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独逸日記

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    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

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    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

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カテゴリー「633 演奏会」の17件の記事

2017年4月28日 (金)

予習三昧

この秋来日するファビオ・ビオンディの演奏会のチケットを入手した。プログラムは下記の通り。全てヴァイオリンとチェンバロの二重奏いわゆるヴァイオリンソナタである。こってりのイタリアだ。

  1. コレルリ 第9番イ長調 op5-9
  2. ヴィヴァルディ 変ロ長調 RV34
  3. ジェミニアーニ ニ短調 op4-8
  4. タルティーニ ト短調 op1-10 「捨てられたデイド」
  5. ヴェラチーニ ニ短調 op2-12 「シャコンヌ」
  6. ロカテッリ ニ短調 op6-12

このうち聴いたことがあるのは上記2番のヴィヴァルディのRV34だけだ。未聴作品をいきなりよりは事前に情報収集しておくほうがいいという性分なので、CDを探していた。このほどすべての音源が揃った。2.4.6が本人ビオンディのCDだ。1はオノフリ、3はモスカ、5は木村理恵となった。

タルティーニのト短調が「悪魔のトリル」でないのがおしゃれだ。

スペシャルコンサートまであと16日。

2013年5月18日 (土)

走馬灯

次女たち36代のスペシャルコンサートが終わった。親の私が達成感と脱力感。ヘロヘロの気持ちに鞭打って36代のこの1年をまとめた。

  1. スペシャルコンサート →こちら
  2. 駅コン →こちら と こちら
  3. 美術館コンサート →こちら
  4. 文化祭コンサート →こちら
  5. 福祉施設訪問 →こちら
  6. コンクール県予選 →こちら
  7. 全国大会リハーサル →こちら
  8. 全日音研 →こちら
  9. 全国大会 →こちら
  10. オーケストラフェスタ →こちら
  11. アンサンブルコンテスト →こちら
  12. ジョイントコンサート →こちら
  13. 合同定期演奏会 →こちら
  14. スペシャルコンサート →こちら

ただただ、感慨深い。東日本大震災のわずか1ヵ月後に始まった次女の高校オケ生活。ブラームスとは関係の無い記事ばかりなのに、アップしておいたおかげで、こうして懐かしく振り返ることが出来る。ちなみにその前、36代が1年生時の記録はこちらから。

本日は演奏会の記事だけをリンクしたが、その他次女の高校オケ生活に関わる全ての記事はカテゴリー「743高校オケ」で振り返ることが出来る。とっておきのドイツネタはこちら

もちろん、演奏会の記録だけを親の立場からトレースしただけでは、あまりにも表面的だ。その内側にある部活の実態は本当のところうかがい知ることは出来ないけれど、それくらいの距離感でちょうどいい。

世界一の高校オケ(当社調べ)に2年間密着した記録。

  •  
  • 2013年5月13日 (月)

    止めたい時間

    昨日、次女の高校オケの第20回スペシャルコンサートがあった。2年間夢中で登り続けた末のゴール。娘が高校オケに入るなどという極上の事態を味わいつくした2年間の集大成。頂上で見えた絶景に言葉を失った。私がブログで事前告知をしたからかどうかわからぬが、天気にも後押しされて、1475名収容の会場がほぼ満席になった。足をお運びいただいた全ての方々に御礼申し上げます。

    <第一部>

    • (1)マスカーニ作曲 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より前奏曲
    • (2)マスカーニ作曲 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲 
    • (3)プッチーニ作曲 歌劇「ラ・ボエーム」よりムゼッタのワルツ
    • (4)ハチャトゥリアン作曲 「仮面舞踏会」
    • (5)リスト作曲 交響詩「レ・プレリュード」
    • (6)ホルスト作曲 組曲「惑星」より火星 OGオーケストラ
    • (7)ホルスト作曲 組曲「惑星」より木星 OGオーケストラ

