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カテゴリー「536 美術」の13件の記事

2016年6月20日 (月)

美術特集総集編

美術特集総集編。

  1. 2016年06月04日 音楽室の肖像画
  2. 2016年06月06日 メンツェル
  3. 2016年06月07日 絵の素養
  4. 2016年06月08日 ロランス
  5. 2016年06月09日 マックス・クリンガー
  6. 2016年06月10日 選曲のセンス
  7. 2016年06月12日 ミヒャレク
  8. 2016年06月15日 フォイエルバッハ
  9. 2016年06月16日 様式感
  10. 2016年06月17日 美術史
  11. 2016年06月18日 広重の死因
  12. 2016年06月19日 色彩豊か
  13. 2016年06月20日 本日のこの記事

2016年6月18日 (土)

広重の死因

東海道五十三次で名高い歌川広重は安政5年9月6日に没した。次女の誕生日かと色めき立ったが、これは陰暦であって新暦に直すと同年10月12日に相当する。

死因はと聞いて驚くコレラ。

2011年6月11日の記事「コレラパンデミック」で、ブラームスが15歳デビューの年にハンブルクでコレラの流行があったと書いた。この流行がユーラシア大陸を横切って日本に到達したのが1858年だと記しておいた。つまり広重は一連のコレラ禍終着点の日本で、そのコレラにかかって亡くなったということだ。

2016年6月17日 (金)

美術史

「音楽の歴史」といえば歴史的事項のうち音楽関連の記事を抜き出して列挙することで概観することが出来るには出来るが、それだけを見ていると事態を見誤ることもある。抽出もとの歴史を常に参照しながら考察をしないと時代の空気を読みそこなう。「作品史」「様式史」「演奏史」「受容史」などの総称でもある。

同様なことが美術にもあてはまるに決まっている。「美術史」だ。美術ネタを最近連ねていてつくづく感じる。私の「美術史」の知識は「音楽史」に比べて極端に薄い。というより「ゼロ」だ。もしかすると美術史について相応お知識を持ち、それを音楽史とマッチングすることで、音楽そのものへの理解がとりわけ深まるのではあるまいか。

さらに申せば「文学史」でも同様なのではないだろうか。

問題は私の理解力だけのような気がする。ブラームス本人は、文学や美術への興味を隠さなかったと複数の友人が証言している。記事確保の観点からも将来手をつける価値がありそうだ。

2016年6月16日 (木)

様式感

クラシック音楽に長く親しんでいるせいか、知らない作品を聴いていても何となく、作曲された時代がわかるときがある。楽器の起用法、和音の進行、伴奏の処理、声部の処理、主題法などからうっすらと想像が出来てしまう。これがおそらく様式感なのだと思う。おうおうにして時代と地域の関数だ。これがある程度判ってくると鑑賞の楽しみが広がる。

作曲家は過去の様式感を吸収しつつ、自らの様式を確立して行くが、個々の作曲家の個性の堆積が、時代の様式感を醸し出し、さらにまたそれが個人に跳ね返る。

時代の様式感と、個人の様式感の隔たりによって、「保守的」と呼ばれたり「進歩的」と呼ばれたりする。ブラームスの様式感は時代の様式感とは少々ズレていて、過去に寄っていたと思われる。だれも見たことが無い未来の様式感には寄り添いようが無いというのは内緒の方向で。

まあまあ美術にももちろん様式感はついて回るには違いないが、知識がゼロだ。

2016年6月15日 (水)

フォイエルバッハ

アンゼルム・フォイエルバッハAnselm Feuerbach(1829-1880)のことだ。ブラームスが「美術好きの音楽家」であるのと反対の「音楽好きの画家」である。

もともと若い頃から音楽に親しんでいた。モーツアルト、ハイドン、メンデルスゾーンがお気に入りだったという。ブラームスにとってもストライクゾーンである。だからという訳でもなかろうが、彼はブラームスと直接親交があった。

継母ヘンリエッテと連れだってバーデン・バーデンへ保養に出かけた。そこでクララ・シューマンと知り合ったことがキッカケで、ブラームスとの交流が始まった。ブラームスはフォイエルバッハの作品を愛し、実力が正当に評価されていないと嘆いた。ブラームスの遺品からフォイエルバッハの油彩画が見つかった程だ。

1880年フォイエルバッハはベネチアで客死する。ベネチアで客死するのはかのワーグナーと一緒である。

ブラームスは悲報に接してインスピレーションを得た。「ネーニエ」op82である。残された継母ヘンリエッテに献呈された。シラーのテキストに管弦楽の伴奏を付与した合唱作品だ。出来映えは極上の肌触りと申し上げておく。

2016年6月12日 (日)

ミヒャレク

ルートヴィッヒ・ミヒャレクという画家だ。晩年のブラームスのお友達らしいが、どうも人物像をつかめない。ミラー・ツー・アイヒホルツ邸での食事にブラームスと同席していたとホイベルガーが証言する程度だ。

