長男のサッカーグッズ収集の話題。
4年前のドイツ旅行の際、ニュルンベルクでドイツブンデスリーガ1部、ニュルンベルク対バイエルンミュンヘンを観戦した。このときスタジアムのショップでニュルンベルクのタオルマフラーを購入したことから、長男のタオマフ収集癖が始まった。
今回のドイツ旅行はこの続きと位置付けていた。
ところがである。仕事の関係で渡欧は年末年始にならざるを得ない。お目当てのグッズショップが営業しているのかが不安のタネだった。案の定スパルタクプラハの本拠地、ジェネラリアレナのファンショップは休業だった。12月30日の午後だから文句も言えないのだが、店内で従業員がいそいそと棚卸をしているのを見て、無念の気持ちが高まった。
プラハ市内、市庁舎近くの土産物ショップでスパルタクプラハのタオマフがまずまずの価格で売られておりこれをホクホク顔で購入した長男はようやく落ち着きを取り戻した。プラハに来た目的はこれでほぼ達せられたからだ。
ところが、ドラマはその先にあった。プラハ城観光を終えてカレル橋に降りる坂道の途中、石壁の前にワゴンを繰り出して土産を売っているおじさんがいた。あれこれゴッタ煮の品ぞろえの中に、サッカーのタオマフが山積みされている。長男の血の気が引いた。
むさぼるように掘り出しすと、出るわ出るわ。プラハに本拠をおく4つのクラブに加え、ピルゼンのクラブを加えた5チームとチェコ代表のもの計6本、価格を聞く前に購入と決めた。6本で65ユーロ、日本円で8190円と聞いた長男が呑み込めずにいる。6本で8190円だから1本1400円を切る。日本で海外物のタオマフを買おうと思えば3500円くらいはとられるから、この価格は驚異だ。しかもだ。さして強豪でもないチェコのクラブのタオマフなんぞ日本では絶対に売られていない。
次は露店の主人が驚く番だ。長男が6本全部くれといったからだ。長男にしたら、あるだけ買うというテンションである。主人の顔に「マジかよ」と書いてある。そもそもチェコの平均的な労働者の月収は1000ユーロくらいだと聞いている。一日33ユーロだ。そのおよそ倍を一人の客が払うのだから、露店の親父からすれば「今日は店じまい」というノリになっても不思議ではない。やけに機嫌よくおまけを奮発してくれた。
長男からすれば、いいのがあればもっと買っていたはず。スペインの某有名クラブのタオマフもあったが、目もくれずにチェコのものだけを所望した。気のいい主人も長男も両方ハッピーのウインウイン関係だ。そもそもサッカーグッズはオフィシャルショップで買う限り、1つのクラブの分しか取り扱いが無いのが普通だ。5チーム分をそろえようと思ったら、ファンショップ5か所を訪問せねばならない。それが露店1箇所で全部そろったのは幸運を通り越している。
旅の醍醐味。
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