    <第二部>

    • (8)「八重の桜」
    • (9)ディズニープリンセスメドレー
    • (10)「レ・ミゼラブル」メドレー

    <第3部>

    • (11)ボロディン作曲 交響曲第2番

    <アンコール>

    • 卒業演奏
    • ラデツキー行進曲

    何と幸せな子どもたちなのだろう。子どもの幸せを願わぬ親はいない。乙女たちの幸せそうな姿をただただ、見つめた濃密な3時間。この若さでこういう音楽の世界に身をおけた幸せは、傍で見ていても明らか。「メンツ」「曲」「気合」音楽の3要素が全て高い水準で揃った彼女らだけのワールド。

    今回は第20回という節目のスペシャルコンサートということで、同校オーケストラ部創設にとりわけ深く関わった先生をお呼びして上記の(2)と(3)を指揮いただいた。レジェンドとも申すべき先生の指揮で、これまた同校オーケストラ部出身のソプラノ歌手のとの競演が実現した。過去の功労者への敬意はオケの土台を強化する。

    前半のヤマ何と申してもリスト「レプレリュード」。大人が勝手に思い描く限界の斜め上を行く出来。意欲とテクニックが高い水準でバランスした演奏だった。力任せでない丹念な音作りなのだが、はじけっぷりも半端ではない。何より感じるのはオケの推進力。メンバー全員が同じ星を見ている。一言で申せば「横綱相撲」。

    シリアスな作品でディズニー、大河ドラマ、レミゼラブルというポピュラーを挟み込むというプログラミングも練り上げられたものだ。どれも丹念に細部まで作りこまれた演奏。

    ラストには満を持すボロディン。彼女ら36代は震災の影響で部員が極端に少ない。当人たちの努力や能力以前のハンデを抱え続けた2年間だった。上の代と下の代に支えられ、そこをウィークポイントにしない決意で乗り越えてきた。第一楽章は、そうした乙女たちの気概に満ちた演奏だった。いったいどれだけの人が、そのハンデを感じただろう。

    4楽章が始まった時、「時間よ止まれ」と思った。娘らのオケ部現役が終わってしまうという思い。娘がこの中にいるというだけで満足で、娘がどうのという感慨はとっくに消し飛んでいた。みんな丸ごと真空パックにでもしたい感じ。言葉になんかならないのを無理やり文字にしている。どう単語を組み合わせても塗り残す。

    演奏後、引退する36代3年生全員を顧問指揮者がステージ上でねぎらう儀式、通称「ハグタイム」に突入。指揮者がメンバーをかき分けるように全員のそばに立ち寄り、あるものにはハグ、あるものには手を取って上に掲げる。3年生たちは涙、涙、涙。その間もちろん万雷の拍手なのだが、そこでサプライズ。かすかに音楽が流れてきたのだ。スピーカーを通じてなのかと思ったら3年生を取り巻くように配置していた37代2年生が、「メモリー」を生演してくれていたのだ。もちろん指揮無しで、泣きながら弾いてくれている2年生もいる。ブラボー100回分に匹敵する2年生の真心。これには言葉を失った。まさにこれが絵として絶景だった。何という暖かな光景だろう。このことを受容し、はっきりと感動の事実を伝えることが親の役目。

    親冥利、おめでとう36代。ありがとう37代。ようこそ38代。

    コメント募集

    この度娘たちは無事引退となりました。1475席実質満員というこれ以上望みようのない舞台となりました。ここに改めてお礼申し上げます。

    足をお運びいただいたみなさまはもちろん、日頃ブログを訪問してくださる方々のコメントをお待ちしています。

    演奏会についてのご感想の他、高校オケ関連のコメントをお寄せいただき、長く保存したいと考えています。

    是非お気軽に。

     

     

    2012年12月16日 (日)

    病院訪問

    昨日恒例の出張演奏会があった。大小合わせて年間20回くらい演奏を披露する機会がある次女たち高校オケだが、そのいくつかは福祉施設や病院への訪問演奏だ。後援会役員としてこれに同行してきた。

