ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

カテゴリー「402 マルクゼン」の5件の記事

2011年7月12日 (火)

授業料

教育の対価として支払われるお金のことだ。幼稚園や保育園では月謝と呼ばれることが多い。個人のレッスンでも月謝袋が使われている。単発の研修会などにおいては受講料となる。いろいろ不文律もあるのだろう。

1843年10歳のブラームスの腕前を見込んだ興行師が、渡米を提案した。両親はコロリと賛成したが、当時の教師コッセルは反対した。1ランク上の教師を紹介することで両親を説得した。紹介したのはコッセル自身の教師でもあるエドゥワルド・マルクゼンだ。「二顧の礼」の結果、週1回1時間ブラームスのための時間を割くことになった。

マルクゼンは当時ハンブルク随一の教師だったが、ブラームスから授業料を受け取らなかったという。現在たとえば東京で最高のピアノ教師から1時間の個人レッスンをつけてもらったら、いくらになるのだろう。毎週1時間、およそ10年続いたのだ。計算するのも恐ろしい。

それ程貧しかったということだ。つまり取ろうにも取れなかったのだと思われる。程なくマルクゼンがその才能に気付いたというのが真相だろう。太っ腹な話である。

ありがとうマルクゼン。

2011年7月 9日 (土)

三顧の礼

陣営に不可欠な重要人物を招聘する際に手厚く礼を尽くすこと。出典は大好きな三国志だ。前半のヤマ。主人公劉備玄徳が、隆中に隠遁中の伏竜こと諸葛亮を配下に加えるために、草庵を三度訪問して説得した故事にちなむ。諸葛亮は説得に応じ君臣水魚の交わりをなす。以降、劉備亡き後も蜀の屋台骨を支える活躍をする。てゆうか彼本人が屋台骨そのものだ。

現代でも選挙の出馬や、監督人事を報ずる際に用いられることがある。

ブラームスにもあった。

1843年のことだ。ブラームス最初の教師コッセルは、ブラームスの才能をさらにワンランク上へと押し上げるために、自らの師であるマルクゼンに推挙する。10歳のブラームスの才能こそ認めたものの、マルクゼンは今のままで充分と判断し要請を断る。数ヵ月後今度はブラームスの父がマルクゼンを訪れて、弟子に加えることを要請する。

これでマルクゼンは折れた。週一回のレッスンに応じたのだ。劉備よりも1回少ない。いわば「ニ顧の礼」だ。1回分はブラームスの才能により割引があったと見る。

2008年6月17日 (火)

余分に暗譜

グノーのアヴェマリアは、バッハの平均律クラヴィーア曲集の第1巻第1番の前奏曲をそっくりそのまま伴奏に借用して、旋律を追加したという作品だ。大抵はそう説明されている。

しかし「そっくりそのまま」という言葉には注意が必要だ。グノーの側には、バッハオリジナルには存在しない小節が1つだけ加えられている。原曲の22小節目と23小節目の間に1小節加えられているのだ。だから厳密にはそっくりそのままではないのだ。

原曲となった前奏曲ハ長調を含む「平均律クラヴィーア曲集」は古来、ピアノ演奏の「旧約聖書」にもたとえられるほどの名曲だから、おびただしい数の筆写譜が存在した。18世紀から台頭した楽譜出版社は、出版にあたって特定の筆写譜を底本に採用した。問題の1小節は、数多い筆写譜のうち、1783年にシュヴェンケという人の残した筆写譜にしか現れない。困ったことに18世紀から19世紀にかけて、当時もっとも普及していたチェルニー版をはじめ多くの版が、このシュヴェンケの筆写譜を底本にしていたのだ。

1883年、この点に注意を喚起したビショフ版が出現するまで、1小節多いバージョンが一般に流通していたことになる。グノーのアヴェマリアは1859年の発表だ。アヴェマリア作曲の際、グノーの手元にあったのは、シュヴェンケに準拠した楽譜であったことは間違いない。アヴェマリアの余分な1小節はこれで説明が付く。グノーはバッハ作品に勝手に1小節挿入する程傲慢ではなかったのだ。

音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第1巻162ページに興味深い記述がある。クララ・シューマンの高弟であるフローレンス・メイの証言だ。ブラームスはピアノレッスンの教材にバッハの作品を使う場合、チェルニー版を推奨しているのだ。彼女の証言は1871年のことだ。つまりビショフ版が出る前である。だからその中のハ長調の前奏曲は、シュヴェンケの写本の通り1小節多い版であることは確実だ。

