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カテゴリー「077 ドイツ史」の428件の記事

2017年12月11日 (月)

島原の乱

寛永14年10月25日、九州天草で代官所が襲撃された。これが島原の乱の勃発である。事の起こり自体は重税が原因とされ、必ずしも信仰のためではなかったが、首謀者側の結束にキリスト教信仰が寄与していた。

ここでいうキリスト教徒はカトリックである。当時日本の人口の10%にも届くかという試算もあるくらい、無視しえぬ勢力であった。

勃発の日を新暦になおすと1637年12月11日であるから、今日は島原の乱勃発からちょうど380年になる。

外交史的には、日本が鎖国を完成する過程になる。1639年にポルトガル人を追放して完成することになるいわゆる「鎖国」は、その過程が欧州での三十年戦争の期間にピタリと符合する。

音楽史的に申すなら初期バロック時代となる。

2017年12月 6日 (水)

貧民施設の食事

出世を遂げた後のブラームスの食事については、十分とは言えないまでも複数の証言がある。これに比べてハンブルク時代の食事がなかなか判明しない。メニューが紙で残るのはレストランくらいで、一般家庭のメニューが理由もなしに記録されるとも思えない。

思わぬ手掛かりは教会。教会直営の福祉施設、貧民のための救済施設の献立が保存されていることがある。農分社刊行の「世界の食文化」の18巻「ドイツ」にブラウンシュヴァイクの貧民施設における1週間の献立が掲載されていた。1842年という絶妙な時期のものだ。

青字が昼食、赤字が夕食とする。ちなみに朝食は記録されていない。

  • 月 ひきわり大麦、ジャガイモバター付き黒パン、脱脂ミルク
  • 火 ニンジン、ジャガイモジャガイモスープ、脱脂ミルク
  • 水 レンズ豆、ジャガイモバター付き黒パン、脱脂ミルク
  • 木 えんどう豆、ジャガイモバター付き黒パン、脱脂ミルク
  • 金 スウェーデンカブ、ジャガイモあら引きオート麦、脱脂ミルク
  • 土 レンズ豆、ジャガイモ、バター付き黒パン、脱脂ミルク
  • 日 白いんげん豆、じゃがいもバター付き黒パン、脱脂ミルク

貧民施設の給食とはいえ気の毒だ。ブラームスの家は貧しかったことが頻繁に記述されている。これよりもっとシンプルな食事だったかもしれないし、これよりはマシだったかもしれない。いずれにしろジャガイモ中心で、肉は出ないと判る。ワインやビールはもとよりコーヒーだって現れない。ブラームスの伝記で言う貧乏とはつまりこの水準の話だということだ。

2017年11月26日 (日)

ドイツ橋

資料館からほど近い大麻比古神社の境内に、俘虜たちが住民の求めに応じて建設した小さな橋が2つ残っていて、「ドイツ橋」と呼ばれている。

建設された10のうち現存するのは2つだけだという。

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モルタル不使用の精巧な代物。100年を経た現在も実用中。

ただならぬオーラだ。キリスト教を信仰していたに違いない俘虜たちなのだが、収容所に隣接するこの神社にお参りし無事の帰国を祈っていたようだ。

100年前の日独交流を考えさせられる。

2017年11月25日 (土)

バラッケ

俘虜たちが収容されていた建物の呼び名だ。捕虜解放後、牛小屋として使われていた一棟が修復移築されて道の駅に転用されていた。

大きな建物ではないのだが、歴史込みで、そりゃあもうあたりを圧する風格だ。

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地場の特産品に交じって、ドイツ製のお菓子やビール、ワインなどが目を見張る品ぞろえで並んでいた。

2017年11月24日 (金)

ドイツ資料館

坂東俘虜収容所の跡地が公園として整備されている。近くにはドイツ資料館が建っている。

鳴門市は姉妹都市になっているドイツ・リューネブルク市とともに、周辺一帯を世界記憶遺産にするよう準備中らしい。資料館に立ち寄るとその理由がわかる。俘虜たちと地域住民の交流が事細かに展示されている。

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100年前の日独交流を思うと心が温まる。その要の位置に第九交響曲がある。音楽の底力をまざまざという形だ。

人道的な扱いを受け心を開く俘虜たちと地域住民の交流は奇跡的だ。館内展示物の律儀な説明は日本語とドイツ語で英語抜きというのがほほえましい。俘虜たちを第九初演に走らせたモチベーションが、俘虜の日常を活写する中から自然と伝わる仕組みだ。想像を絶する精緻なガリ版印刷の技術だけでも一見の価値がある。

我々日本人にとっても、いやおそらく縁あって訪れるすべてのドイツ人にとっても心洗われる場所に違いあるまい。

2017年11月23日 (木)

習志野を振り返る

坂東のドイツ資料館で衝動買いした書物「第九と日本-出会いの歴史」に、気になる記述がある。

坂東と同じく俘虜収容所があった習志野への言及がある。60ページには「その後ほどなくして久留米でも習志野でも第九が演奏された」と断言されている。

私は毎年11月にその習志野で開催されるドイツ俘虜の慰霊祭に参列している。先日も参列して次女の後輩たちの献身をレポートしたばかりだ。習志野にはハンスミリエス率いるオケがあったことは知っていたが第九を演奏していたとは。

初演の威力はことほどさように大きいのか。習志野が第九初演の地だったらもっと盛り上がっていただろう。

坂東の古い慰霊碑の傍らに建つ新しいほうの慰霊碑は、全国に分散収容中亡くなった俘虜の名前が明記されている。

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スペイン風邪に襲われた習志野31名も漏れなくだ。31名という人数は他の収容所に比べて抜きん出て多い。

