の無い日だと諦めていたから、この幸運を心から喜んだ。

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ご覧の通りの天上の高い空間が音で満たされるという実感が心地よい。オルガンを工芸品とみなす立場からなら、同一規格のオルガンを作ることは造作もないことに違いはあるまい。昨今の日本のホールでも大オルガンは珍しくない。が、しかしこの空間ばかりはまねができまい。音響だけにとどまらず、視覚、歴史込みで味わうべきだ。

あー。と聞きほれることしばし。

2018年9月 7日 (金)

ゼバルドゥス教会

ニュルンベルクの主要教会。ペグニッツ北側のお城の真下を支配するその威容は比類がない。パッヘルベルはここで1853年9月1日洗礼を受けた。やがてこのオルガニストとして生涯を終える。

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3度のドイツ訪問の度に全て足を運んだ。季節ごとに味わいが違う。

ここでもパッヘルベルの痕跡は悲しくなるくらい皆無だ。

2018年9月 6日 (木)

Rochuskirche

2日目8月10日の最初の訪問先だ。旅行恒例の「朝飯前の散歩」を悠々とこなしてから朝食をとっての出発だった。チェックアウトは済ませたもののスーツケースはフロントに預けた。列車でライプチヒに向かうのは夕方だからそれまで預ける。中央駅至近というホテルの立地はありがたい。

さて、ほぼ「ロフスキルヒェ」と読んでいい。ニュルンベルク中央駅からUバーン3号線で3つめプレーラーで下車する。

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あっけなく着いた。大伽藍もいいが、こちらのたたずまいも癒される。

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説明を少々。1517年ころ、つまり宗教改革のころだ。ニュルンベルクはペストに襲われてたくさんの人が亡くなった。病気を恐れて、城壁内側での遺体の埋葬が忌避された結果、埋葬場所が城壁外に求められた。その一つがこのロフスキルヒェらしい。パッヘルベルの死因はペストではなかったが、埋葬は城壁外にされた。

で、墓地の様子は下記。

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花盛りな感じ。ほんっっとに美しい。パッヘルベルがこんなに美しいところに葬られていることにほっとした。探し当てるのに苦労したけれど見つけた。

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あまりに質素、あまりに普通で涙が出た。そして季節は夏。人々に持ち寄られた花たちが咲き競う。

奇妙なことに、ニュルンベルクにとってのパッヘルベルは、ライプチヒにとってのバッハとは、位置づけが大きく違う。この先ずっと感じさせられた感触に満ち溢れた墓地だった。

2018年7月 3日 (火)

心を弾ませ

ドイツ語では「Werde munter,meine Gemuete」という。1642年ヨハン・ショップの旋律だ。夕べの歌として知られている。

  1. バッハ BWV1118
  2. パッヘルベル P498

BWV1118という大きな番号はノイマイスター手稿譜での実在ということだ。パッヘルベルにもあってうれしいなどと言っている場合ではなかった。

「主よ人の望みの喜びよ」として有名なBWV147の第6曲と第10曲は、この「心弾ませ」が下敷きになっていた。4分の4拍子の原曲を8分の9に差し替えているからわかりにくい。感覚としては別旋律だ。

2018年6月12日 (火)

天にまします父よ

オリジナルは「Vater unser im Himmelreich」という。

  1. バッハ BWV636,682,683,760,761,762
  2. ブクステフーデ  Buxwv219
  3. パッヘルベル  P48,475,476
  4. テレマン  TWV31:1

ご覧の通り4名全員の引用がある。それもそのはずの基本中の基本のコラール。プロテスタント必携の5つの教え「教理問答」を丸暗記よりも歌でとばかりに作られた「教理問答賛美歌」の中に入っている。ルター謹製のコラール。

さて、先に記事「8大コラール筆頭」で、「罪びと我を罰したもうな」を、上記4名に加えてブラームスが「別テキスト同旋律」の「心に願うは安き安住」を残していることをもって、筆頭認定した。

この度、8大コラールの序列2位を本作「天にまします父よ」と決定する。

理由は、同コラールはメンデンルスゾーンのオルガンソナタ第6番に現れる。第一楽章が本コラールを主題とする変奏曲、第二楽章が同主題のフーガになっている。

つまりこのコラールはバッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマン、メンデルスゾーンの5者そろい踏みということになる。

2018年5月12日 (土)

パッヘルベルの職歴

となるとパッヘルベルの職歴も放置できない。

  1. ニュルンベルク 1653年出生。
  2. アルトドルフ 1669年同地の大学在学中に聖ロレンツ教会のオルガニストに就任。
  3. ウィーン 1673年聖シュテファン大聖堂次席オルガン奏者。
  4. アイゼナハ 1677年宮廷オルガン奏者。バッハの父と知り合う。
  5. エアフルト 1678年プレディガー教会オルガン奏者。
  6. シュトゥットガルト 1690年ヴュルテンブルク公国宮廷音楽家宮廷オルガニスト。
  7. ゴータ 1692年マルガレーテ教会オルガン奏者。
  8. オールドルフ 1694年バッハの長兄ヨハン・クリストフの結婚式に参列した。9歳のバッハと会った可能性がある。
  9. ニュルンベルク 1695年聖ゼーバルドゥス教会オルガン奏者。
  10. 1706年ニュルンベルクにて没。