    1. ハチャトゥリアン 「仮面舞踏会」ワルツ
    2. 「聖しこの夜」
    3. アンダーソン 「シンコペーテッドクロック」
    4. アンダーソン 「そりすべり」
    5. 「ふるさと」
    6. 「ラデツキー行進曲」

    病院のエントランスホールでいつも通りの楽しいステージ。「金賞目指して一直線」というガチガチのコンクールも結構だが、彼女らの本質はむしろ本来こちらの癒し系だ。

    「聖しこの夜」の後にプレゼントタイム。生徒たちから参列者の皆様お一人ずつにクリスマスカードの贈呈があった。もらい手の方が多いので、生徒は一人複数枚を手作りした。我が家の次女は7枚製作したらしい。先般の期末テスト前の部活停止期間中に、色画用紙、色鉛筆、色セロハン総動員で工作に励んでいたのはこのためだった。「カード完璧テストグダグダ」の可能性は低くない。

    今日はこれから弓の毛替え。

    弦楽器にとって弓の毛は消耗品。馬のしっぽの毛だ。次女たちのオケは練習量が多いのですぐヘタってしまう。前回の交換は忘れもしない9月29日。楽器ショップに行くために慣れない駐車場に入れようとして、買ったばかりの車のバンパーを損傷してしまった。最近のクルマはカッコ優先で、フロントグリル一体型のバンパーだから目の玉が飛び出るような修理費がかかった。車両保険に入っていてこれほどありがたかったことはない。

    バンパーの修理費に比べればたいしたことはないのだが、毛替えはオケ入団後もう5回目だ。おおよそ4ヶ月に1回のペースだが、年末のオケフェスと、年明け早々のふくだもなのために少々早めだが思い切って張り替える。

    それから選挙。長男とうとう選挙デビューだ。

     

    2012年11月 8日 (木)

    鴎外のコンサートホール

    ブラームスと同時代だというだけで、鴎外ネタが今や大手を振っている。さらにエスカレートする。森鴎外の「独逸日記」に現れる演奏会場を一覧表にする。

    <ライプチヒ>

    1. Gewandhaus 直接の言及は無い。1885年3月11日の記事に「ザンクトパウリ唱歌会に行く」という記事がある。ザンクトパウリ唱歌会はライプチヒ大学男声合唱団のことで、同合唱団の練習場所が聖パウロ教会だったことからついた通称。演奏会場はゲヴェントハウスだったから、鴎外が招かれたのもゲンヴァントハウスである可能性が高い。およそ6年前1879年1月1日に同ホールでブラームスのヴァイオリン協奏曲が初演されている。
    2. Bayerisher Bahnhof ライプヒチのバイエルン方面駅。1885年6月10日に記述がある。いわゆる駅コンだ。
    3. Krystallpalast 水晶宮と記される。1885年7月19日および8月19日。
    4. Connservatrium der musik in Leipzig ライプチヒ滞在中の記述に散見される。市楽堂と標記されているからてっきりホールかと思っていたが、これがなんと後のライプチヒ音楽院のことだった。

    <ドレスデン>

    1. Gewerbehaus 1885年12月15日ここで演奏会を鑑賞。産業会館くらいの意味。
    2. Mainhold'ssaale 1886年2月15日。マインホルトホール。「マインホルト」は人名だ。

    <ミュンヘン>

    1. Colosseum 1886年10月13日。場所不明だが、シロフォンの演奏を聴いて感心しきり。
    2. Odeon 1886年10月26日。ミュンヘン府の楽堂だと書かれているが、換気の実験だとも書いてある。音楽を聴いたかどうかは不明。

    <カールスルーエ>

    1. Museumes Gesellschaft 聚珍会館と標記される1887年9月24日の記述。

    <ベルリン>

    1. Archtectenhaus 工家堂と表記されて1886年1月31日に現れる。建築会館くらいの意味だと思われる。

    かなりの回数音楽を聴きに行っているのだが、残念なことに曲目や作曲者への言及が全く抜けている。ブラームスが無かったとも有ったとも結論できない。演劇を鑑賞した際には、題名、作者、俳優の名前に言及しているのに対して音楽作品への興味が一段落ちていたことと推測される。

