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カテゴリー「720 日本史」の92件の記事

2020年6月 9日 (火)

旧国名で見る日本地図帳

いやはやなんともご機嫌な本。店頭で何気なく手に取って即購入した。

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日本全国が県ごとに収載されている地図帳なら珍しくもないが、旧国名ごとに収載となるとお宝だ。ときどき興味深いコラムもはさまる。現在の県境と微妙にずれていたり、目からウロコな情報満載である。たとえば相模の国は普通神奈川県を思い出すけれど、川崎市と横浜市は相模の国ではなく武蔵野国になっている。

鉄道や高速道路はもちろん記載されていない。街道と宿場、寺社と城が記載のメインだ。その他遺跡、名所がいくつかある。和歌に登場する地名「歌枕」のいくつかがこのうちの名所にヒットする。格別の楽しさだ。国ごとの人口も江戸時代のデータが乗っている。和歌の時代である平安時代とは微妙にずれるが大問題ではない。古代の行政区分についても細かな解説がある。奥州の入り口「白河の関」に京都から出かける場合、鉄道にしろ自動車にしろ首都圏を経由するのが現代では一般的だが、当時は違う。岐阜→長野→群馬→栃木というルートになる。いわゆる東山道だ。

千葉県は北から下総、上総、安房に分かれる。国名の先頭に来る「上」「下」は京都に近い方が「上」になるので、古代は下総より上総のが京都に近いことになる。京都から新幹線なら東京を経由するから京都により近いのは下総のはずだが、当時は浦賀水道「走水」を船で渡るのがメインだから上総の方が京都に近いのだ。

とにかく飽きない。

2020年5月27日 (水)

きっちり300年後

新古今和歌集の完成は元久二年だ。この年に完成披露パーティが開かれているのだが、まだ序文は完成していなかった。このあと「切り継ぎ」と呼ばれる改訂作業が延々と続いたし、隠岐の島配流後の後鳥羽上皇がこれぞ決定版と自負した「隠岐本」まである。何故に無理矢理完成披露を急いだのか。それはその年が「古今和歌集」成立300年に相当するからだ。古今和歌集の成立は西暦に直すと905年だ。かの元久二年は西暦1205年にあたる。日本史でさえ西暦での暗記が定着しているから気づきもしないが、1205-905の引き算が成立することに何の不審も感じない脳みそをリセットする必要がある。これを日本の元号で管理すると以下の通りとなる。その年号が始まった年の西暦を付しておく。

  1. 延喜 901
  2. 延長 923
  3. 承平 931
  4. 天慶 938
  5. 天暦 947
  6. 天徳 957
  7. 応和 961
  8. 康保 964
  9. 安和 968
  10. 天禄 970
  11. 天延 974
  12. 貞元 976
  13. 天元 978
  14. 永観 983
  15. 寛和 985
  16. 永延 987
  17. 永祚 989
  18. 正暦 990
  19. 長徳 995
  20. 長方 999
  21. 寛弘 1004
  22. 長和 1013
  23. 寛仁 1017
  24. 治安 1021
  25. 万寿 1024
  26. 長元 1028
  27. 長暦 1037
  28. 長久 1040
  29. 寛徳 1044
  30. 永承 1046
  31. 天喜 1053
  32. 康平 1058
  33. 治暦 1065
  34. 延久 1069
  35. 承保 1074
  36. 応徳 1084
  37. 寛治 1087
  38. 嘉保 1095
  39. 永長 1097
  40. 承徳 1097
  41. 康和 1099
  42. 長治 1104
  43. 嘉承 1106
  44. 天仁 1108
  45. 天永 1110
  46. 永久 1113
  47. 元永 1118
  48. 保安 1120
  49. 天治 1124
  50. 大治 1126
  51. 天承 1131
  52. 長承 1132
  53. 保延 1135
  54. 永治 1141
  55. 康治 1142
  56. 天養 1144
  57. 久安 1145
  58. 仁平 1151
  59. 久寿 1154
  60. 保元 1156
  61. 平治 1159
  62. 永暦 1160
  63. 応保 1161
  64. 長寛 1163
  65. 永万 1165
  66. 仁安 1166
  67. 嘉応 1169
  68. 承安 1171
  69. 安元 1175
  70. 治承 1177
  71. 養和 1181
  72. 寿永 1182
  73. 元暦 1184
  74. 文治 1185
  75. 建久 1190
  76. 正治 1199
  77. 建仁 1201
  78. 元久 1204