テレマンと同じくバッハの生地アイゼナハに関係があった。バッハ家との親交が深かった。宮廷とも教会とも同じくらい現れる。勤務年数でいうなら教会か。

2018年2月17日 (土)

8大コラール筆頭

「筆頭」とは、真っ先に記すべき人という意味で「第一人者」を指す。コラダスの分析から、バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンの4名が素材として取り上げたコラール8作を8大コラールと認定したが、その8つの間には序列をつけず、原題のアルファベット順に列挙するにとどめた。

本日はその中から最高傑作を選ぶという話題だ。

話は遡る。コラダスは元のコラールのテキストをキーにしていたため、同じ旋律が2種類のテキストを伴っていた場合には2とカウントしていた。テキストのないオルガン作品のデータベースだから「別テキスト同旋律」は1とみなしたい。「別テキスト同旋律」がどれほどあるのか調べるうちにお宝情報に巡り合った。

「8大コラール」で冒頭に掲げた「罪びと我を罰したもうな」(Ach herr,mich armen stunder)の「別テキスト同旋律」作品に「心に願うは安き終わり」(Herzlich tut mich verlngen)があった。あまりの驚きにしばし立ち尽くした。

「心に願うは安き終わり」はブラームスの「オルガンのための11のコラール前奏曲」op122の9番と10番だ。

つまりつまり、バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンとブラームスの5人が同じ旋律を採用していることに他ならない。ブラームスがこの事実を知っていたかどうかは不明だが、なんだか本当にうれしい。143曲中たった1曲だ。ブラームスのop122-10は、書籍「ブラームスの辞書」の見開きに手稿譜をデザインしてある特別な位置づけだ。その作品が、ドイツバロックの巨匠たちとブラームスの接点になっていた。

とっておきのワインを一本開けたいくらいの喜びだ。

2018年2月16日 (金)

コラダスの狙い

バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンのオルガン作品に取り上げられたコラールを抽出しデータベース化を試みて、これを「コラダス」と名付けた。表向きの理由は、ブラームスの最後の作品「オルガンのための11のコラール前奏曲」op122を心から味わうためだ。バロック音楽の伝統に根差した「オルガンコラール」というジャンルに自ら身を投じたブラームスの意図をより立体的に理解するため、飛び込んだその先の世界について知識を蓄積しようとする狙いだ。

バッハだけを探求の対象としてもいいのだが、複数の作曲家に対象を広げたほうが普遍性が高まると思った。ここまでは表向きの理由だ。

地味な狙いもある。

ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンは日本語で読める書物が極端に少ない。ネットの寄与は高まってはいるものの、まだまだ限定的だ。その一方でバッハにはかなりな情報がある。オルガンコラールの原曲について調べるとき、バッハと共有するコラールならば、バッハ関連書籍の情報が流用可能だ。完全ではないことを承知の上で参考にするには十分の重複がある。

2018年2月15日 (木)

8大コラール

「コラダス」収載の143コラールのうち、バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンの4名すべてが素材として採用しているコラールを「8大コラール」と位置付ける。オリジナルタイトルのアルファベット順とする。

①罪びと我を罰したもうな 

 
Ach   Herr, mich armen Sünder

 <BWV742/BuxWV178/P95/TWV31:21>

②アダムの堕落 

 
Durch   Adams Fall ist ganz verderbt

 <BWV637,705/BuxWV183/P103,104,105/TWV31:25>

③天よりみそなわし 

 
Gott der   Vater wohn' uns bei

 <BWV748/BuxWV190/P171,172/TWV31:41>

④キリスト、神のひとり子 

 
Herr   Christ, der einig Gotts Sohn

 <BWV7601,698/BuxWV191,192/P181,182/TWV31:31>

⑤呼びまつるイエスよ 

 
Ich ruf   zu dir, Herr Jesu Christ

 <BWV639/BuxWV190/P45,205,206/TWV31:19>

⑥来ませ聖き御霊 

 
Komm,   heiliger Geist, Herre Gott

 <BWV652/BuxWV190/P199,200/TWV31:5>

⑦天なるみ父よ 

 
天なるみ父よ

 <BWV636,682,683,760,761,762/BuxWV219/P122/TWV31:1>

⑧朝に輝く妙なる星よ 

 
Wie   schön leuchtet der Morgenstern

 <BWV739,763,764/BuxWV223/P501,502/TWV31:37>

以上だ。各々の作曲家の作品目録番号を添えておいた。同一のコラールを用いて、華麗なる4名がどのどのように料理するのか聴き比べが楽しい。

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