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カテゴリー「506 職務」の28件の記事

2024年11月30日 (土)

引き継ぎの宴

来年1月末の嘱託満了に備えての動きだ。一昨日までに、「後任をよろしく」という主旨の飲み会やランチ会が全て終わった。

私の退任が1月末なので年末年始の繁忙期と重なることもあって、引き継ぎは今月をもって一区切りとなる。あとは日々発生するトラブルとまでは言えないような小ネタに誠実に向き合って場数を踏む2ヶ月としたい。

飲み会はオケの打ち上げが残るのみ。

2024年8月 6日 (火)

有休消化

嘱託満了まで残り半年を切った。最後2024年度は年度末まで在籍しないにもかかわらず、通年通り有給休暇が付与される。40日弱を10カ月で消化せねばならぬ。8月の旧盆に合わせてまとめて消化しておかないと、最後の月は全部有休消化となりかねない。

だからと言い訳しつつ明日から12連休に入る。

と格好をつけてはいるが、実はこれで孫の顔を頻繁に見に行けるという算段だ。

2024年5月18日 (土)

トマスカントル辞退

私のカンタータライフの中央に君臨するカール・リヒター先生の経歴を調べていて興味深いことを発見した。

ザクセン州で生まれた彼はやがて、ライプチヒで学ぶ。カール・シュトラウベやギュンター・ラミンというトマスカントルたちが師匠である。1956年、ギュンター・ラミンの死去に伴い、トマスカントルにと白羽の矢が立った。すでにミュンヘンに本拠を移していたせいかリヒターは、この申し出を断る。

どこかにそういう人がいた。

そう、ブラームスだ。ブラームスもまた1879年46歳のときに、トマスカントルへの就任要請を固辞している。

両者どちらか、あるいは両方がこれを受諾していたら、音楽史が少しは変わっただろうか。少なくとも私の音楽ライフには大きな影響があったはずだ。

 

 

2024年5月15日 (水)

5月15日付け

黄金期はやがて過ぎる。バッハがきら星のごとき器楽作品を生み出したケーテン生活にもいろいろ隙間風が吹いてきた。

水面下でさまざまな動きがあって、次なる任地が決まった。

ライプチヒのトマスカントルだ。

1723年5月5日契約が締結され、5月15日には4半期分の給与が支払われたという。つまり5月15日付けでの採用かと。その後1750年7月に没するまでその地位にあった。

2024年4月13日 (土)

計画行使

嘱託生活最後の一年だ。2024年度を満了できないというのに、ふと気がつくと有給休暇が1年分20日律儀に付与されていた。昨年度からの繰り越しと合わせると40日弱だ。計画的に行使しないと最後の1か月まるまる有休消化にもなりかねない。

働き方改革には、慣れてもきたが、休み方改革には不慣れな自分がいる。バッハに注ごうか。

2023年9月27日 (水)

宮廷作曲家

バッハは1733年にザクセン選帝侯国の宮廷作曲家に就任した。

ポーランド王を兼務する関係で、ザクセン選帝侯はカトリックに改宗していた。領主の信仰が国家の信仰だったのだが、ザクセン選帝侯国領民のほとんどはプロテスタントだった。1697年まではカトリックの信仰が禁止されていたほどだ。

1723年にライプチヒのトマスカントルに就任していたバッハは、あろうことかカトリックを信仰するザクセン選帝侯国から宮廷作曲家の称号を得たということだ。トマスカントルとザクセン宮廷作曲家の兼務ということになる。

トマスカントルの職務遂行にあたって発生するライプチヒ市参事会との軋轢に対抗するために、ザクセン選帝侯の権威を頼ったためと言われているが、信仰とは別とばかりにドライに割り切っている感じがする。

 

 

2022年1月18日 (火)

建築ラッシュ

ブラームスが進出した頃のウィーンは建築ラッシュの真っ只中だった。ブラームス進出の5年前1857年に皇帝フランツヨーゼフ1世は、ウィーン市壁の撤去を決定した。過去トルコ軍の包囲を耐え抜いた市壁なのだが、もはや時代は移った。

ウィーン市外をグルリと取り囲む幅およそ500mの土地が忽然と姿を現した。市庁舎、国会議事堂、司法省、市立公園などの公の施設が続々と建設された。それでも余った土地は民間に払い下げられた。現代ウィーンの輪郭はこのときから数十年の間に形成されていった。

1869年に完成した宮廷歌劇場は現在の国立歌劇場で、翌1870年には楽友協会が完成。1872年に協会の芸術監督に就任したブラームスは竣工間もない建物に通い詰めたことになる。コンサート会場で名高いコンツェルトハウスの完成は1913年。一連の建築ラッシュのなかではむしろ遅いほう。

