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カテゴリー「520 旅行」の86件の記事

2022年9月21日 (水)

寿福寺

鎌倉五山の一つ。

1971年8月5日、今は亡き父に連れられて小学校6年の私は、鎌倉を訪問した。夏休みの自由研究の取材旅行でもあった日帰りハイキングの主目的が鶴ケ丘八幡宮と寿福寺だった。そう父は私に歴史の名場面を語るのを楽しみにしていた。実朝暗殺の舞台とその墓所が、旅のメインになるのは必然でさえあった。

北条政子と実朝の母子が眠るという場所、あまりのオーラに暑さを忘れて立ち尽くした。昨日のことのようだ。

が、しかしそこに埋葬されているのは実朝の胴体だけだとあとで知った。

実朝を討った公暁は首をはねていた。暗殺に成功した証とするためである。それを「やりました」とばかり持ち込んだ先で。あるいは持ち込む途中で殺されたという。「やりました」は「言われた通りやりましたのでほめてください」の意味だろう。持ち込んだ先の人から唆されていた。確かにそれは北条氏ではないし、鎌倉幕府の正史たる吾妻鏡も沈黙している。そりゃ「北条氏が唆して」とは筆を滑らすはずもない。「甥が叔父を討った」つまり「源氏内部の内輪揉め」である方が好都合に決まっている。

人の口に戸は立てられないのは何もネット社会だからではないのだ。庶民は薄々というパターンだ。

 

2019年12月 2日 (月)

徒歩旅行

さまざまな移動手段がある中、あえて徒歩を選んだ場合に「徒歩旅行」と称されることになる。徒歩が当たり前だった時代にも経路によっては船という選択肢が存在した。ブラームスの時代はというと、飛行機と自動車だけは一般的でなかったが、船、馬車、自転車、鉄道は選択肢として十分な可能性があった。1853年以降ブラームスは立て続けにライン地方を訪れている。

  1. 1853年8月26日 単独
  2. 1854年8月10日 ユリウス・オットー・グリムと。
  3. 1855年7月15日 クララと。
  4. 1857年7月12日 クララの遺児のうち男の子、クララ、姉エリーゼと。
  5. 1868年9月4日  父と。

このうち1番2番3番が「徒歩旅行」だったと明言されている。

ライン地方は現在でもドイツを代表する観光地だ。そして何よも何よりもドイツを代表するワイン産地でもある。これらに言及する伝記の記述が具体的な地名を明記していないのは残念というほかは無い。もちろんブラームスご一行とワインの関わりについても言及されない。まだブレーク前のブラームスに高級ワイン三昧は難しいかもしれないが、真夏のこの地区に徒歩で足を踏み入れながらワインを口にしていないとなるとそのほうが余程不自然だ。

5番目は書物によっては「ラインガウ」と明記されている。1865年という最優良ヴィンテージのワインを賞味出来た可能性がある。ドイツレクイエム初演成功とハンガリア舞曲のブレークで少しは金回りが良くなっていたハズだ。

 

 

2019年10月 3日 (木)

時刻表どうなる

ラグビーのジャイアントキリングやらジェシーノーマンさんのニュースに紛れてとんでもない知らせが届いた。

英国の旅行会社トーマスクックが倒産したらしい。旅行の個人手配が普及したことが原因らしい。世界最古の旅行代理店ということで、しばしば話題にしてきた。旅先から帰国できない「旅行難民」の発生も報告されている。

がしかし、ブログ「ブラームスの辞書」としては、同社が刊行する欧州鉄道時刻表の行く末が気になる。

2019年6月18日 (火)

慧眼と迂闊

「けいがんとうかつ」と読む。「慧眼」は、先見の明があったり、着眼が優秀だったりすること。「迂闊」はうっかりだ。

先ごろ買い求めた小学館刊行の「バッハ作品全集」のオルガン自由曲の解説を読んで、「慧眼」と「迂闊」を同時に味わった。同解説書に20歳のバッハがアルンシュタットからリューベックまで400kmを歩いてブクステフーデを聴きに行ったことが書いてある。それは同時にオルガン行脚だったはずだと明記される。通過する街々の教会を訪ねて実際にオルガンに触れて鳴らしながらの旅だったと。言われてみてはっとした。昨年8月に15日かけてこのときのバッハの旅路をブログ上で再現した。あらかじめ地図上でコースを推定するときに参考にしたのが教会のマークだった。古くからあったに決まっているからというシンプルで素朴な発想だった。これは「慧眼」だろう。

ところが、そこまで着想出来ていながら、実はオルガン行脚だったことに思い至らなかったことは「迂闊」であった。予めコースを定め名高いオルガンのある教会を順に訪問するくらいの計画性があったと感じる。そしてそして、無料もしくは格安の料金で宿泊していた可能性も現実味を帯びる。

バッハとオルガンの関係が飲み込めていなかった証拠だ。

2018年12月 9日 (日)

