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カテゴリー「531 住居」の5件の記事

2015年3月26日 (木)

ビスマルクの家

ビスマルクはドイツ帝国創設の功臣として、ドイツ国民から崇拝されたこともあって、その住居は名所化しているケースが多い。大抵は広大な敷地を持つ屋敷なのだが、中には小さな住まいもあった。

1832年から1年間ゲッティンゲン大学に在籍していた頃の下宿がある。これが現地ゲッティンゲンではビスマルクの家として名所化している。市街をグルリと取り囲む城壁跡の内側、南西の端にある。ゲッティンゲン中央駅からはほぼ南に800mほどの位置。

ドイツ語では「Bismarck Hauschen」(aはウムラウト)と綴られる。Hausの縮小形なので、小さな家の意味。出世前の学生にふさわしい。

1862年に宰相に就任してにわかにビスマルク熱が高まったために名所化したが、滞在当時は無名の存在だった。ブラームスがヨアヒムとともにゲッティンゲン大学に通った頃はもちろんアガーテと知り合ったころでさえ、まだ名所扱いはされていなかった。アガーテの自宅は、ヨアヒムから「城壁のそばの家」と証言されている。アガーテの自宅とビスマルクの下宿がご近所だった可能性が無いとは言えない。

2010年3月31日 (水)

所有か賃貸か

昨日の記事「別荘を持つ」では、ドヴォルザークが43歳の時、ヴィソカーに別荘を購入したと書いた。それ以降、夏には必ずヴィソカーで過ごすようになった。音楽家としての社会的な地位は上昇の一途をたどったが、米国スピルヴィルに滞在した1893年夏以外は全てヴィソカーに滞在したのだ。

ブラームスは気分で避暑地を変えるために、別荘の購入を控えたとも思えてくる。大枚はたいて買ってしまったら、毎年そこに行かざるを得なくなる。ドヴォルザーク以上の原稿料を稼ぐ上に、扶養家族もいないブラームスの懐は、ドヴォルザークよりずっと暖かかったに決まっているが、ブラームスは不動産の所有に踏み切っていない。

クララの夏の予定に合わせて、居場所を決めているうちに、時期を失したというのが真相かもしれない。

2010年3月10日 (水)

番地違い

音楽之友社刊行の「作曲家◎人と作品シリーズ」のドヴォルザークの68ページだ。ブラームスがジムロックに対してドヴォルザークを紹介する手紙を書いたとされている。このときブラームスはドヴォルザークの住所を「プラハ・ジトナー通り10番地」としている。厳密に申せば「十-ii番地」と書いてある。漢数字の「十」にハイフンが続き小文字の「i」が2つだ。

ところが、一部のドヴォルザーク関連本の中には、この住所を「ジトナー通り14番地」としている。どちらが本当だろう。数の上ではジトナー通り10番地としている記述が多い。

ドヴォルザークの関連書物どうしで、ドヴォルザークの住所が食い違っているのは気持ちが悪い。郵便物は「プラハ・ドヴォルザーク」で届きそうな気もするが気になる。

2008年12月25日 (木)

ウィーンの住まい

1862年に進出以来、1897年に没するまでブラームスの本拠地はウィーンだった。カールスガッセ4番地は有名だが、それ以前の住居を年代順に列挙する。

  1. 1862年9月 ノヴァラガッセ39番地。プラーター広場から歩いて10歩と言っている。
  2. 1863年3月 チェルニンガッセ7番地。
  3. 1867年春  ポストガッセ6番地。郵便局のソバだ。
  4. 1870年2月 ウンガーガッセ2番地 UngargasseかUngergasseかどちらなのだろう。音楽大学のソバという立地で前者だという気もする。
  5. 1871年12月 カールスガッセ4番地。

カールスガッセ4番地への転居は楽友協会の音楽監督受諾の時期と一致する。つまり職住近接だ。ということは1863年3月のチェルニンガッセへの転居はジンクアカデミーの近所ということが想像される。

年賀状を書く方は宛先違いのないように願います。

2006年11月10日 (金)

素朴な疑問

毎年この時期になると「もう年賀状の季節か」と思う。1年の早さを実感させられる。

だからという訳でもないのだが、素朴な疑問がある。

世界の郵便は今、スイス・ベルンに本部のある万国郵便連合のもと、出来るだけ均質なサービスが世界で提供されるよう便宜が図られている。日本が加盟したのは1877年だそうだ。西南戦争の年であり、私の愛用のヴィオラの作られた年だ。

日本では、宛先として記載した住所に、宛名に記載した人物が居住していない場合、発信人のところに返送される仕組みになっている。毎年何通かの年賀状が戻ってくる。この仕組みは世界共通なのだろうか?ウイーンのあるオーストリアではどうなっているのだろう。

もしも、オーストリアでも日本と同じ方式が採用されているとする。私が「ウイーン市カールスガッセ4番地ヨハネス・ブラームス様」ともちろんドイツ語または英語で記してハガキを差し出すと、「配送不能」のメッセージ付きで返送されるのだろうか?「ブラームスさんは現在そこには住んでいません」とでも書いてもらえるのだろうか?そのようにして戻されたハガキって何だかお宝度が高いと感じるのだがどうだろう。配達員のおじさん(おばさん)が、洒落の判る人で、楽友協会に回送したりするかもしれない。不在でしたというオーストリア郵便当局のスタンプ付きのハガキが戻ってくるのも相当風流だと感じている。

よい子は真似してはいけません。

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