死の床に横たわるブラームスのスケッチを残した。スケッチには1897年4月3日の日付が書かれているから、臨終の当日部屋に入ることを許されたと考えられる。それほどのお友達だ。他に最低2つはブラームスの肖像画が伝えられている。

「自室の窓辺にて」という作品がお気に入りだ。ピアノの前に立つブラームスの後方には、開け放たれてた窓。そこには堂々たるカール教会の威容が描かれている。ブラームスと言えば「カールスガッセ」だから、カール教会を取り入れた構図はとても自然である。

2016年6月10日 (金)

選曲のセンス

画家マックス・クリンガー(1857~1920)は、ブラームスの60歳の誕生祝いに版画集「ブラームス幻想」を贈った。ブラームス作品を自ら選び、それにふさわしい版画を楽譜とともに連ねたものだ。

  1. 古き恋 op72-1 ト短調
  2. あこがれ op14-8 ホ短調 
  3. 日曜日の朝 op49-1 ホ短調
  4. 野のさびしさ op86-2 ヘ長調
  5. 家もなく故郷もなく op94-5 ニ短調
  6. 運命の歌 op54 

選ばれたのは上記の通りだ。作品番番号の若い順でもないし、調性の選択にも規則性がない。この選曲はクリンガーのセンスそのものだ。尊敬するブラームスへの贈り物だ。行き当たりばったりの選曲であろうハズがない。6番目の「運命の歌」がメインになっているらしい。

贈られた側のブラームスは「これは目に見える音楽だ」と始まる長い礼状をしたため、改めてライプチヒにクリンガーを訪問した。

それでもブラームスはまだ足りぬとばかりに、クリンガーの父の死に際して、「4つの厳粛な歌」op121を献ずることになる。

2016年6月 9日 (木)

マックス・クリンガー

1857年にライプチヒで生まれたドイツの画家、版画家だ。没したのは1920年である。

「アモールとプシケ」という連作版画集をブラームスに献呈している。

早い話ブラームスのお友達だ。出版社のジムロックとも親交があったという。ジムロックはブラームスの歌曲作品96と97の出版にあたって、クリンガーの絵を表紙に据えようとした。始めは賛同していたブラームスだが、後に翻意した。ところがブラームスの翻意を知ってか知らずかジムロックは絵を表紙にして出版してしまった。ブラームスはこれにヘソを曲げたらしい。

クリンガーは、ブラームス60歳の誕生日に新たに作品を献じる。「ブラームス幻想」というタイトルだ。

今度はブラームスもいたく感激した。「私のいいたいことがそのまま絵になっている」と手放しの賞賛である。

そしてブラームスからは、夢のような返礼がある。最後の歌曲「4つの厳粛な歌」op121は、クリンガーに献呈されている。

2016年6月 8日 (水)

ロランス

ジャン・ジョセフ・ボナヴェンチューラ・ロランス。ロベルト・シューマンの知り合いの画家でおそらくフランス系。1853年秋デュッセルドルフに滞在していた彼は、ロベルトから依頼を受ける。ある人物をスケッチして欲しいと頼まれたのだ。

求めに応じて描かれたスケッチが今に伝えられている。

二十歳のブラームスだ。男か女かと言われれば男と即答出来るが、後年のいかついイメージとは雲泥の差。美少年である。美少年なら今も昔も少なからず存在したと思われるが、ブラームスは既にこのときop6までの作品を完成していた。シューマン夫妻が感動した第1ソナタは、この顔で弾かれたのだ。そのイメージの落差が夫妻の感動に一役買っていたと感じる。程なくエンデニヒに入院したシューマンは、このスケッチを届けさせたという。

学校の音楽室にこの肖像が飾られていたら、子供たちのイメージは変わると思う。

2016年6月 7日 (火)

絵の素養

ブラームスは音楽とともに芸術の一大領域を形成する絵画についても並々ならぬ洞察力を持っていたという話をする。

ブラームスのイタリア旅行の主たる目的の一つが、美術作品の鑑賞であったことはよく知られている。同行した友人たちの何人かが証言している。ブラームスはイタリアに赴く前に下調べをしたという一方で、解説書を鵜呑みにするのではなく、直感に頼ったとも言われている。パルミジャニーノへのご執心は既に言及した通りである。

もちろんブラームスの本業は音楽。作曲と演奏だ。絵の素養があると言っても創作の対象ではなく、もっぱら鑑賞だった。

さらにブラームスの伝記を注意深く読むと同時代の画家との交友関係も浮かび上がる。

  1. アドルフ・メンツェル (1815-1905) ミュールフェルトの演奏中のスケッチを贈る。クララとヨアヒムのデュエットのスケッチがある。
  2. ユリウス・アルガイヤー (1828-1900)「バラードとロマンス」op75を献呈。
  3. アンゼルム・フォイエルバッハ (1829-1880)没後その継母に「哀悼歌」op82を献呈。
  4. マックス・クリンガー (1857-1920) 60歳のブラームスに銅版画集「ブラームスファンタジー」を贈った。ブラームスは「4つの厳粛な歌」op121を献呈。
  5. ウィリー・フォン・ベッケラート 

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