    2012年7月22日 (日)

    美術館にて

    昨日県立美術館で特別コンサート。昨年はここで初めてファリャを聞かせてもらった。

    1. カルメン組曲より「闘牛士」
    2. さんぽ
    3. マスカーニ歌劇「カヴァレリアルスティカーナ」より間奏曲
    4. ディズニーメドレー
    5. ボロディン 交響曲第2番より第4楽章
  • 楽しいステージ。「さんぽ」に乗せて繰り広げられた楽器紹介がすこぶる楽しかった。娘がセカンドのトップの位置にいるのがまだ不思議な感じ。ラストで聴かせてもらったボロディンが大切。娘たち36代が挑む難関。はるか先のようであっという間の来年5月のスペシャルコンサートにむけた長いアプローチの起点。意欲があちこちでぴちぴちと弾けていた。
  • 私たちの36代。

    2012年7月12日 (木)

    お盆のファンタジー9

    昨夜「今年の迎え火そろそろだね」と母と話していたら、玄関で物音。ブラームスが立っている。「迎え火もまだなのに」と言いかけた私を押しのけて、次女に向かって突進し、いきなり抱きしめた。ドン引き気味に立ちすくむ次女にお構いなしに頭を乱暴に掻きなでる。

    昨年のお盆は、地震商売の話ばかりだったので、次女が高校オケにはいった話をし損ねた。その次女は今年、オケの話をしたくて楽しみにしていたことは間違いないのだが、迎え火前の登場には意表をつかれた。

    5分は続いた手荒いハグのセレモニーの後、呆然とする次女にしみじみと話しかけた。「凄かったね、ニュルンベルクのコンサート」と切り出した。「おいでいただいたのですか」と次女。「もちろんだとも」「デュッセルドルフも聴いてたよ」とブラームス。「デュッセルドルフの聖ヨハネ教会は懐かしかったけど、演奏を聴いて驚いた」「だからとニュルンベルクにはなかなか出かけないのだが、大震災に遭った日本から乙女たちのオケが来ると知り合いをみな誘ったんだ」

    話がいきなり盛り上がったせいでゲストを忘れていた。後ろでモジモジしていた男をブラームスが紹介してくれた。ブラームスの親友ハンス・フォン・ビューローだ。「ニュルンベルクのコンサートで、こいつがあんまり感激したモンだから連れてきた」とブラームス。次女が握手をしながら「指揮もなさるのですか」と話しかけるとブラームスは腹を抱えて笑った。「ジョークのセンスもたいしたもんだ」とブラームスは誉めてくれたが、次女は何故笑われたかわかっていない。「すんません。後でよく説明しておきます」と平謝りの私。

    ところが当のビューローはにこりとも笑わずに「無闇に年齢を訊くのは日本でも失礼なのか?」と私に尋ねてきた。「もちろんですが」と答えたにもかかわらず「ニュルンベルクのコンサートの生徒たちはいったい何歳なのですか」と畳み掛けてきた。次女が「16歳か17歳です」と答えると、ブラームスの方に向き直って両手を広げて首をすくめる動作。次女に向き直ると「大震災の日本から元気をもらったよ」とビューロー。「ありがとうございます」と次女が緊張気味に答える。「私はセカンドヴァイオリンでした」というと今度はブラームスが「ああ、よく見えたよ」と割り込む。

    「演奏の出来はいかがでしたか」と度胸のついた次女が尋ねる。ブラームスとビューローは一瞬顔を見合わせて、ほぼ同時に「ブッルァ~ヴォ」とつぶやいた。やけに巻き舌を強調する言い方だった。「みんな立ち上がっていただろ」とブラームス。次女は「その様子が凄くて本当に感動しました」とポツリ。「ビューローも私ももちろん立ち上がったよ」ビューローは「演奏の水準もだが、スプリンクラーのあり得ない誤作動から、気迫が演奏に乗りうつっていたね」「尋常ならざる雰囲気の中、集中を切らさなかったのはたいしたものだ」「だから思わず年齢を聞いたんだ」とまくし立てる。

