引き継ぎの宴
来年1月末の嘱託満了に備えての動きだ。一昨日までに、「後任をよろしく」という主旨の飲み会やランチ会が全て終わった。
私の退任が1月末なので年末年始の繁忙期と重なることもあって、引き継ぎは今月をもって一区切りとなる。あとは日々発生するトラブルとまでは言えないような小ネタに誠実に向き合って場数を踏む2ヶ月としたい。
飲み会はオケの打ち上げが残るのみ。
来年1月末の嘱託満了に備えての動きだ。一昨日までに、「後任をよろしく」という主旨の飲み会やランチ会が全て終わった。
私の退任が1月末なので年末年始の繁忙期と重なることもあって、引き継ぎは今月をもって一区切りとなる。あとは日々発生するトラブルとまでは言えないような小ネタに誠実に向き合って場数を踏む2ヶ月としたい。
飲み会はオケの打ち上げが残るのみ。
嘱託満了まで残り半年を切った。最後2024年度は年度末まで在籍しないにもかかわらず、通年通り有給休暇が付与される。40日弱を10カ月で消化せねばならぬ。8月の旧盆に合わせてまとめて消化しておかないと、最後の月は全部有休消化となりかねない。
だからと言い訳しつつ明日から12連休に入る。
と格好をつけてはいるが、実はこれで孫の顔を頻繁に見に行けるという算段だ。
私のカンタータライフの中央に君臨するカール・リヒター先生の経歴を調べていて興味深いことを発見した。
ザクセン州で生まれた彼はやがて、ライプチヒで学ぶ。カール・シュトラウベやギュンター・ラミンというトマスカントルたちが師匠である。1956年、ギュンター・ラミンの死去に伴い、トマスカントルにと白羽の矢が立った。すでにミュンヘンに本拠を移していたせいかリヒターは、この申し出を断る。
どこかにそういう人がいた。
そう、ブラームスだ。ブラームスもまた1879年46歳のときに、トマスカントルへの就任要請を固辞している。
両者どちらか、あるいは両方がこれを受諾していたら、音楽史が少しは変わっただろうか。少なくとも私の音楽ライフには大きな影響があったはずだ。
黄金期はやがて過ぎる。バッハがきら星のごとき器楽作品を生み出したケーテン生活にもいろいろ隙間風が吹いてきた。
水面下でさまざまな動きがあって、次なる任地が決まった。
ライプチヒのトマスカントルだ。
1723年5月5日契約が締結され、5月15日には4半期分の給与が支払われたという。つまり5月15日付けでの採用かと。その後1750年7月に没するまでその地位にあった。
嘱託生活最後の一年だ。2024年度を満了できないというのに、ふと気がつくと有給休暇が1年分20日律儀に付与されていた。昨年度からの繰り越しと合わせると40日弱だ。計画的に行使しないと最後の1か月まるまる有休消化にもなりかねない。
働き方改革には、慣れてもきたが、休み方改革には不慣れな自分がいる。バッハに注ごうか。
バッハは1733年にザクセン選帝侯国の宮廷作曲家に就任した。
ポーランド王を兼務する関係で、ザクセン選帝侯はカトリックに改宗していた。領主の信仰が国家の信仰だったのだが、ザクセン選帝侯国領民のほとんどはプロテスタントだった。1697年まではカトリックの信仰が禁止されていたほどだ。
1723年にライプチヒのトマスカントルに就任していたバッハは、あろうことかカトリックを信仰するザクセン選帝侯国から宮廷作曲家の称号を得たということだ。トマスカントルとザクセン宮廷作曲家の兼務ということになる。
トマスカントルの職務遂行にあたって発生するライプチヒ市参事会との軋轢に対抗するために、ザクセン選帝侯の権威を頼ったためと言われているが、信仰とは別とばかりにドライに割り切っている感じがする。
ブラームスが進出した頃のウィーンは建築ラッシュの真っ只中だった。ブラームス進出の5年前1857年に皇帝フランツヨーゼフ1世は、ウィーン市壁の撤去を決定した。過去トルコ軍の包囲を耐え抜いた市壁なのだが、もはや時代は移った。
ウィーン市外をグルリと取り囲む幅およそ500mの土地が忽然と姿を現した。市庁舎、国会議事堂、司法省、市立公園などの公の施設が続々と建設された。それでも余った土地は民間に払い下げられた。現代ウィーンの輪郭はこのときから数十年の間に形成されていった。
1869年に完成した宮廷歌劇場は現在の国立歌劇場で、翌1870年には楽友協会が完成。1872年に協会の芸術監督に就任したブラームスは竣工間もない建物に通い詰めたことになる。コンサート会場で名高いコンツェルトハウスの完成は1913年。一連の建築ラッシュのなかではむしろ遅いほう。
新設または修理したオルガンの性能を検査判定することと「バッハ辞典」に書いてある。同書の内容を要約するとバッハのオルガン鑑定は下記のような特色がある。まずはその手法。
バッハは当代一のオルガニストとして各地のオルガン鑑定に招かれた。自筆鑑定書が残っているのは下記の通りである。鑑定年、場所、オルガン製作者の順で列挙する。
