東京春音楽祭2023
まだまだ花見客も多い上野のお山に行ってきた。4月5日にコロナのせいで2019年以来遠ざかってきた東京春音楽祭2023を堪能した。
プログラムはブラームスの弦楽五重奏曲第2番とピアノ四重奏曲第2番。川本先生とそのお仲間の演奏。
アンコールにピアノ四重奏曲第1番のフィナーレというサービスもあった。
ひさびさの生ブラームス。
まだまだ花見客も多い上野のお山に行ってきた。4月5日にコロナのせいで2019年以来遠ざかってきた東京春音楽祭2023を堪能した。
プログラムはブラームスの弦楽五重奏曲第2番とピアノ四重奏曲第2番。川本先生とそのお仲間の演奏。
アンコールにピアノ四重奏曲第1番のフィナーレというサービスもあった。
ひさびさの生ブラームス。
1849年4月14日。15歳のブラームスは故郷ハンブルクでピアノリサイタルを開いた。好意的な批評が新聞に残されている。このときのメインプログラムがベートーヴェンのピアノソナタ第21番ハ長調op53「ワルトシュタイン」だった。ブラームスの伝記に初めて現れるベートーヴェンの痕跡だ。15歳でこの曲を弾くことがどれほどすごいのか実感は持てていないが、古典への敬意だけは伝わってくる。
どんな演奏だったのだろう。
一昨日、ブラームスのヴィオラソナタを聞いてきた。ヴィオラは川本嘉子先生、ピアノは小山実稚恵先生。演目、演奏者とも年内最後の演奏会として万全。ヴィオラソナタは2番から始めて1番で締めるという構成。どちらも楽章間の切れ目なく、演奏されることで緊張感2割り増し。「ヴィオラはC線でしょ」という川本節ではあるのだが、フレーズの要所で披露される細かな気配りの数々に心洗われた時間だった。
最高の瞬間はアンコールの「鳥の歌」の冒頭と末尾に置かれる最弱奏のトレモロだったかもしれぬ。底なしの弱音。神様がそこまで来ていた。
今夜もう一度、お力を借りねばならぬ。
3月3日、楽しみにしてたビオンディの四季のコンサートがキャンセルになった。コロナウイルスの影響だ。2月27日にホールから連絡があった。残念だが仕方ない。
クララ・シューマンにとってロベルトの入院後最初の演奏会シーズンとなった1854年秋の演奏会の記録を調べてみた。
いやはや意欲的である。1月以降はオランダにも足を伸ばすなど、ほぼこの調子で4月までのシーズンを乗り切った。これにより5000ターラーつまり15000マルクの収益があったとされている。
上記7から9の前後ハンブルク滞在の折、クララはブラームスの実家を訪れ、母ヨハンナから家族同然の歓待を受けている。
竹澤恭子先生のヴァイオリンソナタ第3番。我が家には2009年5月録音のCDがあった。ソナタ3曲に加えFAEソナタの収録に5日かけているからスタジオ録音で間違いない。
一方、最近某ショップをうろついていてライヴ録音を入手した。2009年12月8日のリサイタルだそうで収録は下記。
帰宅して再生したら、びっくり仰天。すごい演奏だ。「私のヴァイオリンの音聴いてちょうだい」という気迫。ヌヴーっぽい。ただただ溜息。同時に先のスタジオ録音が控え目過ぎると感じた。ピアノは同一人物なのにこの差はいったいなんだろう。
一番が聴けないのはもはや拷問の域だ。
私の造語。某有名旅行情報誌のネーミングをパロった。
「聴く」「乗る」「飲む」の語尾をこの順につなげたものである。今回のドイツ旅行のコンセプトを一言で言い表す機能がある。本家はたしか「見る」「食べる」「遊ぶ」だったと思う。
「聴く」は演奏会だ。8月一般ホールの音楽的イベントは全滅の中、教会でのオルガンコンサートだけは活発に行われていた。計4回それも、ライプチヒ、ハンブルク、リューベックの由緒正しい教会での生オルガン演奏にありつけた。
「乗る」は鉄道だ。ジャーマンレイルパス10日用を乗りつぶすというコンセプトだ。
「飲む」は言わずもがなのビール。ワインにはあえて目をつむってビールに的を絞った。瓶入りや缶入りはお断りの「樽ナマ縛り」でもあった。
