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カテゴリー「533 指揮者」の31件の記事

2023年6月13日 (火)

バルビローリ

パズル交響曲の13人 」で取り上げた指揮者に順に言及してきた。今日の13番つまりブラームスの4番でラストだ。これもまた初めて買ったレコードの演奏だ。バルビローリ指揮ウィーンフィルだ。

いろいろ聞き比べが可能になった今も、やはりこれ。クライバーという強敵が現れはしたが、まだまだ魅力を失わない。

6月1日のシャイーに始まって本日が13日。つまり「パズル交響曲の13人」の通し番号の通りに1番は1日、2番は2日、以下同文で13番ブラームスの4番が13日という毎度毎度の小細工である。

2023年6月 9日 (金)

フリッチャイ

パズル交響曲の13人 」の選定を決めた瞬間に、「第九」はフリッチャイと決めていた。申し訳ないがそれは、フィナーレのバリトン独唱がディートリヒ・フィッシャーーディースカウだからである。しかしだフリチャイがベルリンフィルを振ったその演奏はただ者ではない。

莫大な量の録音を残したフィッシャー-ディースカウ先生ではあるのだが、第九はフリッチャイ盤だけだ。世に出るアシストをしてもらった恩義かもしれぬ。彼の膨大なレパートリーからしたら間違えても本流とは言えないながら、他のバリトンたちを圧倒する歌唱。何度聴いてもすぐ彼とわかる。

それにしてもフリチャイだ。セル、ショルティに続きまたハンガリーだ。多くは米国のオケを振って名を成したが、この人が振っているのは、ベルリンフィルだ。若くしてこの世を去ったせいか、ベートーヴェンは3,5,6,7,9番だけしか残っていない。彼がベルリンフィルを振っているために、パズル的にカラヤンも、ラトルも、クリュイタンスもフルトヴェングラーも圏外に追いやることになる。

フリッチャイとディースカウ先生のコラボなら致し方あるまいと自分に言い聞かせている。

2023年6月 4日 (日)

クーベリック

チェコの指揮者。いやはやすごいのは彼のベートーヴェンの交響曲全集だ。下記の通り9曲すべてオケが違う。

  • 1番 ロンドン交響楽団
  • 2番 アムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団
  • 3番 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
  • 4番 イスラエルフィルハーモニー管弦楽団
  • 5番 ボストン交響楽団
  • 6番 パリ管弦楽団
  • 7番 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • 8番 クリーヴランド管弦楽団
  • 9番 バイエルン放送交響楽団

彼はチェコ出身なのにチェコのオケがない。共産主義化を嫌って西側に亡命するなど多難な事情によるものと思われる。ブラームスの交響曲では4種類のオケを率いてはいないのが残念。

「パズル交響曲の13人」では4番で選出。イスラエルフィルの弦楽器が美しい気がするという理由だ。

2023年6月 3日 (土)

ショルティ

20歳成人に達した私に、父はベートーヴェンの交響曲全集のレコードを買ってくれた。ショルティ指揮シカゴ交響楽団だ。英雄交響曲の最初のレコードではなかったが、もっともたくさん聴いた演奏だ。だから「パズル交響曲の13人 」ではかなり順当に「3番はショルティ」と決まった。

彼がシカゴ交響楽団とセットなおかげで、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団の第九は、人生初の第九ながら落選となった。

ショルティをはずせない理由はもう一つ。ハネムーンで訪れたウィーンで彼らのマーラーの5番を生で聴いたからだ。そのライブ録音がCDで出ている。エンディングの拍手には私も参加していることになる。

 

2023年4月17日 (月)

日本不在

野球にしろサッカーにしろ、本場における日本人プレイヤーの活躍が目に付く。なのに私のCDコレクションには日本人指揮者はいない。日本のオケもない。不徳の致すところだ。中学でクラシックを聴き始めたとき、当初買い求めたレコードには日本人指揮者が日本のオケを振っているものがあったかもしれない。CD時代の到来で買い替えが起きた時に日本の指揮者を選ばなかったということだ。

ネットのない時代、情報は音楽雑誌や解説書などの書物一辺倒だった。そこで日本人指揮者の情報に多くの紙面が割かれることはなかった。それをありがたく鵜呑みにした中学高校時代だった。影響は今も続く。

2023年4月15日 (土)

ウィーンフィルの13人

我が家にあるCDで、ウィーンフィルを振ってベートーヴェンまたはブラームスの交響曲を演奏してくれている指揮者をお生まれの順に列挙する。

  1. ウィルヘルム・フルトヴェングラー 独
  2. エーリヒ・クライバー 墺
  3. カール・ベーム 墺 
  4. ジョン・バルビローリ 英
  5. ハンス・シュミット-イッセルシュテット 独
  6. セルジュ・チェリビダッケ 羅
  7. カルロ・マリア・ジュリーニ 伊
  8. ラファエル・クーベリック 捷
  9. レナード・バーンスタイン 米
  10. イシュトヴァン・ケルテス 洪
  11. カルロス・クライバー 独
  12. クラウディオ・アバド 伊
  13. サイモン・ラトル 英

ピタリ13人とは恐れ入った。「エッヘン」とばかりにどや顔したいところではあるのだが、これにはドラマがある。レコードとしてはカラヤンのブラ1を持っていた。我が家のコレクションがCDに代わったあと、買い戻していなかった。カラヤン抜きをしばし忘れるくらい馥郁たるメンバーだ。

