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カテゴリー「727 映画」の6件の記事

2016年5月18日 (水)

バリーリンドン

スタンリー・キューブリック監督の映画。18世紀の欧州が舞台の波乱万丈のストーリー。1976年だから中学3年だったが、夢中になって観た。中学生には難解だったが、音楽がほぼクラシック音楽だ。作品の舞台になった18世紀の雰囲気を出すために採用したことは明らかだ。ヘンデルのサラバンドや、シューベルトのピアノ三重奏曲などが好きでサントラ盤のレコードをよく聞いた。

元々この監督は「2001年宇宙の旅」や「時計仕掛けのオレンジ」など作品中の音楽にクラシックを採用することが多いが、必ずしも時代の雰囲気を出すためではなかったが、「バリーリンドン」は、ぴったりの意図だ。

プロイセンの兵士たちが飲みながら合唱した中に、「ホーエンフリードベルク行進曲」があった。プロイセンの雰囲気を手っ取り早く醸し出すためのツールになっていた。

2015年1月12日 (月)

ジェッツ

まずは以下のリストをご覧いただく。

  1. 野球 メッツ Mets
  2. バスケットボール ネッツ Nets
  3. アメリカンフットボール ジェッツ Jets

上記全て、ニューヨークを本拠地にしているチームの愛称だ。お気づきの通り、韻を踏んでいる。3つとも「~ets」になっている。

これをなぜかと考えていて妄想が浮かんだ。アメリカンフットボールのジェッツは、かつての本拠地が空港に近かったことが由来だと説明されている。釈然としない。

ウエストサイドストーリーは、「ロミオとジュリエット」を現代ニューヨークに移植した作品。原作では、中世イタリア・ヴェローナを舞台にした家同士の確執が背景になっているところを、ニューヨークで対立している不良少年グループの抗争に転写している。この両グループの名前が「シャークス」と「ジェッツ」だ。

ニューヨークジェッツといえば、空港からジェット機への連想と説明されるより、ウエストサイドストーリーのとするほうが、私にはしっくり来る。ニューヨークのもう1チームがジャイアンツなどではなくて「シャークス」だったら、ダービーはもっと盛り上がるだろう。

コーヒーとは関係がないけれど、昨日からの流れで。2日連続のウエストサイドネタは、実は必然。乙女たちのマンボにブラームスのご加護を。

2015年1月11日 (日)

プエルトリコ

実は、ウエストサイドストーリーが好きだ。若い頃から大好き。今その成り立ちについて深く立ち入らないけれど、相当好きだ。シェイクスピアをベースにしながら、ニューヨークに舞台を移植した発想とともにもはや古典だろう。音楽が素晴らしい。バーンスタインの最高傑作だと思う。

第一幕の7曲目に「アメリカ」という曲がある。ヒスパニック系のシャークスの娘たちが歌う。プエルトリコへの差別を皮肉ったり、アメリカの機械文明をも槍玉に上げるスパイスの効いた佳曲だ。冒頭プエルトリコを賛美する調子で「Always the coffee blossoms blowing」と歌われる。いつもコーヒーが花盛りといった意味。もちろん肯定的なニュアンスだ。

これが、ウエストサイドストーリーにおける唯一のコーヒーへの言及である。

プエルトリコには1736年にフランス領マルティニク島からコーヒーが移植されて以来、基幹産業となっている。ミュージカル「ウエストサイドストーリー」の脚本家は、プエルトリコを象徴する産物としてコーヒーを取り上げたということだ。

2014年4月 6日 (日)

鉄道員

昔こういうタイトルのフランス映画があった。音楽がキレイだったのでよく覚えている。鉄道員という言葉の響きが物憂げな訳あり感を醸しだすのに一役買っている。「鉄道員」とは、運転士、車掌、駅長、駅員、保線工あたりを総称しているような感じがする。社長や総裁は含めにくい雰囲気だ。助役あたりまでが限界と見た。語感からの直感だけで申せば女性を想定しにくい。