という具合である。ひとまず歴史の教科書に出がちな元号を赤文字にておいた。令和改元でも記憶に新しいところ、改元して正月が来ればもう「二年」になる。上記39番目と40番目でも明らかなとおり、1年に二度改元という例もある。二年連続の改元だって珍しくないので、元号〇年というところの「〇」の部分を単純に足し算しただけでは全く使い物にならない。元久二年が延喜五年から数えて300年後にあたるとわかるには、確固たる年号のルールと管理が不可欠だとわかる。

そしてさらに押さえておきたいことがある。古今集と新古今の間が300年あるのに対し、万葉集成立と古今集は100年程度の間隔しかないことだ。万葉集の成立は諸説ある。8世紀末から9世紀初頭で仮に8世紀真ん中750年まで遡っても古今集とは150年しか離れていないということだ。古今と新古今の間300年と一口に言うが、バロックの始まりが1600年で、1900年がロマン派の終焉だと考えると、とても長いとわかる。

 

 

 

 

2020年5月 4日 (月)

ごしごしごしごし

昨日ブログ通算5500本目の記事を公開したとはしゃいだ。

本日は2020年5月4日。一方でブログ「ブラームスの辞書」は、2005年5月30日の開設から5454日目となる。その間記事の抜けが無かったことを自慢するのは毎度毎度のお約束だが、本日の主眼はそこにはない。2020年5月4日に5454日目を迎えるという極上の偶然を思いやる。勢いあまって午前5時4分に公開した次第。

ブラームスそっちのけでバッハやドイツバロックネタに走ることにはもはや何の後ろめたさも感じない脳みそになっていたが、令和百人一首ネタ連発には、呵責もあった。生誕60周年を自ら祝う企画と、自分に言い訳してきた。おかげで60年心にたまった垢をごしごしごしごしと洗い流すことが出来た。

コロナに痛めつけられた心を少しでも洗い浄めたい。

2020年2月11日 (火)

皇紀2680年

「皇紀」とは神武天皇即位を基準に据えた暦年体系だ。明治5年の制定。記紀で初代天皇とされている神武天皇の即位は西暦紀元前660年2月11日とされている。おお、そういえば建国記念日にあたる。

名機「ゼロ戦」の「ゼロ」は、正式採用が皇紀2600年だったことからの命名だ。先行する「九十六式艦上戦闘機」も同様に皇紀2596年に正式採用された経緯による。

もしかして本日は皇紀2680年のメモリアルデーなのか。

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2020年2月 9日 (日)

御首塚

これで「みしるしづか」と読む。源実朝は健保7年1月27日、右大臣拝賀のために参拝した鶴ケ丘八幡で公暁に暗殺された。公暁は実朝の首を取り、三浦義村の邸宅にたどりついたところを誅殺された。鎌倉幕府の正史「吾妻鏡」では実朝の首の所在は言及されていないが、神奈川県の秦野市に実朝の首を祀ったという五輪塔があると聞いて出かけた。それが「御首塚」だ。

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セバスチャンまで神妙に見える。

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特別に飾ったお花を手向け、これまたスペシャルなお線香を焚いて、心鎮めてお参りした。合わせて「令和百人一首」へのご加護をお願いした。周辺は公園状に整備されており、金槐和歌集に因んだ植物が植えられている。

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あたりはゆったりとした田園風景。鎌倉時代の遺構が出土するなど、当時の有力御家人の本拠地だった可能性が高いと言われている。

2020年1月 6日 (月)

寄る年波

もしかすると年のせいか。最近価値観が変わる。たとえば歴史上の人物の好みに変化が表れたと感じる。日本に限らず単に「歴史」と言ったらそれはほぼ「政治史」に近い。そうでないときは「音楽史」「文学史」「建築史」という要領でジャンンルが指定される。歴史を無条件に「政治史」と見ていたときと比べ「好みの人物」が変わるということだ。

私に歴史好き、和歌好き、のDNAを残してくれた父の影響だから文句も言えぬが、「英米好き」「源氏好き」が刷り込まれていた。このところどうも風向きが変わった。

  1. 日独伊 今、第二次大戦の当事者で言うなら英米仏露より日独伊の方が断然好きだ。
  2. 平家 父に聞かされた源平の争乱は義経主役で、平家は引き立て役だったけれど、今は平家の方にひかれる。
  3. 足利幕府 尊氏と義満ばかり特筆されるが、文化面では義政最重要。
  4. 大内、今川、朝倉 ゲーム「信長の野望」を楽しんでいると真っ先にやられる側だが、文化的には興味深い。
  5. 小田原北条氏 秀吉の全国統一の仕上げ「小田原征伐」でやられる側だが、最後まで団結していた。
  6. 判官びいきは義経主役だが、むしろ今は実朝だ。

