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カテゴリー「577 ライプチヒ」の44件の記事

2024年5月18日 (土)

トマスカントル辞退

私のカンタータライフの中央に君臨するカール・リヒター先生の経歴を調べていて興味深いことを発見した。

ザクセン州で生まれた彼はやがて、ライプチヒで学ぶ。カール・シュトラウベやギュンター・ラミンというトマスカントルたちが師匠である。1956年、ギュンター・ラミンの死去に伴い、トマスカントルにと白羽の矢が立った。すでにミュンヘンに本拠を移していたせいかリヒターは、この申し出を断る。

どこかにそういう人がいた。

そう、ブラームスだ。ブラームスもまた1879年46歳のときに、トマスカントルへの就任要請を固辞している。

両者どちらか、あるいは両方がこれを受諾していたら、音楽史が少しは変わっただろうか。少なくとも私の音楽ライフには大きな影響があったはずだ。

 

 

2021年4月29日 (木)

四段鍵盤実例

  ライプチヒのニコライ教会の大オルガンの鍵盤の写真を実は現地で撮影していた。数えると4段ある。

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このオルガンの演奏を生で聴けた。開演前に何気なく撮った一枚。

 

 

2020年12月31日 (木)

トマスのクリスマス

ライプチヒ、トマス教会合唱団のクリスマスキャロル集のCDだ。

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バッハがカントルを務めたあのトマス教会ということでテンションが上がる。1982年ということはつまり、ドイツ統一前東ドイツ時代の収録だ。1曲だけカール・ズスケのヴァイオリンがさしはさまれる。指揮はハンス・ヨアヒム・ロチュ。当時のトマスカントルだ。惜しむらくは録音場所がトマス教会ではないことだ。

その埋め合わせかどうか最初と最後にトマス教会の鐘が置かれている。

除夜の鐘替わりに。

2019年8月 6日 (火)

驚きのコンサート

1835年8月6日だから、今から184年前の今日のことだ。

 

ライプチヒ聖トマス教会で、オルガン演奏会が開かれた。演目は下記の通り。

<第一部>

  • バッハ 前奏曲とフーガ 変ホ長調BWV552
  • バッハ コラール「装え、おお愛する魂よ」BWV654
  • バッハ 前奏曲とフーガ イ短調BWV543

<第二部>

  • バッハ パッサカリア ハ短調BWV582
  • バッハ パストラーレ ヘ長調BWV590
  • バッハ トッカータとフーガ ニ短調BWV565

堂々たるオールバッハプログラムだ。シューマンはこの演奏会の様子をクララに書き送っている。オルガニストはメンデルスゾーンである。メンデルスゾーンの発案によるバッハ記念碑建立のためのチャリティ―演奏会。この手のチャリティーコンサートが3度あったうちの初回だ。

これによって建てられたのが以下の記念碑だ。

 

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すぐそばにメンデルスゾーンの像もある。

ブラームスは2歳そこそこだった。

2019年1月20日 (日)

線路は続くよ

帰りたくない私とセバスチャンを乗せて列車はドンドン走る。

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ここは、ブラームスとアガーテが出会った街。もしブラームス探求の旅だったら絶対に下車するはずだ。申し訳ない。

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グリム兄弟のふるさと。

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ここまで来たら10分もかからぬ。大事をとって早い列車にしたというのにこういう時に限って定刻だ。

2018年11月 9日 (金)

旧東独

第二次世界大戦の終結からおよそ40年続いた分断ドイツのうちの東側の方。統一から30年が過ぎようとしている今も、東西の格差が話題になる。

今回のドイツ旅行9泊のうち、4泊が旧東独だった。ライプチヒ3泊、アイゼナハ1泊だ。かれこれ5日過ごした。まったくの偶然なのだが、これはバッハの活動範囲がほとんど旧東独に収まってしまうことと関係がある。

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今回の行程でいうと8月10日ニュルンベルクからライプチヒに向かうとき、19時ころエアフルトの南コブルク付近で旧東独域内に入り、8月14日13時頃リューネブルクの北ビュッヘン付近で抜けるまで、90時間くらい旧東独域内にいた。