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俘虜たちの冥福を改めて祈る次第である。

2017年11月22日 (水)

俘虜慰霊碑

徳島坂東が第九の日本初演の地、ドイツ俘虜の組織するオケの演奏だった。その俘虜収容所の跡地が、公園として整備されている。近所には資料館も併設されている。

行ってみて驚いた。千葉県の習志野にあった収容所跡は、ここ坂東ほどは整備されていない。収容中に落命した俘虜たちの慰霊碑が、仲間たちの手によって建立され、その現物が今も残り供養されている。

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強烈なオーラを感じた。まさにパワースポットだ。

戦争の爪痕と形容するには抵抗を感じる。ドイツ人の音楽への思い、故郷への思い、歴史のかなた確かにここに千名のドイツ人が生きていたというオーラ。そして現代まで供養を欠かさぬわれら日本人。その証としての第九。

2017年11月21日 (火)

ドイツへの祈り

11月19日、習志野霊園にて23回目を数えるドイツ俘虜慰霊祭があった。次女の後輩たちが駆けつけて、今年一番の冷え込みの中、演奏を披露した。

  1. ドイツ国歌
  2. 戦友の歌
  3. ベートーヴェン 交響曲第7番第二楽章

2年生が修学旅行と重なり、参列できないというピンチを、1年生がサラリと切り抜けてくれた。5月のスペシャルコンサートでは、慣例を破ってフィンランディアの合唱を聴かせてくれた1年生たちの楚々とした所作立ち居振る舞いが、リハーサルの段階から際立っていた。コーラスを交えたドイツ国歌のリハーサルでは、関係者から思わず拍手が湧いた。寒い中、開会を待つ間の毅然とした態度とエレガントな笑顔が絶妙にバランスしていた。

さて開会。

いきなりドイツ国歌。半年後のドイツ公演に向かう重要な手順の一つだ。習志野のドイツ俘虜のことは、日常の授業で教わっている。無念の死を遂げた31名の将兵に捧げる真心はドイツを好きになるためにある。ドイツを大好きになれば、公演の準備にも心がこめられる。

金管楽器とスネアだけが伴奏する「戦友の歌」は、慰霊の式典では必須の選曲だ。

昨年との違いは献花の場面だ。昨年は献花のBGMはラジカセからベートーヴェンが流れた。月光ソナタの第一楽章だ。せっかく高校ナンバーワンオケが来ているのにラジカセは無粋だ。今年はこのシーンに生演奏を入れた。曲目はベートーヴェンの第七交響曲の第二楽章だ。イ短調のアレグレットが、献花の厳粛な雰囲気を補強していた。木管の粛然とした和音を合図に、葬列を思わせる旋律が低弦から次々と折り重なって行く。セカンドに旋律を受け渡したヴィオラがオブリガートに回った時、あたりの空気が打ち震えた。

真っ先に献花したドイツ大使館付きの空軍大佐が、慰霊碑正面で渾身の敬礼を献じた姿に乙女たちのベートーヴェンが違和感なくなじむ。後に続く献花者一人一人に「ダンケシェーン」と声掛けする大佐の威厳は相当なものだが、乙女たちの演奏は全く遜色ない。

生徒代表6名が献花する。白菊を慰霊碑に捧げ祈る。大佐と言葉を交わすまでの一連の所作はただただ美しい。

終わった。このパフォーマンスが一年生だけだなんて忘れていた。

参列者全員による恒例の写真撮影。それから乙女たちが大佐を囲んでの撮影までもはや恒例だ。ここ3回演奏を買って出ているのだが、もうこの式典は乙女たちの参加なしには立ち行かないレベルだ。厳粛な雰囲気に貢献しながら、エレガントな華やかさも付加して見せる乙女たちに31名のドイツ将兵の魂も癒されるに違いない。

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2017年11月20日 (月)

豊福丸

第一次大戦で日本の捕虜になったドイツ将兵たちが本国に帰還する際に乗った船。1919年12月30日に神戸を出港し、56日間の航海ののちドイツ・ヴィルヘルムスハーフェンに帰還した。

彼らは日本での収容地徳島において、1818年6月にベートーヴェン第九交響曲を演奏した。これが同曲の日本初演であることはよく知られている。第一次大戦のドイツ捕虜たちの音楽活動の中でブラームスが演奏されていないか調べているがなかなかわからない。ベートーヴェンではいくつかの交響曲やエグモント、レオノーレの序曲、あるいはヴァイオリン協奏曲が演奏されたらしいのだが、ブラームスが確認出来ない。

ところが、帰国船豊福丸の船内でのミニコンサート、1920年2月1日に開催された「歌曲の夕べ」全11曲の中にブラームスの子守唄があった。帰国およそ3週間前のひととき、彼らはブラームスを含むドイツ愛唱歌を楽しんだ。

2017年11月14日 (火)

青木周蔵邸

次女の卒業旅行で興味深いところに立ち寄った。明治の外交官青木周蔵の別邸跡だ。屋敷が保存されその周辺もろともが道の駅になっている。

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説明はこちらに任せるが、重要なのは青木周蔵が明治きっての親独派だということだ。ビスマルクを育んだプロイセン特有の荘園貴族「ユンカー」に憧れ、そのままそれを日本で実現した。

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娘たちの関心はけして高くないが、私の趣味で無理やり立ち寄った。館内には古いベヒシュタインのグランドピアノがあったり、何かと退屈しない。



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