バッハ26歳から61歳である。
鑑定自体は20箇所で行われたとされている。その報告の内容を以下に要約する。
整然としていて気持ちがいい。
となるとパッヘルベルの職歴も放置できない。
テレマンと同じくバッハの生地アイゼナハに関係があった。バッハ家との親交が深かった。宮廷とも教会とも同じくらい現れる。勤務年数でいうなら教会か。
昨日言及した「聖マリア縛り」で、ブクステフーデの勤務先が「聖マリア教会」ばかりだったと述べた。それがよくある話なのか検証するためにテレマンについてまとめておく。
バッハも縁の深い、アイゼナハやライプチヒと濃いつながりがある。教会とつながりがあるにはあるが、どちらかというと市か宮廷勤務が多い。職務の中に教会の監督が入っている時だけは教会にも関与する形。フランクフルトもハンブルクもだ。「聖マリア縛り」というより「公務員縛り」な感じがする。
001 用語解説 002 ドイツ旅行① 003 ドイツ旅行② 004 ドイツ旅行③ 050 空席状況 051 お知らせ 052 総集編 053 アラビアンナイト計画 054 セバスチャン 055 令和百人一首 056 拾葉百首 060 ブラームス神社 061 縁起 063 賽銭 070 ドイツ分室 071 地名辞書 072 地名探検 073 地名語尾辞典 074 地名語尾 075 ドイツ語 076 ドイツ方言 077 ドイツ史 078 ハプスブルク 079 人名辞典 080 イベント 081 謝恩クイズ 082 かるた 083 のだめ 084 お盆 085 中国出張 086 英国研修 087 ブログ出版 088 意訳委員会 089 ドヴォルザークイヤー総集編 090 ドヴォルザーク作品一覧 091 平均律与太話 092 暦 093 バロック 094 ドイツバロック 095 イタリアンバロック 100 作曲 101 編曲 102 楽譜 103 音符 104 楽語 105 テンポ 106 音強 107 拍子 108 調性 109 奏法 110 演奏 111 旋律 112 音型 113 リズム 114 和声 115 対位法 116 形式 117 編成 118 ヘミオラ 119 テキスト 120 ベースライン 121 再現部 122 微調整語 123 語彙 124 表情 125 伴奏 126 ジプシー音楽 140 ソナタ 141 変奏曲 142 フーガ 143 ロンド 144 コラール 145 間奏曲 146 スケルツォ 147 ワルツ 148 レントラー 149 緩徐楽章 150 セレナーデ 153 カプリチオ 154 トリオ 155 序奏 156 シャコンヌ 157 メヌエット 158 舞曲 159 カンタータ 160 ブラームス節 161 分布 162 引用 170 楽器 171 ピアノ 172 ヴァイオリン 173 ヴィオラ 174 チェロ 175 コントラバス 177 オーボエ 178 クラリネット 179 ファゴット 180 ホルン 181 トランペット 182 トロンボーン 183 チューバ 184 ティンパニ 185 トライアングル 186 チェンバロ 187 オルガン 190 鍵盤楽器 191 弦楽器 192 木管楽器 193 金管楽器 194 打楽器 195 メゾソプラノ 196 アルト 200 作品 201 ピアノ曲 202 歌曲 203 器楽 204 室内楽 205 交響曲 206 協奏曲 207 管弦楽曲 208 合唱 209 重唱 210 民謡 211 オルガン 212 オペラ 213 カノン 214 連弾 215 練習曲 216 学生歌 230 ドイツレクイエム 231 交響曲第1番 232 交響曲第2番 233 交響曲第3番 234 交響曲第4番 235 大学祝典序曲 236 ヴァイオリン協奏曲 237 ピアノ協奏曲第1番 238 ピアノ協奏曲第2番 239 二重協奏曲 248 弦楽六重奏曲第1番 249 弦楽六重奏曲第2番 250 ピアノ五重奏曲 251 クラリネット五重奏曲 252 弦楽五重奏曲第1番 253 弦楽五重奏曲第2番 254 弦楽四重奏曲第1番 255 弦楽四重奏曲第2番 256 弦楽四重奏曲第3番 257 ピアノ四重奏曲第1番 258 ピアノ四重奏曲第2番 259 ピアノ四重奏曲第3番 260 ピアノ三重奏曲第1番 261 ピアノ三重奏曲第2番 262 ピアノ三重奏曲第3番 263 ホルン三重奏曲 264 クラリネット三重奏曲 265 ヴァイオリンソナタ第1番雨の歌 266 ヴァイオリンソナタ第2番 267 ヴァイオリンソナタ第3番 268 チェロソナタ第1番 269 チェロソナタ第2番 270 クラリネットソナタ第1番 271 クラリネットソナタ第2場 272 FAEソナタ 300 作曲家 301 バッハ 302 シェーンベルク 303 ドヴォルザーク 304 ベートーヴェン 305 シューマン 306 