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旅行者目線で申せば何不自由なかったと、セバスチャンが申している。

2018年10月15日 (月)

さらばライプチヒ

8月13日(月)のレポートに入る。いよいよライプチヒを後にする。これでライプチヒとお別れだ。バッハタウン・ライプチヒはもとより魅力的なのだが中央駅のたたずまいは一生忘れない。

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地図でさえ圧倒的な頭端式の極致だ。

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朝日差し込むライプチヒ中央駅。

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朝焼けのライプチヒ中央駅。

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6時48分発ウルム行きICEに乗る。

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一等車の様子。

2018年10月14日 (日)

カフェバウム

旧東独大ハイキングから無事ライプチヒに戻って、夕食をとった。ライプチヒ市庁舎が改装工事中ということもあり、次善策としてカフェバウムにいった。

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トルコから移入した当時をしのぶカフェで、バッハも立ち寄ったことがあるという。

迷路のような店内には簡単な展示もある。

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やかんに挽いた豆と水を入れて沸騰させるというトルコ風が売りだったらしい。

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見学を終えて店頭のテーブルに陣取った。

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まだこんなに明るいのだが、迷った挙句にビールを注文した。

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ライプチヒ近郊のピルス。創業1534年の老舗だ。ミュンヘンのヘレスほどではない甘みだが苦味は断固控えめ。ハイキングの疲れをいやした。

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おしゃれなグッズを勢いで購入した。上がエプロン、下がエコバッグだ。

2018年10月 3日 (水)

アウアーバッハケラー

ライプチヒ中心部のメドラーファサードの地下。1525年創業の老舗で森鴎外やゲーテも通ったという自家醸造のお店。オルガンコンサート2回戦のあと、満を持してしけこむにはぴったりの穴倉感であった。

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入り口にはファウストの場面から切り取った荘厳な像が飾られている。後ろの階段を回り込みながら地下に潜りこむ。

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重厚な内装。

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ただただ圧倒される迫力だ。

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自慢の自家醸造ケラービア⑧を所望。ゴールドが鮮やかなのだが、味わいもそれに劣らず華麗。遥か南のミュンヘンのヘレスに近い。甘みさえ感じられる。苦味はほんの添え物だ。瓶の表面に水滴がつかない。つまり冷えていないのだ。

鴎外やゲーテの逸話などなくてもビールの味わいだけで二重丸だ。

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憧れに憧れたライプチヒの夜が更けてゆく。

2018年10月 2日 (火)

オルガン演奏会②

8月11日17時ライプチヒ、ニコライ教会。

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演奏はこの人エヴァ・シャドさんという女流オルガニスト。ブレーマーハーフェンからの客演らしい。

内装がいたく気に入ったというニコライ教会でのコンサート。柱の上の装飾が見事などと言っている場合ではない。プログラムは以下の通り。

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フランクの作品が主でバッハが冒頭の1曲だったトマスでのコンサートが、やや退屈なのを、聴いたことが無い曲だからと自分を納得させていたことが、こちらでさっそく破綻する。こちらだってシューマン以下の作品は聴いたことがないのだが、とても楽しめた。聴いたことないから退屈というのではなかった。

バッハのオルガン作品中最高の有名曲で、何度も聴いたことがあるのに、今日の演奏は別格だった。はっとするほど遅いテンポで入り、フーガの所は対照的に弾まんばかり。ここはライプチヒだという脳内補正もあって、作品の再発見が出来た。

その原因の一つが、音響だ。トマスに比べて華やか。音一つ一つが明瞭だ。バッハゆかりのトマスというステイタスを取り除いて公平に比較するならこちらを取る。ブクステフーデの前奏曲、コラールに始まってバッハに連なる正攻法を堪能したのちに、シューマンを経て20世紀の作曲家に連なる巧妙な配置は、最後の2作が心から楽しめたことで、極上の余韻となった。

離れ難く席を立った。出口付近の一角でCDを一枚購入した。同教会オルガンで演奏されたバッハオルガン作品集だ。帰宅して聴くと当日の響きがきちんと再現されていてほっとした。よい買い物だ。

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