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カテゴリー「504 死」の6件の記事

2013年6月15日 (土)

インタビューの日取り

昨日言及した「音楽の創造と霊感」という本、ブラームスへのインタビューが活字化されたものだが、残念なことにインタビューの正確な日付けが書かれていない。1896年晩秋だということは明記されている。場所はウィーンのブラームス宅だ。

ブラームス関連の最終第6章の末尾に、インタビューの4ヵ月後にブラームスが没したと書かれていることをヒントに推理する。

音楽之友社刊行「ブラームス回想録集第2巻」195ページに友人のホイベルガーの証言がある。それによると1896年12月4日の夜の出来事として「ホイベルガーはブラームス、ヨアヒムとその他で夕食に出かけた」と記述している。

先のインタビューは、その場にヨアヒムが同席したことが明記されているし、ブラームス没の4ヶ月前という記述からして、12月4日というのは魅力的だ。名前が明かされていない「友人」の中に著者アーベルが含まれていた可能性もある。この時期のブラームスは、カルルスバートでの鉱泉治療から戻ったものの、傍目にも体調不良が明らかになっていた時期だ。インタビューの内容は、とても精力的で雄弁で、少なくとも病人へのインタビューという雰囲気は感じられない。

2011年5月17日 (火)

サブタイトル

現在展開中の「マーラー」特集は3月29日のビューローの葬儀の記事で開始され、マーラー没後100年の記事まで続く。その間ブラームスの葬儀とマーラーの関係を深く論考し、さらにマーラーの友人ハンス・ロットの悲劇にも言及した。

地震を含む天災のネタ「大火」や「天明の大飢饉」の話、あるいは「葬送行進曲」をテーマにした記事も「Marcia Funebre」と「三拍子の行進曲」の2本を数える。「マーラー」という表向きの題名の裏には「死」というサブタイトルが掲げられていたようなものだ。

没後100年に合わせるマーラー特集自体は既に昨年アラビアンナイト計画が始まった段階で決まっていた。そこに震災が起きた。未曾有の大災害に接して「死」という言葉の持つ意味に直面せざるを得なかった。「マーラー特集」自体の延期も考えたが熟慮の末決行に踏み切った。「ブラームスの辞書」なりの哀悼の意の表明である。

会期はあと2日。合掌。

2011年4月 4日 (月)

半旗

旗の掲揚の方法。弔意を表する手法の一つである。一旦旗ざおの頂上まで上げてから、中ほどまで降ろす。回収の時はその逆で、旗ざおの頂上まで上げてから降ろすという。

重要人物の死去の際に見られる。

1897年4月4日だから、ブラームス死去の翌日、ブラームスの故郷ハンブルクでは停泊中の船が全て半旗を掲げたという。ドイツ最大の港町だから相当な数の船舶でにぎわっていたに違いない。外国籍の船も少なくはなかろうが、ハンブルクの港湾当局は半旗掲揚を発意し、みながそれにしたがったということだ。ハンブルク出身にして名誉市民、欧州屈指の作曲家の死を、街全体で惜しんだのだ。

2011年2月 1日 (火)

冥土の土産

「冥土」は、仏教において「死者の魂が行くところ」だから、「あの世への手土産」くらいの意味か。生前最後の成果というニュアンスも漂う。

ブログ「ブラームスの辞書」の目標を、「ブラームス生誕200年までの欠かさぬ継続」などという大風呂敷を広げてしまった結果、図らずも私のライフワークの様相を呈しはじめた。未達成に終わったとしても誰かに叱られる訳でもないのに妙に気合が入っている。

何としても10205本の記事を漏れなく抜かりなく公開して、冥土の土産としたい。

私が冥土の土産を達成出来なくても、おそらく妻はにこにこと笑っているだけだろうが、それでは私の気が済まぬ。何としてもこの土産はブラームスに手渡さなくてはならないからだ。

今日で妻が亡くなってちょうど15年だ。本日この話題に言及することは、ある種の願掛けでもある。

2010年4月 6日 (火)

葬列

1897年4月3日にブラームスはこの世を去った。葬儀は丸3日後の4月6日だったという。それはそれは盛大な葬儀だったらしい。音楽之友社刊行、日本ブラームス協会編「ブラームスの実像」に詳しく載っている。ドヴォルザークと違って国葬にこそならなかったが、音楽関係者はほとんど総出で、政府高官の姿も見られたという。

父母、姉弟に先立たれ妻子もいないブラームスだからいわゆるご親戚の方はゼロだ。それでも参列者は膨大な数に膨れ上がり、自宅そばのカール教会前の広場を埋め尽くすほどだったという。集まった花束だけで馬車6台分もあったらしい。

シューマン夫妻の長女マリエ、ジムロック、ヘンシェル、ホイベルガー、ヘルツォーゲンベルク、クリンガー、ミュールフェルト、マンディチェフスキー、ブリュル、カルベックが参列した。

ドイツ国内にとどまらず、外国の諸都市も代表を送り込んだという。ロンドン、ケンブリッジ、アムステルダム。そしてパリも弔使を送ったという話もある。もちろんプラハから駆けつけたに違いないドヴォルザークもいた。このとき既にウィーン楽友協会の名誉会員の地位にあった。残念なことにこの出来事はドヴォルザークの伝記では見過ごされていることが多い。

なるほど丸3日の準備が要るわけだ。

2010年4月 5日 (月)

会葬

葬儀に参列することだ。故人とのお別れのために、当日の予定をキャンセルしてかけつけるのだから、家族親戚以外で会葬してもらえるというのは故人との関係浅からぬ人だということになる。

  1. メンデルスゾーン
  2. シューマン
  3. ブラームス
  4. ドヴォルザーク

この連鎖を見て何を想像するだろう。伝記を読めば解る。シューマンはメンデルスゾーンの葬儀に立ち会い、ブラームスはシューマンの葬儀に立ち会い、ドヴォルザークがブラームスの葬儀に立ち会った。つまり「会葬の連鎖」だ。

馥郁たる香気が感じられるメンツだ。メンデルスゾーンがシューベルトの葬儀に立ち会っていれば完璧だった。シューベルトはべートーヴェンの葬儀に立ち会っているからだ。

ブラームスはブルックナーの葬儀にも立ち会っているから、こちらでも別系統の連鎖が確認出来るかもしれない。

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