ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

カテゴリー「518 読書」の11件の記事

2022年3月 1日 (火)

積ん読

「つんどく」と読む。入手した本が読まれない状態のことを表す俗語。1冊や2冊では用いられない気もする。1度読んだだけで放ったらかしという状態も、含まれるかどうかは議論の余地がある。書籍本来の目的は、申すまでもなく読まれることだ。だから「読まれない」ということは本来の目的からの決定的な逸脱だ。この点への自戒と自嘲というニュアンスが濃厚に含まれることも少なくない。

実は同様の現象がCDについても起きる。1度聴いただけで放置という状態まで定義を緩めれば、誰にも経験があるだろう。

「ブラームスの辞書」だって、どこかで「積ん読」されているに決まっている。しかし辞書は、調べ物が発生する度に手に取られる確率が高いと思う。

前置きはそこまでにする。

本の本来の目的が「読まれること」であるなら、「楽譜の本来の目的」はどう定義されるのだろう。「弾かれること」「歌われること」なのだろうか。どうもこれが一筋縄ではいかない気がする。もしも「弾かれること」「歌われること」が本来の目的だとするなら、我が家の楽譜は皆「積ん読」状態にある。「弾きもしない」「弾けもしない」あるいは「歌いもしない」「歌えもしない」のに我が家にはかなりな量の楽譜がある。

演奏にあたり作曲家と演奏家の間を取り持つ唯一の架け橋であることこそ、楽譜の最重要目的だが、それだけでは説明のつかぬ巨大な側面が楽譜には存在すると確信している。

我が家の楽譜は「積ん読」ではないと思う。

2021年1月 9日 (土)

音楽以外の趣味

音楽家だって趣味を持っていたに決まっている。ドヴォルザークの場合、ハトの飼育と鉄道だ。メンデルスゾーンは巧みに絵を描いた。ブラームスはなんだろう。すぐに思いつくのは読書。音楽関連書物以外にも相当な量を蔵書していた。古楽譜の収集になると音楽以外の趣味と呼ぶのは気が引けるが相当なモンだったらしい。グルメや飲酒あるいは散歩になると少々無理目だ。ブリキの兵隊並べというのも有力だ。

私はと申せば、サッカー、歴史、三国志、地名など。昔はプラモデルも好きだったし切手も集めていた。特に戦車のプラモデルはドイツ物がお気に入りだった。

 

 

2019年12月24日 (火)

ジャン・パウル

ドイツの小説家。

1855年のクリスマス、クララはブラームスにバッハ全集第1巻を贈った。その前年1854年のクリスマスにもプレゼントをしている。それが本日のお題となったジャン・パウルの作品集だった、全12巻というからかなりのボリュームだ。

シューマンがエンデニヒに入院してから、デュッセルドルフにとどまって家事を手伝うブラームスは、シューマン家の蔵書整理に没頭した。この姿を見ていたクララは、ブラームスの内なる文学的興味を見抜いたに決まっている。

ジャンパウルは1763年3月21日生まれだからバッハとお誕生日が同じだ。ほとんどベートーヴェンと時代が重なっている。ロマン派と古典派の境目あたりに位置付けられているらしい。グスタフ・マーラーの第1交響曲のタイトル「巨人」は、ジャン・パウルの同名小節から着想を得たという。

 

 

2019年10月22日 (火)

蔵書整理

1854年3月ブラームスは、シューマン投身の知らせを聞いてデュッセルドルフに急行する。シューマンは程なくエンデニヒの病院に収容された。この後1856年10月まで男手の無くなったシューマン一家に献身することになる。この前後に作品発表の空白が出来ていること周知の通りである。

家事を手伝うブラームスは、その一方でシューマン家の膨大な蔵書整理を買って出た。ロベルトはまだ存命だから遺産整理ではあり得ない。ロベルトが収集した書物や楽譜を自由に見てよろしいという許可と引き換えに自ら申し出たのだろう。

ブラームスはかなりな読書好きだったのだ。実家が貧しかったこともあって、蔵書と呼びうるようなまとまった量の書物は持っていなかったから、むさぼるように書物と向き合ったのだ。

これを見ていたクララは、その後次第に折を見てブラームスに書物を贈るようになる。

 

 

2019年7月17日 (水)

メルケルさんの伝記

「わたしの信仰」という本だ。著者はアンジェラ・メルケルその人。別に編者と訳者がいるから、彼女の文章なり言動なりを取りまとめて和訳したものだとわかる。信仰を切り口としたメルケル伝と思っていい。あるいはメルケルさんを切り口にした現代ドイツの信仰とも言い換えうる。

