カルベック
今日はマックス・カルベック(Max Kalbeck1844-1921)の命日だ。
ブラームスの友人。20世紀になってから全4巻からなる大著「ブラームス伝」を著した。現在もなおブラームス研究の最重要文献の座に君臨中だ。
音楽評論家としても名高い。ブラームス擁護の論客だ。ウィーンの有力誌への執筆活動を通じた影響力は、ハンスリックにさえ匹敵している。作品の評価をめぐってのブラームス本人との丁々発止のやりとりは、後世の愛好家にとって大変興味深いものである。
この人にはさらに作家の一面もある。脚本家、翻訳家としても活躍した。
もっとある。ブラームスの歌曲「夢に遊ぶ人」(Nachtwandler)のテキストはカルベックによるものだ。op104-3を背負ったアカペラの合唱曲のテキストもカルベック。ブラームスがカルベックの作品に曲を付けたのはこの2例だけだ。
たった2例とはいえ、この「夢に遊ぶ人」は絶品だ。一つ前の作品番号op86-2絶唱「Feldeinsamkeit」を何回も聴いているうちに見つけた。ベスト10に入る。
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