それからさらに遡って少年時代のブラームスはマルクセン先生の許でバッハを学び、「平均律クラヴィーア曲集」全48曲を暗譜していたらしいが、この1小節分を余分に暗譜していた可能性が高い。

今日はグノーさんの190回目の誕生日である。

2007年12月 1日 (土)

平均律クラヴィーア曲集

言わずと知れたバッハの金字塔。24曲ずつからなる2巻で構成されている。BWVで申せば846から893までの48曲だ。ピアノの「旧約聖書」という比喩はことに名高い。

現在ではピアノの調律法として当たり前にもなってしまっている平均律だが、バッハの当時は、その可否を巡る議論が盛んだった。「C」を基準に5度ずつ上に音を辿って行く。「C→G→D→」という具合だ。この操作を12回繰り返すと「His」に届く。「Hのシャープ」だから実音「C」だと納得してはいけない。出発点の「C」から見て7オクターブ上の「C」にはならないのだ。あるいは3度の堆積で考える。「C→E→Gis→His」という具合に3度跳躍を3回繰り返してたどり着く「His」はこれまた「C」そのものではない。

つまりそれらの異名同音のズレをどう吸収するかについて数種類の調律法があり、平均律はそのうちの一つだったという訳だ。「C→E→Gis→His」という3度堆積で言えば、両端の「C」と「His」を完全なオクターブだと見なすことによって生じる誤差を、オクターブ内の全ての音程に広く薄く転嫁することと言い換えうる。

複数の調律法間の論争の中にあって、バッハ自身は平均律を支持を打ち出した。「平均律ならば、どんな調でも同じように作曲出来るンですよ。ほれこの通り」とばかりに取り出して見せたのが「平均律クラヴィーア曲集」なのである。

ここから延々と曲目解説に走らないのがブログ「ブラームスの辞書」である。

ブラームスからピアノを教えられた人々がしばしば、バッハの平均律クラヴィーア曲集を教材に使ったと証言している。あるいは、レッスンの合間に時間が空くと気分によってはブラームスがピアノを演奏してくれたという証言もある。こういう場合、自作を弾くことは滅多に無かったとも言われている。レッスンのちょっとした合間に平均律クラヴィーア曲集から1曲2曲を見繕ってサラリと弾くとは、風流の極致である。超絶テクニックてんこ盛りの作品を選ばぬという余裕のかまし方が素敵だ。そして何よりも多くの場合暗譜であったという。

ブラームスは「平均律クラヴィーア曲集」全48曲を暗譜していたらしい。きっと遠いハンブルグ時代、マルクセン先生のレッスンの頃、寝ても覚めてもバッハだったのだろう。

2007年11月18日 (日)

マルクセン没後120年

今日、この話題を取り上げるブログが日本にどのくらいあるのか興味深い。

エドワルド・マルクセンは1887年11月18日に没した。つまり今日が没後120年ということになる。現在では恐らくこの人はヨハネス・ブラームスの伝記の中で言及されることが一番多いのだろうと思う。

ブラームスが10歳の時から彼に師事した。当時ハンブルグ最高のピアノ教師で作曲家だったという。ブラームスの才能に驚いた最初の教師フリードリヒ・コッセルが、自らの師に紹介する形で巡り会うこととなった。

ブラームスの創作の基盤となった古典への敬意は、マルクセンによって徹底的に植え付けられたものだという。10歳の少年に対して知識をただ詰め込むだけではなく、それらの情報が体系的に与えられたことが重要である。ブラームス自身、マルクセンから吸収した古典の知識が自らの創作の重要な基盤だったことを十分に認識していたと思われる。ブラームス初リサイタルのプログラムにバッハのフーガが入っていた。バッハルネサンスがまだ緒についたばかりのこの時代にU-15の分際でバッハが取り上げられたのは、マルクセン先生の指導の賜物だと思われる。

後年ブラームスはピアノ協奏曲第2番をマルクセンに献じてその恩に報いている。先生は弾きこなせたのだろうか?