20190111_192315
昨今の世界情勢に照らして興味深い記述にあふれている。ますます彼女が好きになる。最近体調がすぐれぬともきく。何卒ご自愛を。そしてハッピーバースデー。

2017年1月20日 (金)

座右の書

いつも手許において愛読している書物のことだ。

例によって音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第3巻78ページに驚くべき記述がある。スイスの作家でブラームスの友人ヨーゼフ・ヴィトマンの証言だ。

ウィーンでの座右の書グリムの大辞典の分冊を私からも借りたことがある。

含蓄がある。「グリムの大辞典」というのは先般記事にしたグリム兄弟のライフワーク「ドイツ語辞典」だと思っていい。グリム兄弟の生前はもとよりブラームス存命中にも完成しなかったが、分冊の形で順次刊行が進められた。刊行の済んだ分をブラームスがウイーンで入手し愛用していたことがわかる。そしてスイス滞在中はヴィトマンから借りだしていたことも同時に明らかになる。

2012年12月12日 (水)

青年向け普仏戦争史

こういう名前の本がドイツで出版されていたらしい。例によって音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第3巻105ページに友人ヴィトマンの貴重な証言がある。ブラームスから頼まれて知人の子息用にと同書を贈ったところ、ブラームス自身が夢中になって読んでいるという礼状をもらったとある。

ヴィトマンは、1890年3月のその時点で「普仏戦争」をドイツが行った最後の大戦争という言い回しで表現するとともに、ブラームスが関係する文献全てに目を通していたと証言する。ビスマルクやモルトケ将軍のエピソードは細大漏らさず知っていたと思っていい。

2012年12月12日の記事がこんな普通の記事でもったいない。

2012年10月19日 (金)

ビスマルク演説集

音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第2巻135ページに興味深い記述。友人ホイベルガーの証言によれば、ブラームスが「ビスマルク演説集」を読んでいたことが判る。1895年5月1日にブラームスが最近刊行されたばかりの「ビスマルク演説集」に感心していたと書かれている。ほとんどの演説が準備原稿の無いアドリブだったと推測してブラームスが舌を巻いていたと証言する。ビスマルク支持者だったブラームスの実情を垣間見ることが出来て貴重だ。刊行後すみやかに入手していたことが伺われる。1815年生まれのビスマルクだから、80歳を記念した刊行だったかもしれない。

現地で1895年刊行の同書は、1920年頃一度和訳本が出されたがその後は絶版で、古本屋でも入手困難な上に高値が付いているという。

2012年7月10日 (火)

クラウゼヴィッツ

Karl von Clausewitz(1780-1831)はハレの下級貴族の出身。12歳でプロイセン陸軍に入隊し、シャルンホルストの薫陶を受ける。ナポレオンのロシア遠征を前にロシア軍に投じ参謀を務める。1818年にプロイセンに復職し、ベルリン士官学校の校長になる。この頃から古今の戦史を分析し、ナポレオン戦役への従軍経験を元に思索しながら、それを原稿に書き留める。1813年に没した後遺族の手により順次刊行された。

これが名高い「戦争論」だ。

「戦争とは敵を屈服させることを通じて自己の主張を実現するための暴力行為である」という有名な定義から書き起こし「戦争は政治である」というこれまた有名な結論に至る。今でこそ古典的な地位を獲得しているものの、当時は参謀本部以外では知る人の少ない書物だった。

ここで論じられた方法論を現実の戦場で検証したのがモルトケであった。モルトケがこの本の通りに戦争をして連戦連勝だったことから、普墺戦争以降あっという間に世界中で読まれるようになり、今や堂々たる古典の位置にある。

ブラームスは普仏戦争系の書籍をかたっぱしから読破したと証言されているから、クラウゼヴィッツの「戦争論」をも読んでいた可能性は非常に高いと思う。

2011年2月25日 (金)

普仏戦争

1870年に起こったプロイセンとフランスの戦争。準備万端のプロイセンがあっという間に勝って、ドイツ帝国が成立した。

ブラームス37歳の時の出来事だ。兵隊に志願しようと考えたこともあるという。後年になってもブラームスはこのときの感激を知人に語っている。

歴史好きのブラームスは、詩人ヴィトマンから贈られた「青少年のための普仏戦争史」という書物を熟読したという。

ナポレオンの没落後の欧州を再設計するウィーン会議は、やはりドイツを小国の集まりのままにした。フランスという国はどこまでも地続きの隣国ドイツの強大化を恐れた。「プロイセンはやばい」と感じていたと思う。そのプロイセンに現われた切れ者がビスマルクだ。鉄血宰相のイメージは強いが、内政もしっかりしていた。少ない兵力を効率的に配置することで、多方面作戦に備える。プロイセン国内の鉄道網の急速な発展は偶然ではない。これに加えて巧みな外交だ。残念ながらナポレオン3世よりは役者が少々上だ。