国籍も8か国と多彩。

2023年4月12日 (水)

訳あり組

我が家のCDコレクションのうち、ブラームスの交響曲において、「なんでこの人」という第一印象の人が3名いる。その訳に触れておく。

<ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン>

オケはオランダ交響楽団でブラームスの全集を所有している。実は交響曲が目当てではなく、余白に収録された「オルガンのための11のコラール前奏曲op122」の管弦楽編曲版欲しさに入手した。

<ギュンター・ノイホルト>

バーデン国立歌劇場管弦楽団を振った第一交響曲のCD。同曲の初演が行わたカールスルーエの地元オケであることもさることながら、この初演の際に用いられたオリジナル版の生再現だ。同曲は初演後出版までに手が加えられており、第二楽章が切り詰められて、現在ではその改定後の楽譜が流布しているが、初演にもちいれたパート譜のうちいくつかに回収漏れがあり、それをもとに学者たちが全体の復元を試みた。復元されたオリジナルの第二楽章が聴ける貴重なCDである。

<トマス・ヘンゲルブロック>

オケはNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団。ハンブルク港にオープンした斬新なホールを本拠地に持つオケである。ここに収録された第四交響曲がちょっと貴重だ。第四交響曲の自筆譜では冒頭に数小節の序奏があり、本人の筆跡で罰点が付与されて削除されている。これを削除せずに音にした演奏が聴けるということだ。

2023年4月10日 (月)

ハンガリーの系譜

ベートーヴェンとブラームスの交響曲のCD、37名の指揮者のうち16名が独墺系だと述べたばかりだ。しからば残る21名の内訳を調べてみた。

  1. ハンガリー 6名 ライナー、セル、ショルティ、ドラティ、フリチャイ、ケルテス
  2. イタリア 4名 ジュリーニ、ムーティ、アバド、シャイー
  3. イギリス 4名 バルビローリ、ラトル、ガーディナー、ノリントン
  4. フランス 2名 ミュンシュ、クリュイタンス
  5. ポーランド 1名 ザンデルリンク
  6. チェコ 1名 クーベリック
  7. アメリカ 1名 バーンスタイン
  8. ルーマニア 1名 チェリビダッケ
  9. オランダ 1名 ズヴェーデン

独墺系の次はハンガリーだ。第一次大戦まで残存したハプスブルク帝国の領域において、非ドイツ語の最大勢力がハンガリーだったことと無関係ではあるまい。独墺にも遜色ないメンツ。オーストリアが4名であることを思えばすごい勢力だ。フリチャイ、ケルテスの夭折組を除く4名は米国で名声を高めたという共通点がある。同じハプスブルク系でもチェコは1名にとどまっているのと対照的だ。ドヴォルザークやスメタナのCDなら大活躍だが、ベートーヴェンとブラームスでは旗色が悪い。

フランスは「よく2名もいたものだ」という感覚、クリュイタンスはともかくミュンシュはブラームスの1番しかない。

2023年4月 9日 (日)

独墺系か

私のためにベートーヴェンかブラームスの交響曲をCDで演奏してくれる指揮者37名のうち、ドイツのお生まれは下記の12人。これが今はやりの13人にならないのは、私の信心不足だけれども、もちろん最大勢力。

  1. ブルーノ・ワルター
  2. カール・シューリヒト
  3. オットー・クレンペラー
  4. ウィルヘルム・フルヴトェングラー
  5. ハンス・シュッミット-イッセルシュテット
  6. ルドルフ・ケンペ
  7. ギュンター・ヴァント
  8. ヘルベルト・ブロムシュテット
  9. ミヒャエル・ギーレン
  10. カルロス・クライバー
  11. ギュンター・ノイホルト
  12. トマス・ヘンゲルブロック

オーストリアは下記4名。

  1. エーリヒ・クライバー
  2. カール・ベーム
  3. ヘルベルト・フォン・カラヤン
  4. オットマール・スイットナー

彼らはしばしば、独墺系と総称される。ドイツ語圏に近似しているイメージ。私としては本当に懐かしい。私のコレクション37名のうち16名が独墺系ということになる。カラヤン推し、ドイツ押しの父の影響も大きい。

2023年4月 8日 (土)

2人だけ特別

ベートーヴェンとブラームスの交響曲について、かなりな数のCDがあると書いたばかりだ。更新したマイカーでCDが再生できないことから、急遽常用USBの作成を思い立ち、家中のCDを再点検してわかったのは、ベートーヴェンとブラームスの異常さだ。他の作曲家では、多くても3種類くらいだ。

  • モーツアルト ベーム。
  • ドヴォルザークでは、ノイマンかアンチェル。
  • チャイコフスキー カラヤン
  • マーラー ショルティ
  • ブルックナー ベーム
  • シューベルト ベーム
  • シューマン カラヤン
  • メンデルスゾーン カラヤン
  • ベルリオーズ バーンスタイン
  • ショスタコーヴィッチ ムラヴィンスキー

「とりあえずカラヤン」、あるいは「とりあえずベーム」みたいな感じ。LP時代が去ってCDを買い直したときのチョイスがそのままという印象だ。ブラームスとベートーヴェンは別格だったと今更ながら実感した次第。

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