ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

カテゴリー「728 写譜」の3件の記事

2008年6月15日 (日)

夫婦の絆

筆跡鑑定がバッハ研究においての重要なツールであることは6月9日の記事で述べた。

ここでいう筆跡鑑定は大きく2つに分けられる。残された手紙や日記などの文字の鑑定が一つだ。残る一つは手書楽譜の鑑定だ。文字もあるにはあるがこちらの対象は音符だ。あるいはスラーやアクセントなどの記号も含まれる。

バッハ作品の様式研究の立場からはこの楽譜の筆跡鑑定が重要だ。この領域だけで膨大な量の研究がある。バッハ本人の筆跡は全て突き止められているばかりか、時代による筆跡の変遷までも判っている。また同じ時期に書かれた楽譜でも、丁寧に書いたものと焦って書いたものの区別までされている。バッハの晩年を襲った視力の衰えまでも反映されているという。

このような現在の最先端の研究者を悩ませている人がいる。アンナ・マグダレーナ・バッハだ。バッハの二人目の妻である。彼女は音楽的素養もあったので多忙なバッハを助けて写譜を手伝った。バッハが最も信頼したコピイストといった趣がある。せっせと写譜を手伝っているうちに、その筆跡がバッハ本人に似てきた。楽譜に関する限りバッハは時間に追われさえしなければ音楽史上屈指の達筆を誇る。そのバッハに似ているのは大したものなのだ。最先端の筆跡鑑定のプロでもしばしばバッハ本人の筆跡と見誤るほどだという。

大したものだ。バッハにあってブラームスに無い物は、アンナ・マグダレーナのような生涯の伴侶だ。

筆跡が似て来るほどの絆かな

お粗末。

2005年9月12日 (月)

よい子のための楽しいヴィオラ曲集

大学3年の春のことだ。毎年の事ながらヴィオラのパートに後輩を迎えた。2年の春に後輩を迎えたときは、自分自身まだ楽器歴1年の初心者だったせいで、後輩の初心者指導どころではなかった。が、3年の春は、少し様子が違った。待望のブラームス第一交響曲が夏の演奏会のメインプログラムだったり、ブラームス贔屓がいやがうえにも高まった時期だ。

かわいい後輩たちがヴィオラに少しでも親しめるように、ブラームスの作品の中から名所(かならずしも名旋律ではない)をノートに写し始めた。名づけて「よい子のための楽しいヴィオラ曲集」だ。結論から言うならこの曲集が後輩たちの練習の題材に使われることはなかったが、それは今でも手元に残っている。「ブラームス名所91選」とでも呼ぶべき曲集である。もちろん私自身は何度も弾いている。

鉛筆で丁寧に写譜されている。こすられて汚くならないように画材屋さんで売っている、「泣き止めスプレー」をかけたので今でも鮮やかだ。やがて後輩たちの練習材料を作るという主旨から大きく外れ、単にブラームスの気に入った場所を書きとめておく備忘録代わりになっていった。思えば「ブラームスの辞書」執筆の最終段階で経験した173箇所の譜例作成が、全く苦にならなかったのは、このあたりの経験が物をいっているのだろう。まさに写譜そのものだ。聴くたびに感動する旋律を丹念に書き写してゆく作業は心が洗われる。きっと「写経」もこういう心境なのだろう。感動が頂点を迎えるその瞬間に付された一個の臨時記号を書きながら恍惚としたものだ。ブラームスの用語遣いの微妙さに徐々に魅せられていったのもこのころを起源と考えてよい。

もう25年以上前のものだが、その91箇所はいまだに色褪せていない。

2005年7月 9日 (土)

写譜の楽しみ

本文で譜例をどう扱うかは、執筆の過程における大きな課題の一つだったことは、以前にも書いた。予算とのかねあいもさることながら、私の直感で入れるべき譜例を全て採用していたら、本のページ数が今の倍以上にはなっていたはずだ。音楽書の読みやすさという観点に立てば、適切な切り口の譜例は必須である。どちらかといえば豊富な譜例というのはセールストークになりうる。しかしながら今回の私の本では173箇所にとどまっている。見出し数は約1170なので15%くらいだ。予算のためとはいえ少ない。つくづく貧乏は嫌だ。

実は、私、写譜が大好きなのだ。中学校の音楽の時間、何か忘れ物をすると罰で教科書を写譜する宿題が出た。あのころは嫌でたまらなかったが、今は大好きだ。大学2年になったころ、大好きなブラームスの旋律をいくつも写譜した。大好きなあの曲で、いつも背筋に冷たいものが走ることになるあの場所の楽譜はどうなっているのだろう?という疑問の答えにたどり着きたい一心からである。微妙な位置にある臨時記号一個、絶妙なシンコペーション、魔術のような重音奏法、スラーのかかり方等々が寒気の原因であることを写譜から学んだことも多い。