というようなビスマルクをブラームスは賛美する。あるいはビスマルクの右腕モルトケ将軍も同様だ。2人ともブラームスに先んじてハンブルクの名誉市民に列せられていた。

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

001 用語解説 002 ドイツ旅行① 003 ドイツ旅行② 004 ドイツ旅行③ 050 空席状況 051 お知らせ 052 総集編 053 アラビアンナイト計画 054 セバスチャン 055 令和百人一首 056 拾葉百首 060 ブラームス神社 061 縁起 063 賽銭 070 ドイツ分室 071 地名辞書 072 地名探検 073 地名語尾辞典 074 地名語尾 075 ドイツ語 076 ドイツ方言 077 ドイツ史 078 ハプスブルク 079 人名辞典 080 イベント 081 謝恩クイズ 082 かるた 083 のだめ 084 お盆 085 中国出張 086 英国研修 087 ブログ出版 088 意訳委員会 089 ドヴォルザークイヤー総集編 090 ドヴォルザーク作品一覧 091 平均律与太話 092 暦 093 バロック 094 ドイツバロック 095 イタリアンバロック 096 65の手習い 100 作曲 101 編曲 102 楽譜 103 音符 104 楽語 105 テンポ 106 音強 107 拍子 108 調性 109 奏法 110 演奏 111 旋律 112 音型 113 リズム 114 和声 115 対位法 116 形式 117 編成 118 ヘミオラ 119 テキスト 120 ベースライン 121 再現部 122 微調整語 123 語彙 124 表情 125 伴奏 126 ジプシー音楽 140 ソナタ 141 変奏曲 142 フーガ 143 ロンド 144 コラール 145 間奏曲 146 スケルツォ 147 ワルツ 148 レントラー 149 緩徐楽章 150 セレナーデ 153 カプリチオ 154 トリオ 155 序奏 156 シャコンヌ 157 メヌエット 158 舞曲 159 カンタータ 160 ブラームス節 161 分布 162 引用 170 楽器 171 ピアノ 172 ヴァイオリン 173 ヴィオラ 174 チェロ 175 コントラバス 177 オーボエ 178 クラリネット 179 ファゴット 180 ホルン 181 トランペット 182 トロンボーン 183 チューバ 184 ティンパニ 185 トライアングル 186 チェンバロ 187 オルガン 190 鍵盤楽器 191 弦楽器 192 木管楽器 193 金管楽器 194 打楽器 195 メゾソプラノ 196 アルト 200 作品 201 ピアノ曲 202 歌曲 203 器楽 204 室内楽 205 交響曲 206 協奏曲 207 管弦楽曲 208 合唱 209 重唱 210 民謡 211 オルガン 212 オペラ 213 カノン 214 連弾 215 練習曲 216 学生歌 230 ドイツレクイエム 231 交響曲第1番 232 交響曲第2番 233 交響曲第3番 234 交響曲第4番 235 大学祝典序曲 236 ヴァイオリン協奏曲 237 ピアノ協奏曲第1番 238 ピアノ協奏曲第2番 239 二重協奏曲 248 弦楽六重奏曲第1番 249 弦楽六重奏曲第2番 250 ピアノ五重奏曲 251 クラリネット五重奏曲 252 弦楽五重奏曲第1番 253 弦楽五重奏曲第2番 254 弦楽四重奏曲第1番 255 弦楽四重奏曲第2番 256 弦楽四重奏曲第3番 257 ピアノ四重奏曲第1番 258 ピアノ四重奏曲第2番 259 ピアノ四重奏曲第3番 260 ピアノ三重奏曲第1番 261 ピアノ三重奏曲第2番 262 ピアノ三重奏曲第3番 263 ホルン三重奏曲 264 クラリネット三重奏曲 265 ヴァイオリンソナタ第1番雨の歌 266 ヴァイオリンソナタ第2番 267 ヴァイオリンソナタ第3番 268 チェロソナタ第1番 269 チェロソナタ第2番 270 クラリネットソナタ第1番 271 クラリネットソナタ第2場 272 FAEソナタ 300 作曲家 301 バッハ 302 シェーンベルク 303 ドヴォルザーク 304 ベートーヴェン 305 シューマン 306 メンデルスゾーン 307 モーツアルト 308 ショパン 309 シューベルト 310 ワーグナー 311 マーラー 312 チャイコフスキー 313 Rシュトラウス 314 リスト 315 ヘンデル 316 ヴィヴァルディ 317 ヴェルディ 318 ヨハン・シュトラウスⅡ 