    「スプリンクラーの誤作動のとき、みんなどう感じていたの?」とブラームス。「演奏会が続けられるかとても不安でした。正直なところ足がすくんでいました」と神妙な次女。「世界中どこのオケだってスプリンクラーの誤作動なんぞ想定していない」とビューロー。「きょろきょろしないで、指揮者だけを見ているよう心がけました」と珍しく雄弁な次女の対応。「全く想定外のトラブルに対し、微動だにしない様子だけでも一見の価値がある」とブラームスがビューローを押しのけるように割り込む。「ありがとうございます。でも聴衆のみなさんの暖かい応援のおかげです」

    総立ちのスタンディングオベージョンでさえ滅多に起きることではない上に、それを浴びた少女たちはただ涙。涙する乙女たちと、総立ちの聴衆がじっと向かい合ったままの夢のような数十秒間。スプリンクラーのことなんぞみんな忘れていたよと、ビューローは興奮が収まらない様子。

    長いドイツの伝統で、聴衆には「感動したら立つ」というルーチンが出来上がっている。演奏家に対する最上の敬意。これがスタンディングオベージョンなのだが、あの日はもどかしかった。総立ちのスタンディングオベージョンを浴びてステージで涙する少女たちに、それ以上の敬意を示す手段が無かったからだ。あの演奏会がチャリティだったのが幸いだった。これはブラームスの熱弁。はっきり言わないがブラームスも募金に応じたようだ。それもかなりの額。

    「凄い練習量なのだろう?」とビューロー。「部活全体には初心者も多いので大変でした」と次女が答えると、2人とも「はぁあ?」という表情。楽器を始めて1年のメンバーが少なからず混じっているという説明にビューローはおよそ10cmのけぞった。ブラームスがビューローを押しのけながら「そもそも部活ってなんだ?」ともっともな質問。次女は丁寧に答えるのだが二人とも全く飲み込めていない様子。

    当日の録音は無いのかという話になったところで長女がビールを持って入ってきた。

    2012年6月12日 (火)

    弾きっぷり

    昨日の記事で次女たちの第36代がデビュウしたと書いた。今日はその続き。あんたの娘がセカンドトップデビュウだというのに、やけにおとなしいと思った人も多いと思う。今日のために一日とっておいた。

    一昨日の演奏会で次女がセカンドヴァイオリンのトップ奏者としてデビュウした。演奏の出来映えもさることながら、次女の弾く様子を食い入るように観察した。昨年1年間の演奏会では、演奏中の次女の位置を確認出来ない場合も多かったから、最初から最後まで次女の様子を確認したのは初めてのこと。

    驚いた。

    堂々たるもんだった。正直なところ驚いた。4月のニュルンベルク公演は、もちろん5月のスペシャルコンサートと比べても、まったく様子が違っていた。平たく言うと大きく見えた。

    3年生が引退するまでセカンドヴァイオリンの4プルト目表が定位置だった。それなりに真面目に練習に取り組んでいたことは知っていたが、一昨日の弾き方は別人だった。地位が人を作ると申しては自惚れが過ぎようが、そうとでも申さねばこの変わりっぷりを説明できない。雑踏の中でのコンサートでもあり、演奏全体の出来映えを云々するのは控えるが賢明だ。4月のドイツ公演や5月のスペコンと比べると、演奏の完成度という点では、ひよこ同然なだのが、私の驚きと喜びはドイツ公演に匹敵する。パーリーに就任すると内定した日から、35代に感情移入する私を尻目に、娘なりに先輩たちを観察し吸収し、自分の立ち位置を見詰め、気持ちを高めていたのだと一目でわかる。トップデビュウの緊張でおずおずと様子見がてらにお茶を濁す素振りとは全く逆。