譜例173箇所、パソコンソフトの助けを借りたとはいえ、それはそれは楽しい作業だった。「自分で譜例を作って切り貼りしたら安くなりますよ」という石川書房さんの言葉に飛びついたのは当然の成り行きだった。好きなことをしようとするとお金がかかるというのが、趣味というものであり、資本主義というものなのに、大好きな写譜をすることでコストを下げられるなんて夢のようだ。打ち合わせの席上石川書房さんは、全ては著者の作業になりますがと気の毒そうに説明してくれたが、こちとら全然苦にならないのである。むしろ大好きなブラームスの作品を173個の譜例に絞るのが苦痛だった。切られた箇所の泣き声が聴こえた。

私の著作を読む人は、そんな譜例の無念を思いやって欲しい。是非とも楽譜を傍らにおいて読んで欲しい。私の主張の指し示すところを楽譜の上で確かめて欲しい。たとえそれが、本書の間違いを暴く結果につながるとしても本望である。

その他のカテゴリー

001 用語解説 | 002 ドイツ旅行① | 003 ドイツ旅行② | 050 空席状況 | 051 お知らせ | 052 総集編 | 053 アラビアンナイト計画 | 060 ブラームス神社 | 061 縁起 | 063 賽銭 | 070 ドイツ分室 | 071 地名辞書 | 072 地名探検 | 073 地名語尾辞典 | 074 地名語尾 | 075 ドイツ語 | 076 ドイツ方言 | 077 ドイツ史 | 078 ハプスブルク | 079 人名辞典 | 080 イベント | 081 謝恩クイズ | 082 かるた | 083 のだめ | 084 お盆 | 085 中国出張 | 086 英国研修 | 087 ブログ出版 | 088 意訳委員会 | 089 ドヴォルザークイヤー総集編 | 090 ドヴォルザーク作品一覧 | 100 作曲 | 101 編曲 | 102 楽譜 | 103 音符 | 104 楽語 | 105 テンポ | 106 音強 | 107 拍子 | 108 調性 | 109 奏法 | 110 演奏 | 111 旋律 | 112 音型 | 113 リズム | 114 和声 | 115 対位法 | 116 形式 | 117 編成 | 118 ヘミオラ | 119 テキスト | 120 ベースライン | 121 再現部 | 122 微調整語 | 123 語彙 | 124 表情 | 125 伴奏 | 126 ジプシー音楽 | 140 ソナタ | 141 変奏曲 | 142 フーガ | 143 ロンド | 144 コラール | 145 間奏曲 | 146 スケルツォ | 147 ワルツ | 149 緩徐楽章 | 150 セレナーデ | 153 カプリチオ | 154 トリオ | 155 序奏 | 156 シャコンヌ | 157 メヌエット | 160 ブラームス節 | 161 分布 | 162 引用 | 170 楽器 | 171 ピアノ | 172 ヴァイオリン | 173 ヴィオラ | 174 チェロ | 175 コントラバス | 177 オーボエ | 178 クラリネット | 179 ファゴット | 180 ホルン | 181 トランペット | 182 トロンボーン | 183 チューバ | 185 トライアングル | 190 鍵盤楽器 | 191 弦楽器 | 192 木管楽器 | 193 金管楽器 | 194 打楽器 | 195 メゾソプラノ | 196 アルト | 200 作品 | 201 ピアノ曲 | 202 歌曲 | 204 室内楽 | 205 交響曲 | 206 協奏曲 | 207 管弦楽曲 | 208 合唱 | 209 重唱 | 210 民謡 | 211 オルガン | 212 オペラ | 213 カノン | 214 連弾 | 215 練習曲 | 216 学生歌 | 230 ドイツレクイエム | 231 交響曲第1番 | 232 交響曲第2番 | 233 交響曲第3番 | 234 交響曲第4番 | 235 大学祝典序曲 | 236 ヴァイオリン協奏曲 | 237 ピアノ協奏曲第1番 | 238 ピアノ協奏曲第2番 | 239 二重協奏曲 | 248 弦楽六重奏曲第1番 | 249 弦楽六重奏曲第2番 | 250 ピアノ五重奏曲 | 251 クラリネット五重奏曲 | 252 弦楽五重奏曲第1番 | 253 弦楽五重奏曲第2番 | 254 弦楽四重奏曲第1番 | 255 弦楽四重奏曲第2番 | 256 弦楽四重奏曲第3番 | 257 ピアノ四重奏曲第1番 | 258 ピアノ四重奏曲第2番 | 259 ピアノ四重奏曲第3番 | 260 ピアノ三重奏曲第1番 | 261 ピアノ三重奏曲第2番 | 262 ピアノ三重奏曲第3番 | 263 ホルン三重奏曲 | 264 クラリネット三重奏曲 | 265 ヴァイオリンソナタ第1番雨の歌 | 266 ヴァイオリンソナタ第2番 | 267 ヴァイオリンソナタ第3番 | 268 チェロソナタ第1番 | 269 チェロソナタ第2番 | 270 クラリネットソナタ第1番 | 271 クラリネットソナタ第2場 | 272 FAEソナタ | 300 作曲家 | 301 バッハ | 302 シェーンベルク | 303 ドヴォルザーク | 304 ベートーヴェン | 305 シューマン | 306 メンデルスゾーン | 307 モーツアルト | 308 ショパン | 309 