音楽はもちろん「聴く」ばかりではなかった。墓参がその代表だ。作曲家が生きた現地の空気を吸うことも加えていい。同様に鉄道は「乗る」ばかりではないし、ビールも「飲む」ばかりではなかったことは、おいおい記事の中で明らかにしていきたい。
ブラームスは、ウイーン楽友協会芸術監督の座にあったこともあって、バッハの宗教作品を何度か上演している。それぞれの演目は、キリスト教の祝日に合わせて作曲されているので、以下にそれを列挙する。移動祝日もあるので2018年の暦を付記しておく。
<BWV4>復活祭当日 4月1日
<BWV8>三位一体節後第16主日 9月16日
<BWV21>三位一体節後第3主日 6月17日
<BWV34>復活祭当日 4月1日
<BWV50>第天使ミカエルの祝日 9月29日
<BWV60>三位一体節後第24主日 11月11日
<BWV244> マタイ受難曲
<BWV248> クリスマスオラトリオ
見ての通りだ。ウィーン楽友協会音楽監督として、シーズンのプログラムを決定する際、演目にバッハの宗教曲を選んでいながら、本来の用途通りの日に演奏しているわけではなかった。わずかにBWV4とマタイ受難曲だけが、復活祭近くに演奏されている。さすがに復活祭当日にコンサートははばかられたか、復活祭前1週間程度なら、復活祭を意識したと考えられるが、他の演目は全くこだわっていない感じがする。
バッハのカンタータが本来の作曲意図から外れ、純粋な音楽作品としてプログラムに取り込まれたと関さざるを得ない。
一昨日、古澤巌先生のリサイタルに行ってきた。
演目はバッハ。無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番と第2番。休憩をはさんで無伴ヴァイオリンのためのパルティータ第2番。アンコールに無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番から第3曲。
何から話そう。
すごかった。言葉を尽くしたところで、私の筆力の限界をさらすだけだ。
1980年12月14日
千葉大学管弦楽団第48回定期演奏会。
千葉県文化会館。指揮:芥川也寸志。
チャイコフスキー:イタリア奇想曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第6番「悲愴」
私は大学3年だった。大学にはいって始めたヴィオラだというのに、このときパートリーダーデビュウだった。若造には荷の重いオールチャイコフスキープログラムだ。
で、ヴァイオリン協奏曲で、独奏ヴァイオリンを弾いてくれたのが、古澤巌先生その人だった。
夏合宿にもおいでいただいた。本番までに何度か練習にお付き合いいただいた。西千葉の駅前で焼き鳥をごいっしょしたこともある。気さくな人柄でドアマチュアとのバカ話にも難なく打ち解けてくださった。
チャイコフスキーのコンチェルトの第2楽章には、独奏ヴァイオリンの主旋律に、弱音器付きのヴィオラがオブリガートをかます場面がある。ヴィオラのパーリーとして、手を伸ばせば届く距離にいた独奏の古澤先生と交わしたコンタクトは生涯の宝だ。
一昨日はこのとき以来37年ぶりの先生の実演だった。プログラムが無い代わりに自らマイクをとってのトーク語りかけが本当に本当に実直で心にしみた。そうしたトークとキレッキレの演奏との落差がこれまた最上の癒しになっていた。
バッハへの敬意が充満する演奏。2曲あるソナタの第3楽章、それからアンコールにもあったアンダンテこそが古澤節の真骨頂だと思った。
シャコンヌを生で聴いたのは初めてだ。目の前で弾かれてみて、作品のすごさがわかった。この内容をヴァイオリン一本でと志すバッハのすごさを思い知られたとでもいうのか。目の前の実演というインパクトは無限だ。ヴァイオリン奏者の息遣い、ボデーアクション、魔法のような弓の操り。
なんだか力がもらえた。開幕したばかりの「バロック特集」をやり抜く力が、腹の底から涌いてきた。
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