その他のカテゴリー

001 用語解説 | 002 ドイツ旅行① | 003 ドイツ旅行② | 050 空席状況 | 051 お知らせ | 052 総集編 | 053 アラビアンナイト計画 | 060 ブラームス神社 | 061 縁起 | 063 賽銭 | 070 ドイツ分室 | 071 地名辞書 | 072 地名探検 | 073 地名語尾辞典 | 074 地名語尾 | 075 ドイツ語 | 076 ドイツ方言 | 077 ドイツ史 | 078 ハプスブルク | 079 人名辞典 | 080 イベント | 081 謝恩クイズ | 082 かるた | 083 のだめ | 084 お盆 | 085 中国出張 | 086 英国研修 | 087 ブログ出版 | 088 意訳委員会 | 089 ドヴォルザークイヤー総集編 | 090 ドヴォルザーク作品一覧 | 100 作曲 | 101 編曲 | 102 楽譜 | 103 音符 | 104 楽語 | 105 テンポ | 106 音強 | 107 拍子 | 108 調性 | 109 奏法 | 110 演奏 | 111 旋律 | 112 音型 | 113 リズム | 114 和声 | 115 対位法 | 116 形式 | 117 編成 | 118 ヘミオラ | 119 テキスト | 120 ベースライン | 121 再現部 | 122 微調整語 | 123 語彙 | 124 表情 | 125 伴奏 | 126 ジプシー音楽 | 140 ソナタ | 141 変奏曲 | 142 フーガ | 143 ロンド | 144 コラール | 145 間奏曲 | 146 スケルツォ | 147 ワルツ | 149 緩徐楽章 | 150 セレナーデ | 153 カプリチオ | 154 トリオ | 155 序奏 | 156 シャコンヌ | 157 メヌエット | 160 ブラームス節 | 161 分布 | 162 引用 | 170 楽器 | 171 ピアノ | 172 ヴァイオリン | 173 ヴィオラ | 174 チェロ | 175 コントラバス | 177 オーボエ | 178 クラリネット | 179 ファゴット | 180 ホルン | 181 トランペット | 182 トロンボーン | 183 チューバ | 185 トライアングル | 190 鍵盤楽器 | 191 弦楽器 | 192 木管楽器 | 193 金管楽器 | 194 打楽器 | 195 メゾソプラノ | 196 アルト | 200 作品 | 201 ピアノ曲 | 202 歌曲 | 204 室内楽 | 205 交響曲 | 206 協奏曲 | 207 管弦楽曲 | 208 合唱 | 209 重唱 | 210 民謡 | 211 オルガン | 212 オペラ | 213 カノン | 214 連弾 | 215 練習曲 | 216 学生歌 | 230 ドイツレクイエム | 231 交響曲第1番 | 232 交響曲第2番 | 233 交響曲第3番 | 234 交響曲第4番 | 235 大学祝典序曲 | 236 ヴァイオリン協奏曲 | 237 ピアノ協奏曲第1番 | 238 ピアノ協奏曲第2番 | 239 二重協奏曲 | 248 弦楽六重奏曲第1番 | 249 弦楽六重奏曲第2番 | 250 ピアノ五重奏曲 | 251 クラリネット五重奏曲 | 252 弦楽五重奏曲第1番 | 253 弦楽五重奏曲第2番 | 254 弦楽四重奏曲第1番 | 255 弦楽四重奏曲第2番 | 256 弦楽四重奏曲第3番 | 257 ピアノ四重奏曲第1番 | 258 ピアノ四重奏曲第2番 | 259 ピアノ四重奏曲第3番 | 260 ピアノ三重奏曲第1番 | 261 ピアノ三重奏曲第2番 | 262 ピアノ三重奏曲第3番 | 263 ホルン三重奏曲 | 264 クラリネット三重奏曲 | 265 ヴァイオリンソナタ第1番雨の歌 | 266 ヴァイオリンソナタ第2番 | 267 ヴァイオリンソナタ第3番 | 268 チェロソナタ第1番 | 269 チェロソナタ第2番 | 270 クラリネットソナタ第1番 | 271 クラリネットソナタ第2場 | 272 FAEソナタ | 300 作曲家 | 301 バッハ | 302 シェーンベルク | 303 ドヴォルザーク | 304 ベートーヴェン | 305 シューマン | 306 メンデルスゾーン | 307 モーツアルト | 308 ショパン | 309 シューベルト | 310 ワーグナー | 311 マーラー | 312 チャイコフスキー | 313 Rシュトラウス | 314 リスト | 315 ヘンデル | 318 ヨハン・シュトラウスⅡ | 319 ビゼー | 320 ブルックナー | 321 ハイドン | 322 レーガー | 323 ショスタコーヴィチ | 350 演奏家 | 351 クララ | 352 ヨアヒム | 353 ミュールフェルト | 354 アマーリエ | 356 ビューロー | 357 クライスラー | 358 ヘンシェル | 362 シュットクハウゼン | 400 人物 | 401 ファミリー | 402 マルクゼン | 403 ジムロック | 404 シュピッタ | 405 ビルロート | 407 ビスマルク | 408 ハンスリック | 409 フェリクス | 411 マンディ | 412 ヴィトマン | 416 カルベック | 417 ガイリンガー | 418 エルク | 419 グリム兄弟 | 420 森鴎外 | 431 アガーテ | 432 リーズル | 433 マリエ | 434 ユーリエ | 435 オイゲーニエ | 436 ベルタ | 437 リースヒェン | 438 オティーリエ | 439 シュピース | 441 バルビ | 442 シシィ | 500 逸話 | 501 生い立ち | 502 性格 | 503 学習 | 504 死 | 505 葬儀 | 506 職務 | 507 マネー | 508 報酬 | 509 寄付 | 510 顕彰 | 511 信仰 | 512 友情 | 513 恋 | 515 別れ | 516 こだわり | 517 癖 | 518 読書 | 519 リゾート | 520 旅行 | 521 鉄道 | 522 散歩 | 523 食事 | 524 ワイン | 525 タバコ | 526 コーヒー | 527 趣味 | 528 手紙 | 529 ジョーク | 530 習慣 | 531 住居 | 532 恩人 | 533 指揮者 | 534 教師 | 535 暗譜 | 536 美術 | 537 ビール | 550 楽友協会 | 551 ジンクアカデミー | 552 ハンブルク女声合唱団 | 553 赤いハリネズミ | 554 論争 | 555 出版社 | 556 初版 | 557 献呈 | 558 伝記 | 559 初演 | 560 校訂 | 571 ウィーン | 572 ハンブルク | 573 イシュル | 574 トゥーン | 575 デトモルト | 576 ペルチャッハ | 577 ライプチヒ | 578 デュッセルドルフ | 579 フランクフルト | 580 ベルリン | 590 イタリア | 591 イギリス | 600 ブログMng | 601 運営方針 | 602 自主規制 | 603 アクセス | 604 検索 | 605 カテゴリー | 606 記事備蓄 | 607 創立記念日 | 608 ブログパーツ | 609 舞台裏 | 610 取材メモ | 611 マッコークル | 613 一覧表 | 614 課題 | 615 カレンダリング | 616 ゴール | 617 キリ番アクセス | 618 キリ番記事 | 630 記念 | 631 誕生日 | 632 命日 | 633 演奏会 | 634 正月 | 635 ヴァレンタイン | 636 クリスマス | 637 ブラームス忌 | 638 ブラスマス | 639 クララ忌 | 641 愛鳥週間 | 642 ランキング | 699 仮置き | 700 思い | 701 仮説 | 702 疑問 | 703 お叱り覚悟 | 704 発見 | 705 奇遇 | 706 区切り | 707 モチベーション | 708 演奏会 | 709 感謝 | 710 よろこび | 711 譜読み | 712 音楽史 | 720 日本史 | 721 日本人 | 722 日本語 | 723 短歌俳句 | 724 漢詩 | 725 三国志 | 727 映画 | 728 写譜 | 730 写真 | 731 数学 | 732 レッスン | 733 ビートルズ | 740 昔話 | 741 仲間 | 742 大学オケ | 743 高校オケ | 760 家族 | 761 父 | 762 母 | 763 妻 | 764 長男 | 765 長女 | 766 次女 | 767 恩師 | 780 スポーツ | 781 野球 | 782 駅伝 | 783 バスケットボール | 784 サッカー | 785 アントラーズ | 786 バドミントン | 790 コレクション | 791 CD | 792 ipod | 793 楽譜 | 794 書籍 | 795 グッズ | 796 愛器 | 800 執筆の周辺 | 801 執筆の方針 | 802 ブラダス | 803 校正 | 804 譜例 | 807 パソコン | 808 ネット | 809 ドボダス | 810 ミンダス | 820 出版の周辺 | 821 パートナー | 822 契約 | 823 装丁 | 825 刊行記念日 | 840 販売の周辺 | 841 お買上げ | 842 名刺 | 860 献本 | 861 ドイツ国立図書館

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