    1. 表情 演奏中、自信にあふれているが、固くない。怖くない。時折笑み。曲間では終始リラックスの表情。
    2. 視線 うつろな瞬間がまったくない。8割以上はコンマスを注視し、残りを指揮者と楽譜が半々という感じ。楽譜見ていない。楽譜を見ているように感じたのは、実は楽譜ではなくて、楽譜越しにチェロやヴィオラのトップを見ていたかもしれない。
    3. 弓使い 自信ありげ。中途半端な瞬間がない。
    4. コミュニケーション コンマスや指揮者と常にコミュニケーションをとろうという意欲が姿勢に現れていた。
    5. いつもより若干速いテンポのラデツキーにも優雅に対応できていた。
    6. 曲と曲の間に、指揮者用の楽譜を整える役割を負っていた。粛々とてきぱきとこなしていて感心。

    4歳から私の趣味で半ば強引にヴァイオリンを習わされ、何度かやめたいと訴えてもやめさせてもらえず、中学のブラバンでトロンボーンを始めたときもヴァイオリンを中断しなかった。姉がやめたときも道連れを許されず、高校も私の薦めに従った結果なのだが、親としてそうした後ろめたさを、カラリと吹き飛ばす弾きっぷり。心から音楽をヴァイオリンを愛し仲間を信じ、残るオケ現役生活を極めようという火のような決意が、静かな立ち居振る舞いの中に感じられた。一昨日の夜は思わずケーキを買い求めてお祝いした。

    実は実は・・・・・。

    私が娘に感じたような驚くべき変化が、オケ全体あちらこちらのパートで起こっていたということなのだ。でなければカバレリアルスティカーナの音色が説明できまい。

    2012年6月11日 (月)

    36代デビュウ

    県民の日恒例の駅前コンサートで次女たち36代がコンサートデビュウを果たした。思えば昨年は震災で途方にくれたあの場所だったと感慨にふけった

    プログラムは以下の通り。14時からと15時からの2回の公演。

    1. ビゼー:歌劇「カルメン」から「闘牛士」
    2. 篤姫のテーマ
    3. 江のテーマ
    4. マスカーニ:歌劇「カヴァレリアルスティカーナ」より「間奏曲」
    5. レハール:メリーウィドウより「ワルツ」
    6. ファリャ:バレエ組曲「三角帽子」より「粉屋の踊り」
    7. ふるさと

    アンコールにラデツキー行進曲だ。

    先般のスペシャルコンサートで35代の3年生が引退し、新たに1年生を加えた新メンバーの旅立ち。5番目のメリーウィドウワルツ以外は全て昨年にもやった曲。特に「粉屋の踊り」は、ドイツニュルンベルク公演で、スプリンクラーが誤作動を起こした瞬間に演奏していた曲だ。3年生47名が大挙して去った後、どうなることかと思ったが、何とかなった。

    驚いたのは間奏曲。OGのソプラノ歌手が駆けつけての歌入りバージョンなのだが、伴奏に回った弦の音色が、元のまま。そりゃあ雑踏の中での演奏だからディテールは聞き取りにくいのだが、音の向かう方向は先輩たちからの流れを受け継いでいた。これが伝統というものかと唸った。

    娘の部活を満喫する親としては、今日この日の出来映えが基準になる。ここから11ヵ月後のスペシャルコンサートまでに生じる技と心の成長振りが最大の楽しみ。

    2012年5月13日 (日)

    誇り高き5月

    昨日次女二回目のスペシャルコンサートがあった。第7回ドイツ公演記念演奏会と題されたプログラムは以下の通り。現役部員たちは全てドイツで演奏したレパートリーから。

    <第一部>

    1. 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
    2. オルガン独奏 「主イエス・キリストよ我ら汝に感謝し奉る」BWV623
    3. オルガン独奏 「神よ我らを助けたまえ」BWV624
    4. ショスタコーヴィチ交響曲第5番より第4楽章
    5. ビゼー「アルルの女」より前奏曲~卒業生による演奏
    6. ビゼー「アルルの女」よりカリヨン~卒業生による演奏
    7. ビゼー「アルルの女」よりファランドール~卒業生による演奏

