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カテゴリー「590 イタリア」の31件の記事

2016年10月17日 (月)

ローマ特集総集編

ブラームスが愛した歴史ネタでありながらドイツネタではないという悩ましい位置づけ。

  1. 2016年09月07日 ローマ
  2. 2016年09月08日 Limes
  3. 2016年09月09日 ライミーズ計画
  4. 2016年09月10日 戦線の節約
  5. 2016年09月11日 デトモルト近郊
  6. 2016年09月12日 アルミニウス
  7. 2016年09月13日 黄色
  8. 2016年09月14日 ライン初の架橋
  9. 2016年09月15日 ゲルマン人は長身か
  10. 2016年09月16日 属州
  11. 2016年09月17日 ゲルマニクス
  12. 2016年09月18日 オルトラーナ
  13. 2016年09月19日 Riccio Rosso
  14. 2016年09月20日 Insalata Russa
  15. 2016年09月21日 ステーキの焼き加減
  16. 2016年09月22日 国定公園
  17. 2016年09月23日 ホーエンシュタウフェン朝
  18. 2016年09月24日 皇帝列伝
  19. 2016年09月25日 アッティラ
  20. 2016年09月26日 エッツェル
  21. 2016年09月27日 風の眼
  22. 2016年09月29日 コハク
  23. 2016年09月30日 奴隷制度
  24. 2016年10月01日 旅は道連れ
  25. 2016年10月02日 ヴィッラ・アドリアーナ
  26. 2016年10月03日 モムゼンとの邂逅
  27. 2016年10月04日 アッピア街道
  28. 2016年10月05日 ガリバルディ
  29. 2016年10月06日 アルプスの南
  30. 2016年10月07日 イタリア音楽
  31. 2016年10月08日 サンマリーノ共和国
  32. 2016年10月09日 語彙の確認
  33. 2016年10月10日 マルトゥッチ
  34. 2016年10月11日 イタリア語の二面性
  35. 2016年10月13日 タクシス家
  36. 2016年10月14日 ドイツ史観
  37. 2016年10月15日 ローマ帝国衰亡史
  38. 2016年10月16日 イタリア交響曲
  39. 2016年10月17日 本日のこの記事

2016年10月15日 (土)

ローマ帝国衰亡史

英国の歴史家エドワード・ギボンの著作。全6巻で第一巻の刊行は1776年。今では日本語訳もある。ローマ研究のクラシックである。

これがブラームスの蔵書から見つかったという情報があれば完璧なのだが、そうも行かない。ブラームスのことだイタリア旅行の下調べの中で、独訳版を読んでいた可能性は高いと思うのだがいかがだろう。

ドイツ帝国創立の功臣モルトケは、1832年に出版社から依頼されて「ローマ帝国衰亡史」の独訳を引き受けたことがある。このときは全12巻物として企画されたが、9巻まで刊行したところで、出版社が企画を打ち切ったらしい。

2016年10月 9日 (日)

語彙の確認

作曲家たちは自作の楽譜上にイタリア語起源の音楽用語を書くとき、ネイティブのイタリア人にその単語のイタリア語本来の意味や用法を確認しているのだろうか。ほとんどこれは愚かな質問だ。そんなことはしていないだろう。

おそらくブラームスは、その初期の段階から音楽用語として定着したイタリア語をドイツ人教師から教えられたはずだ。イタリア語本来の意味や用法に言及されることなく、既にドイツで音楽用語として定着済みの意味を言い含められたハズだ。

ブラームス作品の楽譜上にはイタリア語然とした音楽用語が満ちあふれているが、イタリア語辞典で元の意味を調べることに過剰な期待をしない方がいい。鵜呑み厳禁の参考情報程度に捉えるべきだ。ブラームスのイタリア語力にはあまり期待してはいけない。イタリア語として正しい言い回しかどうかには無頓着だった可能性が高い。イタリア語本来の用法とのズレは、楽譜上での分布や用法の分析を通して推定するしかない。

「ブラームスの辞書」はそうしたズレの推定をする助けになりたいと思っている。

2016年10月 6日 (木)

アルプスの南

イタリアの異名。陽光まばゆいイタリアはしばしばドイツ人の憧れと表現される。ブラームスは友人をイタリア旅行に誘う手紙で、しばしば「アルプスの南に同行いただけませんか」などの表現をしている。「アルプスの南」は「イタリア」と同義である。

フランス人のみがニースからジェノヴァへの海岸沿いを進んでイタリア入りできるが、ブラームスには難しい。アルプス越えは必須だ。

ウィーンからイタリアに入るにはおそらくゼメリンク峠越えが現実的だ。イタリア滞在の後はそのまま夏の避暑地に向かうことが多いから、帰路は別のルートになる。トゥーンやバーデンバーデンに帰るならサンゴタール峠越えが効率的だし、イシュルに戻るならウディーネからまっすぐ北上し、プレッケン峠を越えて、オーストリア最高峰グロッスグロックネルの東麓をかすめつつ、ザルツブルクを目指すルートが考えられる。起点がヴェローナならブレンナー峠も悪くない。

2016年10月 5日 (水)

ガリバルディ

イタリア独立の立役者。1807年生まれで1882年に没したから、ほぼブラームスと同時代の人。イタリア人ならおよそ知らぬ者はいないという英雄。「1にキリスト、2にガリバルディ」という位置づけだ。

