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カテゴリー「579 フランクフルト」の8件の記事

2014年5月17日 (土)

路面電車

ドイツ語では「Strassenbahn」か「Stadtbahn」と綴る。スペリングから判断する限り電化されていることが条件ではないようだ。ブラームスの故郷ハンブルクには市電は無いが、ドイツはあちこちの街に市電が発達している。ブラームスが乗ったことありそうな市電ベスト10を選定する。

  1. ウィーン 1865年開業の馬車鉄道が起原。電化は1897年だからおそらくブラームスは間に合っていない。馬車鉄道になら乗っていた。
  2. フランクフルト 1872年開業。晩年のクララを訪ねて盛んに訪問しているから乗っていたかもしれない。
  3. ライプチヒ 1872年開業。ピアノ協奏曲第1番で煮え湯を飲んだが、ヴァイオリン協奏曲初演のころから雪解け。しばしば立ち寄ったからきっと乗っている。
  4. ベルリン 1865年開業。ブラームスのベルリン嫌いは知られているが、ジムロックやヨアヒムが住んでいたからやはり何かのついでに乗っていたかもしれない。
  5. デュッセルドルフ 1876年開業。シューマン家に住んでいたころにはまだ未開通だったことがネック。演奏会でしばしば訪れていたからそのついでに乗ったかも。
  6. プラハ 1875年開業。ドヴォルザークに会いに出かけたついでに乗っていたような気がする。
  7. ドレスデン 1872年開業。ザクセンの首都だからしばしば演奏会で立ち寄った。ふとしたはずみで乗っていたかもしれない。
  8. ケルン 1877年開業。二重協奏曲初演の頃には開通していた。
  9. ボン 1892年開業。開業が遅いのがネックだが、いきなり電車だった可能性もある。
  10. ミラノ 1881年開業。イタリア旅行の際乗っていたかも。

1894年開業のグムンデンは軌道幅1000mmの珍しさが売りだが、少々遅い。上記3と7は愛好家にはお宝。ライプチヒの軌道幅1458mmとドレスデンの1450mmは、世界中でここだけの超レア軌道幅だ。その他はみな標準軌なのでつまらない。

2013年12月14日 (土)

レーマーピルス

「Romerpils」(oはウムラウト)だ。フランクフルトのビンディング社のブランド名なのだが、スペリングから判断した直感では「ローマのピルス」に見える。「ピルス」は淡色ラガーで全欧州を席捲したチェコの街ピルゼンに由来するビールのスタイルだから、「ローマ人のピルゼン」とでもなるのだろうが少々異質。

ところが思わぬところから解決のヒントがもたらされた。「Romer」というのはフランクフルト市庁舎の愛称らしい。「レーマーピルス」は「フランクフルトのピルス」程度の意味になる。どうなることかと思った。

フランクフルトはクララが晩年を過ごした街だから、ブラームスもしばしば訪れている。しっかり者のマリエは、ブラームスを「レーマーピルス」でもてなした可能性無しとしない。

2013年2月14日 (木)

赤マイン白マイン

タイトルをもう一度よくご覧いただく。「ワイン」ではなく「マイン」である。「Main」と綴る川がある。クララ・シューマンの最期の地フランクフルトは、このマイン川に面している。だから正式には「Frankfurt am Main」という。ベルリンの東ポーランドとの国境にあるフランクフルトと区別するためだ。

さてそのマイン川をずっとさかのぼって行く。バンベルクを過ぎておよそ50kmのあたりで2つに分岐する。そこから南に続くのが「Rottermain」で、東に続くのが「Weissmain」だ。つまり「赤マイン」と「白マイン」である。

これが何を意味するのかは今後調べねばならない。記事「白い川」で述べたとおり。「白」が「塩分の析出」だとするなら「白マイン」の流域には製塩地が存在する可能性がある。

このあと赤白に分かれたマインはどちらも30kmほど先に源泉がある。白マインの源泉は「Weissmainquelle」、赤マインは「Rotermainursprung」という地名になっている。

「quelle」も「ursprung」も源泉という意味だ。

2013年1月 9日 (水)

フランクフルト

地名語尾「furt」は、「人が歩いて渡れるほどの浅瀬」という意味だ。「渡し場」というと少しニュアンスがズレる。「渡し舟」を想像すると原義からはずれてしまう。

グリム兄弟の著した「ドイツ伝説集」下巻455番に、フランクフルトの起源が書いてあった。

西暦793年、ザクセン族との戦いに敗れて退却するフランク族カール大帝が、マイン川まで逃げてきた。何とか対岸に渡りたいと、徒歩で渡れる場所を探していると一頭の雌鹿が現れ、一行を案内したおかげで無事にマイン川を越えて帰還することが出来た。この時以来その場所が「フランクフルト」と呼ばれたという。