    <第二部>

    1. 「OKINAWA」
    2. 「Omens of Love」
    3. 歌劇「カヴァレリアルスティカーナ」より間奏曲
    4. ファリャ:バレエ組曲「三角帽子」

    <アンコール>

    1. 引退演奏 芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」より 3年生のみ。
    2. ラデツキー行進曲

    Jリーグの試合のマッチレポートでもあるまいし、ここで1曲1曲の出来を論じたところで熱気の10分の1も伝えられないが、次女とのやりとりからいくつか。

    5月4日の合同定期演奏会の後、ファリャ「三角帽子」の出来について次女を誉めた。あのスプリンクラー以降、本当によくなったねと。珍しく嬉しそうに話に食いついてきた。「第2曲粉屋の女房の踊りのリズムが変わったでしょ」と自慢げ。4分の3拍子の3拍目をためるようにしたらしい。3拍目を2つに割る8分音符のアクセントをう~んと強調するようにしたという。スペイン舞曲「ファンタンゴ」の気分を出すための措置だそうだ。前からやっていたつもりだけど、ドイツの録音を聴いてもっと強調しようと決まったようだ。その通りのリズム感が出せていた。

    「昨年7月の美術館コンサートに比べると別人だよね」と私。「あ~はいはい」と当然とでも言いたげな次女。「そりゃあ、あの頃は全然弾けずにごまかしてたからね」と珍しくどや顔。「つーことは今は弾けてるっていうこと?」と意地悪い質問を投げると「うん」という低い声の返事が間をおかずに返ってきた。実際昨年夏にはトップと弓が逆なシーンが多くて見ててハラハラしてたのだが、昨日はもう当然のように弾きこなしていた。

    「どうだ?去年のスペシャルコンサートと違うだろ」と訊くと、身を乗り出しつつ「そうだよね」と次女。去年は4月に入部して1ヶ月、それまでの流れを何も知らぬままスペシャルコンサートに割り込んだ形。先輩方の演奏を凄いなとは思ったけれど、当時の3年生と2年生の積み重ねの厚みをまったく実感できていなかったと感慨深げ。今年はまったく違う。部活生活の最後に鎮座する「スペコン」の意味が呑み込めているから、達成感が違うという。

    本当によくがんばった。念のために申せば高校生のヴァイオリン奏者にとって易しくない。とりわけファリャ「三角帽子」は、異質なリズムの急速な交代、めまぐるしい曲想の変化。おいしい旋律があっても、単一のパートがそれをじっくりという場面が少ない。骨太の旋律をゆったりたっぷりというブラームスとは対照的だ。加えて手書き風パート譜の見にくさは、譜読みの障害になる。そうした中セカンドヴァイオリンはヴィオラと結託してオケをがっちり下支えしたかと思うと、ファーストヴァイオリンにピッタリと寄り添ってオクターブ下を支える。とりわけ3曲目「ぶどう」と4曲目「近所の人々の踊り」は厄介だ。8分の6と4分の3の錯綜せめぎ合いをこれでもかこれでもかと強調する。それらを要所にのみ配置してスパイスとするブラームスの対極にある。こうした乱高下、てんやわんや、とりわけ厄介なトリルの連続がセカンドヴァイオリンに集約される。演奏にあたって求められる「注意力」「集中力」に限ればファーストヴァイオリンをしのぐと感じる。以前はそれらのハードルの高さへの意識がしばしば演奏に現れていたが、ドイツ以降すっかり影を潜めた感じ。理不尽もろともすべて呑み込んでしまったかのようだ。

    カヴァレリアルスティカーナ「間奏曲」を終え、開演から2時間経過した後に、満を持して「三角帽子」を放つという豪胆なプログラム。それを喝采に結びつける渾身の演奏だった。

    万雷の拍手。指揮をした顧問の先生からのハグのねぎらい。仲間との涙のハイタッチ。そして涙にくれる親たち。

    誇り高き5月。

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    フォト

    ブラームスの辞書写真集

    • Img_0012
      はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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