イタリア旅行中の一コマ。同行者ヴィトマンの証言によれば、大作曲家ブラームスとは知らぬパレルモのサンジョヴァンニ修道院のガイドがブラームスを「まるでガリバルディのようだ」と評したらしい。ガリバルディ没後10年も経たぬ時期だから、人々のの記憶に新しかったはず。おそらく「只者ではない」という意味で用いられたと思われる。

言われたブラームスは、歴史に詳しかったから喜んだものと思われる。

2016年10月 4日 (火)

アッピア街道

「街道の女王」とも言われる古代ローマの街道。紀元前4世紀に建設が始まった。ローマから南東に進みナポリをかすめてアドリア海側に渡り、ブランディシに至る。

現在もなお保存されている部分も多いどころか、実際に使用されている。

1890年、作家のヴィトマンが同行したイタリア旅行の際、ローマ近郊のアッピア街道を訪れている。ヴィトマンはこれを「疲労困憊徒歩旅行」と表現しているが、実際にどこからどこまで歩いたかは不明である。

歴史的予備知識無しに偶然観光ルートに採用するとも思えない。私が調べる程度の知識は事前に仕入れていたと考えるのが自然だ。

2016年10月 3日 (月)

モムゼンとの邂逅

テオドール・モムゼン(Theodor Mommsen1817-1903)は、ドイツの歴史学者。シュレスヴィヒ生まれ。とりわけローマ研究で名高い。著書「ローマ史」により1902年にはノーベル文学賞を受賞している。

ブラームスはモムゼンのことを知っていた。とりわけ高く評価していたと思われる。1887年のイタリア旅行中、列車の乗り継ぎの際、偶然モムゼンと鉢合わせしたというエピソードを、友人のヴィトマンが証言している。地元の土産物の販売人が、モムゼンにコインを売りつけようとした話を紹介している。

コインの研究はローマの歴史研究において無視し得ぬ領域を形成している。若い販売人に、コインに刻印された文字の意味を教えてやったという。周囲の人々がそれがモムゼンだと判って歓声を上げたことに、ブラームスがいたく感動したらしい。

ブラームスの歴史の知識がローマ旅行の肥やしになっていたことは確実だ。

2016年10月 2日 (日)

ヴィッラ・アドリアーナ

ローマの東およそ30km、ティヴォリという街にある世界遺産。ローマ14代皇帝ハドリアヌスの別荘。ティヴォリ一帯はローマのセレブたちの別荘地だった。

1888年ブラームスは友人のヴィトマンとのイタリア旅行の際、ヴィッラ・アドリアーナを訪れている。

素晴らしい偶然がある。別荘の主ハドリアヌス帝はローマ五賢帝の3番目に数えられる名君だが、彼の誕生日は西暦76年1月24日である。私が生まれる2037年前に生まれたことになる。

2016年10月 1日 (土)

旅は道連れ

唐突な話題。ブラームスの生涯8度のイタリア旅行は、ただの一度も一人旅をしていない。必ず同行者がいた。

  1. 1878年 テオドール・ビルロート、カール・ゴルトマルク
  2. 1881年 テオドール・ビルロート
  3. 1882年 テオドール・ビルロート
  4. 1884年 ルドルフ・フォン・デア・ライエン
  5. 1887年 フリッツ・ジムロック、テオドール・キルヒナー
  6. 1888年 ヨーゼフ・ヴィトマン
  7. 1890年 ヨーゼフ・ヴィトマン
  8. 1893年 ヨーゼフ・ヴィトマン

ビルロートとヴィトマンがそれぞれ3回帯同している。大抵の伝記には載っているのだが、漫然と読んでいると記憶には残らないので一覧にしておく。

2016年9月23日 (金)

ホーエンシュタウフェン朝

12世紀から13世紀にかけて神聖ローマ皇帝6名を輩出した家柄。もっとも名高いのはフリードリヒ1世、人呼んで「赤ひげ王」だ。第3回十字軍の総司令官でもある。

彼に限らず歴代の神聖ローマ皇帝はドイツ王でありながら、イタリアにこだわる。「神聖ローマ帝国の盟主」という自覚からか肩に力が入った人が多い。赤ひげ王は5回イタリア遠征を試みている。ローマ教皇との摩擦もさることながら、お膝元ドイツの経営がおろそかになるので、ロクなことは無い。

ホーエンシュタウフェン朝は、シチリア王国の経営には一応成功していたからましなほうだが、イタリア本土までもと色気を出すとうまく行かない。

1266年シチリア王コッラディーノ(コンラーディン)は、ローマ教皇さしまわしのシャルル・ダンジューに破れナポリで処刑される。ホーエンシュタウフェン朝はこれで途絶えるが、歴代の王はシチリア島パレルモの大聖堂に祀られることとなった。そしてドイツ史上異例の緊急事態である大空位時代が始まる。

ブラームスは1893年最後のイタリア旅行でシチリアを訪れた際、ホーエンシュタウフェン朝ゆかりのパレルモ大聖堂に参拝したと同行の友人ヴィトマンが証言している。ヴィトマンはブラームスのドイツ史への造詣に感嘆している。

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