四社参り

昨日、先般買い換えたばかりのマイカーの慣らし運転をかねて、母をドライブに連れ出した。行く先は信濃の国一之宮、諏訪大社。

同社は下記4社の集合体である。

  1. 下社春宮
  2. 下社秋宮
  3. 上社前宮
  4. 上社本宮

これを全て参詣することを「四社参り」という。何よりも家内安全を祈ってきた。

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下社春宮の威容。

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下社秋宮の手水は温泉になっている。

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上社前宮の手水は、せせらぎを引き込んだもの。

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四社参りコンプリートの記念に、品のよい巾着をいただいた。

日帰りで、一日の560kmくらい走った。帰りに少々の渋滞にはまったものの、快適だった。燃費が16.8km/Lとは心強い。

もちろんセバスチャンも同行した。

2018年11月26日 (月)

姫路訪問

11月22日から2泊3日で母を旅行に連れ出した。4月に末っ子が就職したので、子育て終了記念旅行である。私自身は夏のドイツ旅行で一区切りとしたが、最大の功労者である母のケジメが後回しになっていた。

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念願の姫路城を筆頭に盛りだくさんの3日間であった。母の表情を公開するわけにもいかないので、ドイツ帰国以降退屈していたセバスチャンをお供に連れて行った。およそ3か月前にはワルトブルク城にいたセバスチャンがご案内する。

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姫路城天守閣の最上階まで自力で登れるか心配したが、まったく問題はなかった。手すりにはつかまったが、景色には目もくれず自力であっという間に登り切って最上階の刑部神社で無事の登閣に感謝した。

降りながら景色を楽しんだ。むしろ下りの方が慎重で、時々手を貸した。

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セバスチャンはどうもこういうアングルが好きだ。

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ワルトブルク城に比べ木々の色付きが鮮やかだ。

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姫路城に隣接する好古園の紅葉が鮮やか。

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姫路城見学を終えてから、レンタカーを借り出して、長駆淡路島を目指す。夕暮れ時の明石海峡大橋だ。

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二日目は、これまた念願の和三盆。四国讃岐の三谷製糖。もう来れないからと言い訳しつつまとめ買い。

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鳴門海峡の渦潮を見入るセバスチャンと母。12時10分の干潮時刻にピタリと合わせた神業のスケジュールだ。加えて本日は大潮とあって海上の激流に目がくらんだ。

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淡路島に引き返して、淳仁天皇淡路三原陵を参拝。ここは私の趣味。奈良時代の政争の末こちらに配流されて亡くなった悲劇の天皇である。

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続いておのころ島神社。

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淡路島名物のお香を買い求める。

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こちらは伊弉諾神社。私の父方の祖父は淡路島出身だ。母にとっては義父。淡路島のどこなのか知らないけれど、こちら淡路国一の宮に詣でて、祖先参りとした。

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3日目はまたまた讃岐経由で、岡山を目指す。瀬戸大橋与島SAから、北備讃瀬戸大橋。

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岡山後楽園。

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岡山城。

長い間、渾身の子育て、ありがとう。これからもずっとありがとう。

2018年8月26日 (日)

ジャーマンレイルパス

欧州の旅行者にとってはありがたい鉄道チケット。今回はこれを初めて購入して、とことん使いつくした。1等使用で10日間435ユーロ。1ユーロ134円として58,290円。

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実績としておよそ2690kmを鉄道に乗車した。うち約1950kmがICEで残りが在来線だ。ただし、ハンブルクやライプチヒの市電や地下鉄は、この距離に含まれないから実質は2700kmに近づく。

2018年8月25日 (土)

プランマニア

一口に鉄道マニアと申しても、様々な形態に分類されることは周知の通りだ。「撮り鉄」「乗り鉄」「廃線」「時刻表」「ヘッドマーク」「音」「キップ」など。私自身は実は「プランマニア」だ。鉄道を使った旅行計画の設定が好きだ。今回はそういう意味ではうってつけだった。

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これが鉄道乗車のマスタープランだ。ドイツ滞在は9泊10日。ドイツ滞在10日間で鉄道に乗りまくる。ジャーマンレイルパス10日の有効期間内に使い倒すこともあって、周到に準備した。

2018年8月23日 (木)

旅のコラボ

バッハ生涯最長の旅をブログ上でトレースする記事群は、私自身の過去最長の旅の期間と重なっていた。私自身がドイツを楽しむ11日間とバッハ最長の旅の記事発信を合わせたということだ。

バッハの旅の目的地リューベックは私の旅の目的地でもあった。

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↑夕暮れの聖マリエン教会(リューベック)

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↑早朝のホルステン門(リューベック)

既成のツアーではなく、自分で設計した旅だから、いろいろと盛り込むことができた。旅の報告記事が、展開中のバロック特集となじむための措置である。

さて何から話そうか。

2018年8月21日 (火)

旅は半ば

若きバッハのリューベック訪問をブログ上たっぷり15日かけて再現した。希望に満ちた旅だったに違いない。バッハの生涯で最も長い行程であることは確実なのだが、忘れてはいけないことがある。

それは任地のアルンシュタットに戻らねばならないということだ。休暇を無断で延長しているから、帰路は心躍るという具合にはなるまい。

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    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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