シューベルト | 310 ワーグナー | 311 マーラー | 312 チャイコフスキー | 313 Rシュトラウス | 314 リスト | 315 ヘンデル | 318 ヨハン・シュトラウスⅡ | 319 ビゼー | 320 ブルックナー | 321 ハイドン | 322 レーガー | 323 ショスタコーヴィチ | 350 演奏家 | 351 クララ | 352 ヨアヒム | 353 ミュールフェルト | 354 アマーリエ | 356 ビューロー | 357 クライスラー | 358 ヘンシェル | 362 シュットクハウゼン | 400 人物 | 401 ファミリー | 402 マルクゼン | 403 ジムロック | 404 シュピッタ | 405 ビルロート | 407 ビスマルク | 408 ハンスリック | 409 フェリクス | 411 マンディ | 412 ヴィトマン | 416 カルベック | 417 ガイリンガー | 418 エルク | 419 グリム兄弟 | 420 森鴎外 | 431 アガーテ | 432 リーズル | 433 マリエ | 434 ユーリエ | 435 オイゲーニエ | 436 ベルタ | 437 リースヒェン | 438 オティーリエ | 439 シュピース | 441 バルビ | 442 シシィ | 500 逸話 | 501 生い立ち | 502 性格 | 503 学習 | 504 死 | 505 葬儀 | 506 職務 | 507 マネー | 508 報酬 | 509 寄付 | 510 顕彰 | 511 信仰 | 512 友情 | 513 恋 | 515 別れ | 516 こだわり | 517 癖 | 518 読書 | 519 リゾート | 520 旅行 | 521 鉄道 | 522 散歩 | 523 食事 | 524 ワイン | 525 タバコ | 526 コーヒー | 527 趣味 | 528 手紙 | 529 ジョーク | 530 習慣 | 531 住居 | 532 恩人 | 533 指揮者 | 534 教師 | 535 暗譜 | 536 美術 | 537 ビール | 550 楽友協会 | 551 ジンクアカデミー | 552 ハンブルク女声合唱団 | 553 赤いハリネズミ | 554 論争 | 555 出版社 | 556 初版 | 557 献呈 | 558 伝記 | 559 初演 | 560 校訂 | 571 ウィーン | 572 ハンブルク | 573 イシュル | 574 トゥーン | 575 デトモルト | 576 ペルチャッハ | 577 ライプチヒ | 578 デュッセルドルフ | 579 フランクフルト | 580 ベルリン | 590 イタリア | 591 イギリス | 600 ブログMng | 601 運営方針 | 602 自主規制 | 603 アクセス | 604 検索 | 605 カテゴリー | 606 記事備蓄 | 607 創立記念日 | 608 ブログパーツ | 609 舞台裏 | 610 取材メモ | 611 マッコークル | 613 一覧表 | 614 課題 | 615 カレンダリング | 616 ゴール | 617 キリ番アクセス | 618 キリ番記事 | 630 記念 | 631 誕生日 | 632 命日 | 633 演奏会 | 634 正月 | 635 ヴァレンタイン | 636 クリスマス | 637 ブラームス忌 | 638 ブラスマス | 639 クララ忌 | 641 愛鳥週間 | 642 ランキング | 699 仮置き | 700 思い | 701 仮説 | 702 疑問 | 703 お叱り覚悟 | 704 発見 | 705 奇遇 | 706 区切り | 707 モチベーション | 708 演奏会 | 709 感謝 | 710 よろこび | 711 譜読み | 712 音楽史 | 720 日本史 | 721 日本人 | 722 日本語 | 723 短歌俳句 | 724 漢詩 | 725 三国志 | 727 映画 | 728 写譜 | 730 写真 | 731 数学 | 732 レッスン | 733 ビートルズ | 740 昔話 | 741 仲間 | 742 大学オケ | 743 高校オケ | 760 家族 | 761 父 | 762 母 | 763 妻 | 764 長男 | 765 長女 | 766 次女 | 767 恩師 | 780 スポーツ | 781 野球 | 782 駅伝 | 783 バスケットボール | 784 サッカー | 785 アントラーズ | 786 バドミントン | 790 コレクション | 791 CD | 792 ipod | 793 楽譜 | 794 書籍 | 795 グッズ | 796 愛器 | 800 執筆の周辺 | 801 執筆の方針 | 802 ブラダス | 803 校正 | 804 譜例 | 807 パソコン | 808 ネット | 809 ドボダス | 810 ミンダス | 820 出版の周辺 | 821 パートナー | 822 契約 | 823 装丁 | 825 刊行記念日 | 840 販売の周辺 | 841 お買上げ | 842 名刺 | 860 献本 | 861 ドイツ国立図書館

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