319 ビゼー 320 ブルックナー 321 ハイドン 322 レーガー 323 ショスタコーヴィチ 324 テレマン 325 ブクステフーデ 326 パッヘルベル 327 シュメルツァー 328 フローベルガー 330 プレトリウス 331 シュッツ 350 演奏家 351 クララ 352 ヨアヒム 353 ミュールフェルト 354 アマーリエ 356 ビューロー 357 クライスラー 358 ヘンシェル 362 シュットクハウゼン 400 人物 401 ファミリー 402 マルクゼン 403 ジムロック 404 シュピッタ 405 ビルロート 407 ビスマルク 408 ハンスリック 409 フェリクス 411 マンディ 412 ヴィトマン 416 カルベック 417 ガイリンガー 418 エルク 419 グリム兄弟 420 森鴎外 421 ルター 422 源実朝 431 アガーテ 432 リーズル 433 マリエ 434 ユーリエ 435 オイゲーニエ 436 ベルタ 437 リースヒェン 438 オティーリエ 439 シュピース 440 トゥルクサ 441 バルビ 442 シシィ 443 メルケル 500 逸話 501 生い立ち 502 性格 503 学習 504 死 505 葬儀 506 職務 507 マネー 508 報酬 509 寄付 510 顕彰 511 信仰 512 友情 513 恋 514 噂 515 別れ 516 こだわり 517 癖 518 読書 519 リゾート 520 旅行 521 鉄道 522 散歩 523 食事 524 ワイン 525 タバコ 526 コーヒー 527 趣味 528 手紙 529 ジョーク 530 習慣 531 住居 532 恩人 533 指揮者 534 教師 535 暗譜 536 美術 537 ビール 550 楽友協会 551 ジンクアカデミー 552 ハンブルク女声合唱団 553 赤いハリネズミ 554 論争 555 出版社 556 初版 557 献呈 558 伝記 559 初演 560 校訂 571 ウィーン 572 ハンブルク 573 イシュル 574 トゥーン 575 デトモルト 576 ペルチャッハ 577 ライプチヒ 578 デュッセルドルフ 579 フランクフルト 580 ベルリン 581 アイゼナハ 582 リューベック 583 ニュルンベルク 590 イタリア 591 イギリス 592 チェコ 600 ブログMng 601 運営方針 602 自主規制 603 アクセス 604 検索 605 カテゴリー 606 記事備蓄 607 創立記念日 608 ブログパーツ 609 舞台裏 610 取材メモ 611 マッコークル 612 シュミーダー 613 一覧表 614 課題 615 カレンダリング 616 ゴール 617 キリ番アクセス 618 キリ番記事 630 記念 631 誕生日 632 命日 633 演奏会 634 正月 635 ヴァレンタイン 636 クリスマス 637 ブラームス忌 638 ブラスマス 639 クララ忌 641 愛鳥週間 642 ランキング 699 仮置き 700 思い 701 仮説 702 疑問 703 お叱り覚悟 704 発見 705 奇遇 706 区切り 707 モチベーション 708 演奏会 709 感謝 710 よろこび 711 譜読み 712 音楽史 720 日本史 721 日本人 722 日本語 723 短歌俳句 724 漢詩 725 三国志 727 映画 728 写譜 730 写真 731 数学 732 レッスン 733 ビートルズ 740 昔話 741 仲間 742 大学オケ 743 高校オケ 760 家族 761 父 762 母 763 妻 764 長男 765 長女 766 次女 767 恩師 768 孫 780 スポーツ 781 野球 782 駅伝 783 バスケットボール 784 サッカー 785 アントラーズ 786 バドミントン 790 コレクション 791 CD 792 ipod 793 楽譜 794 書籍 795 グッズ 796 愛器 797 職場のオケ 800 執筆の周辺 801 執筆の方針 802 ブラダス 803 校正 804 譜例 807 パソコン 808 ネット 809 ドボダス 810 ミンダス 820 出版の周辺 821 パートナー 822 契約 823 装丁 825 刊行記念日 840 販売の周辺 841 お買上げ 842 名刺 860 献本 861 ドイツ国立図書館

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