フランクフルトの正式名称は「Frankfurt am Main」だ。「マイン沿岸のフランクフルト」とでも解される。大事なことは渡河の方向だ。フランクフルトがマイン川の北岸である以上、ここから南に向けて川を渡ったと推定できる。川を渡ることが無事の帰還を意味するということは、マインの南側にカール大帝の戻るべき本拠地があったということに他ならない。

フランクフルトでマイン川を渡った後に西進し、ライン川を渡ると、王宮のあったインゲルハイムに到達出来るが、ライン川をどうやって渡るのかの方が心配になる。

2011年7月18日 (月)

ブラームスゆかりの街

ブラームスの伝記に深く親しんでいると、ブラームスと特に関係の深い街があるとわかる。ブログ「ブラームスの辞書」ではこのほど以下の通り「ブラームスゆかりの街30選」を選定した。

  1. ハンブルク ★★★★★ ブラームスの故郷。1862年29歳でウィーンに出るまでこの街で過ごした。名誉市民でもある。
  2. ウィーン ★★★★★ 1862年から1897年に没するまで35年過ごした。1年のうち4ヶ月は避暑のためにウィーンを離れるものの蜜月関係は疑えず、中央墓地に埋葬されている。
  3. デュッセルドルフ ★★★★☆ 1853年二十歳のブラームスがシューマン邸を訪問して音楽史が変わった。シューマン投身の報を聞いてブラームスが馳せ参じた街。
  4. イシュル ★★★★☆ 避暑地として最多の滞在。楽壇の重鎮はここでも人気者。
  5. フランクフルト ★★★★クララシューマン臨終の地。クララの家で最後の対面が実現した。
  6. バーデンバーデン ★★★★ クララの別荘があった。1862年から10年間ほぼ毎年訪れた。イシュルと双璧をなすお気に入り。
  7. ブレーメン ★★★★ ドイツレクイエム初演の地。
  8. ペルチャッハ ★★★★ 第2交響曲作曲など一連傑作群を生んだ。
  9. ゲッティンゲン ★★★☆ ヨアヒムと学びアガーテと出会う。
  10. デトモルト ★★★☆ クララの斡旋によるはじめて就職した宮廷。
  11. マイニンゲン ★★★ 第4交響曲初演。宮廷楽壇の機能を丸ごと貸与したビューローの功績とともに。
  12. ボン ★★★ シューマン夫妻埋葬の地。エンデニヒにも近い。
  13. カールスルーエ ★★★ 第一交響曲初演。「宮廷劇場」
  14. ライプチヒ ★★★ ピアノ協奏曲第1番不評。クララの父にも会っている。
  15. カルロヴィヴァリ ★★☆ 肝臓の治療に訪れた。
  16. ブレスラウ ★★☆ ブレスラウ大学より名誉博士号受諾。
  17. ミュルツツーシュラーク ★★☆ 第4交響曲作曲。火災の救援に参加。
  18. トゥーン ★☆3度の夏を過ごしたスイスの保養地。
  19. ヴィースバーデン ★☆第3交響曲作曲の地。
  20. ザスニッツ ★☆ 第1交響曲作曲の地。 
  21. プレスバウム ★ ピアノ協奏曲第2番作曲の地。
  22. トゥツィング ★弦楽四重奏曲第1番2番作曲の地。
  23. ブダペスト ★ マーラーのドンジョヴァンニを聴いた。
  24. ハノーファー ★ シューマン投身の報をココで受ける。
  25. リューデスハイム ★ベッケラートの家がある。
  26. ケルン ☆ ダブルコンチェルト初演。
  27. グムンデン ☆ 初のブラームス博物館。
  28. ベルヒテスガーデン ☆ 大学祝典序曲ピアノ版初演。相手はクララ。
  29. リシュリコン ☆ 第一交響曲を作曲。
  30. ワイマール ☆ リストの前で居眠りしたという。 

2011年6月11日 (土)

ハフラバ

日本における、高速道路や鉄道のネーミングについて考える。東名高速、名神高速、京葉道路、関越道などの高速道路。あるいは総武線、京成電鉄、京葉線、予讃線などの鉄道もだ。これらは起点と終点の地名から一文字ずつ取ってきてつなげた造語である。