2018年5月14日 (月)

オルガン鑑定

新設または修理したオルガンの性能を検査判定することと「バッハ辞典」に書いてある。同書の内容を要約するとバッハのオルガン鑑定は下記のような特色がある。まずはその手法。

  1. 全ストップを引き出す 引き出すということはパイプに風が流れるということだ。つまり、すべてのパイプの音を出してみるということである。
  2. 出来るだけ多声部で弾いてオルガンの全能力を引き出す。
  3. 「オルガンが丈夫な肺をもっているか確認する」と表現している。

バッハは当代一のオルガニストとして各地のオルガン鑑定に招かれた。自筆鑑定書が残っているのは下記の通りである。鑑定年、場所、オルガン製作者の順で列挙する。

  1. 1711 タウバッハ/N.H.トレープス
  2. 1716 ハレ聖母教会/C.クンチウス
  3. 1716 エアフルト・アウグウティヌス教会/J.Gシュレーダー
  4. 1717 ライプチヒ・パウロ教会/J.シャイベ
  5. 1746 チョルダウ/J.シャイベ
  6. 1746 ナウムブルク・ベンチェラウス教会/Z.ヒルデブランド

バッハ26歳から61歳である。

鑑定自体は20箇所で行われたとされている。その報告の内容を以下に要約する。

  1. 検査内容
  2. 制作契約書と出来映えの比較評価
  3. 簡単に是正可能な欠陥
  4. 是正不可能な大きな欠陥
  5. 制作者への賛辞

整然としていて気持ちがいい。

2018年5月12日 (土)

パッヘルベルの職歴

となるとパッヘルベルの職歴も放置できない。

  1. ニュルンベルク 1653年出生。
  2. アルトドルフ 1669年同地の大学在学中に聖ロレンツ教会のオルガニストに就任。
  3. ウィーン 1673年聖シュテファン大聖堂次席オルガン奏者。
  4. アイゼナハ 1677年宮廷オルガン奏者。バッハの父と知り合う。
  5. エアフルト 1678年プレディガー教会オルガン奏者。
  6. シュトゥットガルト 1690年ヴュルテンブルク公国宮廷音楽家宮廷オルガニスト。
  7. ゴータ 1692年マルガレーテ教会オルガン奏者。
  8. オールドルフ 1694年バッハの長兄ヨハン・クリストフの結婚式に参列した。9歳のバッハと会った可能性がある。
  9. ニュルンベルク 1695年聖ゼーバルドゥス教会オルガン奏者。
  10. 1706年ニュルンベルクにて没。

テレマンと同じくバッハの生地アイゼナハに関係があった。バッハ家との親交が深かった。宮廷とも教会とも同じくらい現れる。勤務年数でいうなら教会か。

2018年5月11日 (金)

テレマンの職歴

昨日言及した「聖マリア縛り」で、ブクステフーデの勤務先が「聖マリア教会」ばかりだったと述べた。それがよくある話なのか検証するためにテレマンについてまとめておく。

  1. マクデブルク 1681年出生 バッハより4つ年長だ。
  2. ツェラーフェルト 1694年頃つまり13歳で病気の教師代役で指揮と作曲をしたが、職業とはカウントしにくい。
  3. ライプチヒ 1701年ライプチヒ大学進学。当地のコレギウムムジクムを統率したが、これも職業と言えるか微妙。
  4. ソーラウ(ポーランド) 1704年宮廷楽長。これは職業。
  5. アイゼナハ 1708年宮廷秘書。宮廷礼拝場楽団を統率。ワイマール在勤のバッハと知り合う。同地で結婚したが第一子を授かってまもなく妻と死別。
  6. フランクフルトアムマイン 1712年市音楽監督。パウロ、カタリーナ両教会の教会楽長。
  7. ハンブルク 1721年、ハンブルク市音楽監督兼ヨハネウムカントル。
  8. ハンブルク 1722年、ハンブルク市歌劇場音楽監督。この年ライプチヒトマスカントル就任のオファーを断る。これにより同職位はバッハに。
  9. バイロイト 1726年、宮廷楽長。在ハンブルクのまま勤務。
  10. 1767年ハンブルクにて没。

バッハも縁の深い、アイゼナハやライプチヒと濃いつながりがある。教会とつながりがあるにはあるが、どちらかというと市か宮廷勤務が多い。職務の中に教会の監督が入っている時だけは教会にも関与する形。フランクフルトもハンブルクもだ。「聖マリア縛り」というより「公務員縛り」な感じがする。

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