などなど。

2020年1月 5日 (日)

官位と官職

耳慣れぬ言葉だけれど、意外に身近にある。「水戸黄門」は、「水戸在住の中納言」の意味で「黄門」は中納言の唐名だ。「判官びいき」は源義経の官職名に由来する。

官位は「一位」から「初位」までに「正従」「上下」が組み合わされてかれこれ30段階ある。最高位は「正一位」。没後の追贈なら「贈正一位」となる。三位以上がいわゆる貴族で、五位以上で天皇との直接面会が出来た。天皇愛玩の動物がしばしば五位に任じられるのはそのせいだ。

官職は中央と地方に分かれる。長官(かみ)次官(すけ)判官(じょう)主典(さかん)の4段階。「大岡越前守」「吉良上野介」でおなじみだ。中央官職の最高位は「太政大臣」だ。お雛祭りでおなじみの「右大臣」「左大臣」などが、重要閣僚クラス。正一位から従二位までが相当する。正従の三位は大納言か中納言で、四位は参議。百人一首の歌人名には、名前不記載で官職名の表記がかなり見られる。「入道前太政大臣」(西園寺公経)、「後徳大寺の左大臣」(藤原実定)、「鎌倉右大臣」(源実朝)などだ。「権中納言定家」は藤原定家だ。「権」は「ごん」と読む。定員外の任命だということを示す。太政大臣や右大臣左大臣は定員外で任命されないので「権太政大臣」などはあり得ない。

 

 

 

 

 

 

2019年9月29日 (日)

定家神社

先日、群馬県高崎市にある定家神社に行ってきた。百人一首の撰者として名高い歌人・藤原定家が祀られている。

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退屈していたセバスチャンを連れて行った。あたりは佐野という。

駒止めて袖打ち払う陰も無し佐野の渡りの雪の夕暮

この歌にある佐野らしい。

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よい雰囲気。季節の違いはあるけれどお歌の通りの夕暮時だ。しかし、この説明書きにも境内にもお歌の情報がない。もったいない。定家は、この辺りに滞在したか通過したか。すぐそばを流れる烏川と中山道の交点にあるのが「佐野の渡し」だということだ。近所にはその名の通りの無人駅がある。

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すぐ先が烏川になっている。

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すぐそばに今時珍しい木製の橋。佐野橋というらしいが表示が無い。生活の足に徹している感じ。

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下流。左手の森の奥に定家神社がある感じ。

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上流。上信電鉄の鉄橋。

定家のお歌は一顧だにされていない感じがするが、ここで夕暮を詠む必然性だけは実感できた。清少納言「枕草子」以来の「秋は夕暮」という常識を破って「雪の夕暮」と結んだ理由は不明のままだ。「秋の夕暮」と結んでも秀句の位置づけは揺らぐまい。

車止めてお歌を偲ぶ跡もなし佐野の渡りの秋の夕暮

字余り。

 

 

2019年5月10日 (金)

東京遷都150年

1869年5月9日、明治天皇が東京に着いた。遷都のためだ。昨日はその150年のメモリアルデーだ。おりしも令和改元の8日後だ。ブクステフーデの命日と重なっていなければ昨日の記事になっていたはずの話題である。

そして150年という時間の長さを思い遣る。1600年から1750年までの150年間と定義されるバロック時代と同じ長さが、東京遷都後に流れたということだ。

歴史系音楽ブログを自称するブログ「ブラームスの辞書」として避けて通れぬ話題。

2019年5月 2日 (木)

令和算と平成算

このまま予定通り、2033年5月7日まで毎日更新が出来れば、ブログ「ブラームスの辞書」は平成に5131本、令和に5121本、合計10252本の記事を積み上げることになる。これはなかなかの芸当だ。

ブログ「ブラームスの辞書」は2005年5月30日の創設から7月31日までの63日間に、記事を110本公開した。経過日数より記事の方が47本多い。8月1日以降今日まで一日1本を守っているが、当初はそうではなかったということだ。もしもである。この日数と本数のずれが47ではなく37だったら、令和と平成に同じ5121本ずつの記事がたまったということだ。

ブログ開設は平成17年だ。陛下の生前退位など全く想定していないことを考えると。この偶然は恐ろしい。

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