ドイツにも似たようなケースがあった。それが「ハフラバ」だ。ドイツ語では「HaFraBa」と綴る。「ハンブルク」「フランクフルト」「バーゼル」の頭文字を順に繋げたものだ。これらの都市を結ぶとドイツを南北に縦断する線になる。1920年代には、これらを高速道路で繋ぐための財団が組織された。これがアウトバーンの始まりとなった。現在のアウトバーン7号線の北半分と5号線に相当し、ハフラバと呼ばれている。

2008年11月18日 (火)

乗り過ごし

クララの訃報を受け取ったブラームスが取るものとりあえずフランクフルトに駆けつける際、不手際があって大幅に遅れたエピソードが大抵の伝記に載っている。例によって音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第2巻176ページに詳しい言及がある。ホイベルガーの証言だ。

せっかく詳しい地図帳を買ったのでこのときの手違いを地図上で追いかけてみる。

ブラームスはウィーンから回送されてきた電報をクララの死の2日後5月22日にイシュルで受けた。そしてその日に出発したとある。出発に際して翌朝つまり5月23日午前4時にフランクフルト着という見込みを打電している。

ブラームスがいたイシュルから見て目的地フランクフルトはほぼ北西である。イシュルからザルツブルクに向かえばよさそうだが、ここには鉄道が引かれていない。北東30kmにあるグムンデンに向かわざるを得ない。トラウン湖畔のグムンデンからまたさらに北東に進む。約30kmだ。ここで間違いが起きた。ヴェルスという駅で乗り換えねばならないところ、車掌が起こすのを忘れてリンツまで乗り過ごしたのだという。

なるほどヴェルスという駅で北西に向かう鉄路が交差している。ヴェルスで乗り換えに成功していればそこからパッサウPassuへと向かうことが出来た。やむなく23日午前3時まで待ってリンツからヴェルスまで引き返しパッサウPassuへ向かったと思われる。この時点で打電しておいた到着予定時刻は60分後に迫っている。

パッサウからはドナウ川沿いに走ってレーゲンスブルクRegensburgに向かう。ここでドナウの流れとは分かれるが、ニュルンベルクNurnberg→ヴュルツブルグWurzburg→フランクフルトという具合に辿ればほぼ一直線だ。これでフランクフルト着が23日夜の11時。19時間遅れだ。さらにそこで買った新聞によってクララの遺骸が既にボンへ回送されたと知り、そこで下車せずにマインツ、コブレンツを経てライン川沿いを北上したと思われる。ボン着は翌24日朝の5時であったという。ほぼ丸1日のロスである。

また、ホイベルガーの証言では仕方なく鈍行列車に乗ったことが仄めかされる。これは鈍行の他に優等列車が走っていることを暗示する。ウィーン-フランクフルト間は現在特急が運転されている。ブラームスはヴェルスで何らかの優等列車に乗り換えるつもりだったのだと推定出来る。

ドイツの鉄道事情に疎い上に、現在の鉄道路線に基づいて推測を重ねたから実態とは違うかもしれないが、地図の上で辿ることで憔悴したブラームスの旅路をよりリアルに感じることが出来た。イシュル-ボン間は約750kmの行程だ。新幹線やICEなどの高速鉄道の無い時代一昼夜というのは現実的な値だ。

2008年11月 5日 (水)

ブラームスシュトラーセ

ブラームス通りと訳せばいいのだと思う。これだけの人気作曲家だから、世界的に見れば相当たくさんあるのだと思う。

このうちの一つにフランクフルトのブラームスシュトラーセがある。街の北寄りにあるフランクフルト・ドイツ国立図書館の南東約400mに聖マリエン教会がある。教会の北側から環状道路に向かって伸びる200m程の通りがブラームスシュトラーセだ。このブラームスシュトラーセはその北端でリヒャルト・ワーグナーシュトラーセとぶつかっているのだ。出会い頭の衝突事故が多発しそうな感じがしてしまう。

そのつもりで周辺に目をやると、ヘンデルシュトラーセやグルックシュトラーセも見つかって退屈しない。

そうかと思うと、フランクフルト中央駅から北北西1.4kmのあたりにベートーヴェン広場があって、その周囲にベートーヴェンシュトラーセ、シューベルトシュトラーセ、メンデルスゾーンシュトラーセ、シューマンシュトラーセが密集している。

実際に訪ねてみたい。

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