音楽之友社刊行の「ブラームスの実像」に、1897年4月6日に挙行されたブラームスの盛大な葬儀の様子が詳しく書いてある。葬儀当日に自宅に送られた膨大な数の花環の贈り主が列挙されていて貴重なのだが、その中に興味深い記述があった。

「オーストリア鉄道員合唱団」

思わず唸った。いったいどういう団体だろう。素直に読めば運転士、車掌、駅長、駅員、保線工の人々が仕事の合間に合唱をするサークル、たくましい男声合唱を想像する。葬儀に花環を贈るのだから一方ならぬ関係に決まっている。ブラームスの作品を演奏会で取り上げたのだろうか。あるいはメンバーの中にブラームスの知人がいたのだろうか。もしかするとブラームスが指導を買って出ていたかもしれない。

2009年9月19日 (土)

サウンドトラック

映画に音楽は半ばつきものだ。映画の中で鳴らされていたのと同じ音源の演奏を収録したCDのことだ。サントラ盤と略されることもある。原典版的なありがたみも手伝ってか、映画ファンからは珍重される。「映画の感動をもう一度」というノリである。

オペラ月間に忙殺されていた8月にクララ・シューマンに関係した映画が公開されていたようだ。その映画音楽のCDも発売されているらしい。クララやロベルトの作品に混じってブラームスの作品も以下の通り収録されているという。本当にサントラ盤なのか確認出来ていない。

  1. ピアノ三重奏曲第1番ロ長調op8より第2楽章
  2. ピアノソナタ第2番嬰へ短調op2より第1楽章
  3. 子守唄op49-4
  4. ハンガリア舞曲第5番嬰へ短調
  5. ピアノ協奏曲第1番ニ短調op15より第1楽章

概ね初期の作品だ。

興味深いのは上記1番だ。ご存知の通りピアノ三重奏曲第1番には1854年の初版と1890年の改訂版がある。現代では大抵改訂版が演奏される。映画の中ではどちらが演奏されているのだろう。映画で第2楽章のどの部分が用いられているか判らないので何ともいえないが、仮に第2楽章冒頭からの演奏だとする。第17小節3拍目のヴァイオリンに重音奏法が現れれば改訂版だ。

映画音楽だと割り切らずに、こだわるとすればクララ、ロベルト、ブラームスのせめぎ合いを描いた映画である以上、そこに流れる音楽は断固初版でなければならないと感じる。が、はてさていかがなものか。

2007年9月 9日 (日)

ジュラシックパーク

洋の東西を問わず人々は恐竜が大好きと見えて恐竜が登場する映画は多い。本日話題の「ジュラシックパーク」はその代表格だ。

琥珀の中に閉じこめられた吸血性の昆虫の遺骸に恐竜の血液が保存されている可能性が着想の原点だ。そこから恐竜一体分のDNAを入手して数千万年前に滅んだ恐竜を現代に蘇らせて、テーマパークを建設してしまおうという発想だ。空想と現実の境目が巧妙にぼかされている原作の描写は、見事なものだ。そのうえ目を見張るようなCGが圧倒的な説得力を発揮する。

残念ながらブラームスの血を吸った蚊の遺体をどこかから探し出して、ブラームス本人を復元しようというオチではない。本人に訊きたいことは山ほどあるのでそれはそれで興味深い。どうせなら遺伝子操作をして日本語を理解するブラームスを復元したいものだ。

「琥珀の中に完全保存された蚊の遺骸の中の血液からDNAを復元する」というアイデアが映画全体の肝になっている。このあたりのもっともらしさが本作のリアリティを高めている。技術的科学的な根拠は別として、世間が「なるほど、ありそうだ」と思うかどうかがSFとして成功するかどうかの分かれ目なのだ。

「ブラームスの辞書」は本もブログもある意味で「ジュラシックパーク」を目指したいと思っている。楽譜に封じ込められたブラームスの発想の復元が狙いなのだ。楽譜は「琥珀に閉じこめられた蚊」である。生物学者がそこからDNAを入手するように、私は楽譜からブラームスの思いを解き明かしたいのだ。

いつかブラシックパークを作ってみたい。

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