メンデルスゾーン 307 モーツアルト 308 ショパン 309 シューベルト 310 ワーグナー 311 マーラー 312 チャイコフスキー 313 Rシュトラウス 314 リスト 315 ヘンデル 316 ヴィヴァルディ 317 ヴェルディ 318 ヨハン・シュトラウスⅡ 319 ビゼー 320 ブルックナー 321 ハイドン 322 レーガー 323 ショスタコーヴィチ 324 テレマン 325 ブクステフーデ 326 パッヘルベル 327 シュメルツァー 328 フローベルガー 330 プレトリウス 331 シュッツ 350 演奏家 351 クララ 352 ヨアヒム 353 ミュールフェルト 354 アマーリエ 356 ビューロー 357 クライスラー 358 ヘンシェル 362 シュットクハウゼン 400 人物 401 ファミリー 402 マルクゼン 403 ジムロック 404 シュピッタ 405 ビルロート 407 ビスマルク 408 ハンスリック 409 フェリクス 411 マンディ 412 ヴィトマン 416 カルベック 417 ガイリンガー 418 エルク 419 グリム兄弟 420 森鴎外 421 ルター 422 源実朝 431 アガーテ 432 リーズル 433 マリエ 434 ユーリエ 435 オイゲーニエ 436 ベルタ 437 リースヒェン 438 オティーリエ 439 シュピース 440 トゥルクサ 441 バルビ 442 シシィ 443 メルケル 500 逸話 501 生い立ち 502 性格 503 学習 504 死 505 葬儀 506 職務 507 マネー 508 報酬 509 寄付 510 顕彰 511 信仰 512 友情 513 恋 514 噂 515 別れ 516 こだわり 517 癖 518 読書 519 リゾート 520 旅行 521 鉄道 522 散歩 523 食事 524 ワイン 525 タバコ 526 コーヒー 527 趣味 528 手紙 529 ジョーク 530 習慣 531 住居 532 恩人 533 指揮者 534 教師 535 暗譜 536 美術 537 ビール 550 楽友協会 551 ジンクアカデミー 552 ハンブルク女声合唱団 553 赤いハリネズミ 554 論争 555 出版社 556 初版 557 献呈 558 伝記 559 初演 560 校訂 571 ウィーン 572 ハンブルク 573 イシュル 574 トゥーン 575 デトモルト 576 ペルチャッハ 577 ライプチヒ 578 デュッセルドルフ 579 フランクフルト 580 ベルリン 581 アイゼナハ 582 リューベック 583 ニュルンベルク 590 イタリア 591 イギリス 592 チェコ 600 ブログMng 601 運営方針 602 自主規制 603 アクセス 604 検索 605 カテゴリー 606 記事備蓄 607 創立記念日 608 ブログパーツ 609 舞台裏 610 取材メモ 611 マッコークル 612 シュミーダー 613 一覧表 614 課題 615 カレンダリング 616 ゴール 617 キリ番アクセス 618 キリ番記事 630 記念 631 誕生日 632 命日 633 演奏会 634 正月 635 ヴァレンタイン 636 クリスマス 637 ブラームス忌 638 ブラスマス 639 クララ忌 641 愛鳥週間 642 ランキング 699 仮置き 700 思い 701 仮説 702 疑問 703 お叱り覚悟 704 発見 705 奇遇 706 区切り 707 モチベーション 708 演奏会 709 感謝 710 よろこび 711 譜読み 712 音楽史 720 日本史 721 日本人 722 日本語 723 短歌俳句 724 漢詩 725 三国志 727 映画 728 写譜 730 写真 731 数学 732 レッスン 733 ビートルズ 740 昔話 741 仲間 742 大学オケ 743 高校オケ 760 家族 761 父 762 母 763 妻 764 長男 765 長女 766 次女 767 恩師 768 孫 780 スポーツ 781 野球 782 駅伝 783 バスケットボール 784 サッカー 785 アントラーズ 786 バドミントン 790 コレクション 791 CD 792 ipod 793 楽譜 794 書籍 795 グッズ 796 愛器 797 職場のオケ 800 執筆の周辺 801 執筆の方針 802 ブラダス 803 校正 804 譜例 807 パソコン 808 ネット 809 ドボダス 810 ミンダス 820 出版の周辺 821 パートナー 822 契約 823 装丁 825 刊行記念日 840 販売の周辺 841 お買上げ 842 名刺 860 献本 861 ドイツ国立図書館
最近のコメント