ドヴォルザーク没後120年
5月1日はドヴォルザークの命日だ。1904年になくなっているから、今日は没後120周年の記念日に当たる。
バッハ特集のまっただ中に粛然と割って入るドヴォルザークさんだ。
5月1日はドヴォルザークの命日だ。1904年になくなっているから、今日は没後120周年の記念日に当たる。
バッハ特集のまっただ中に粛然と割って入るドヴォルザークさんだ。
音楽の友社刊行のシリーズものだ。手っ取り早く作品の基礎知識を調べたいときに重宝している。ネットで事足りるのだが、紙がないと落ち着かない性分だ
すでに下記を持っていた。
ここにこのほどハイドンが加わった。音源確保に次ぐ情報源というわけだ。買ってわかったのは、交響曲、弦楽四重奏、ピアノソナタ、ピアノ三重奏で、収載漏れが意外に多いということだ。
つまり280曲のうち104曲しか名曲認定されていないということだ。標題率が低いピアノソナタやピアノ三重奏でその傾向が強い気がする。よい曲多いのに気の毒。
世の中「三大なんとか」が好きである。ベートーヴェンのピアノソナタがすぐに思い浮かぶ。「月光」「悲愴」「熱情」だ。しからば弦楽四重奏ではどうなっているのか。全16曲から3曲選べばいい。ピアノソナタほどの決定版は今もって流布していない。つまり3曲に絞れないということなのだろう。標題もあるにはあるがロシアの貴族の名前ではとっつき易さには直結しない。
しからばと私が選ぶが、これがまたかなりの難題だ。無理やり下記を絞り出す。ピアノソナタと同じく全部短調だ。
相当苦しい。ポピュラリティがまったくついてこない。「月光」「悲愴」「熱情」の盤石感には到底及ばない。
この方がずっと説得力がある。標題の有無ばかりが原因とは思えない。演奏会にしたらこちらの方が絶対にチケットが売れるだろう。大好きなブラームスの3番が割って入る隙もない圧倒的な安定感だ。
ベートーヴェンの弦楽四重奏にはこうした議論を寄せ付けない近寄りがたさがあるような気がする。
昨日「せっかくのドヴォルザーク生誕180周年がシューベルト特集の真っただ中で申し訳ない」と書いた。 しかしながら、しかしながら、実はそれも一興と感じ始めてもいる。
1797年生まれのシューベルトと1841年生まれのドヴォルザーク。 1833年生まれのブラームスは、この二人を愛した。 ブラームスはシューベルト没後の生まれだが、ドヴォルザークは8つ年上なだけの同世代。 少しだけ出世が早かっただけのめぐりあわせで、ハプスブルク王室国家奨学金の審査員として発見したドヴォルザークを世に出した。 ブラームスいわく「彼ドヴォルザークの仕事場のゴミ箱から、いくつか旋律を拾い出してつなげれば曲になる」と。 ブラームス独特の遠回しな賞賛だ。 ドヴォルザークをメロディーメーカーとして高く評価した。 オペラの脚本選びのセンスの無さに苦言も呈するが、「懐かしいのに誰の真似でもない旋律」が次々湧いて出る才能を激賞した。 きれいな旋律をただつなぐだけに堕落しないため、あえてソナタ形式の枠内にとどまる見識も評価の内にある。
一方シューベルトに対してもこれまた手放しの賞賛。 ウイーン進出直後にむさぼるように未刊のシューベルト作品を写譜して、後にはシューベルト協会のメンバーに名を連ねて事あるごとにシューベルトを擁護した。
この二人汲めども尽きぬ旋律の泉だ。片やウイーン、片やプラハ。本拠地は違っても彼らの本質は旋律。ブラームスの2人への溺愛にはメロディーメーカーぶりへの若干のやっかみも混入している気がする。旋律とも言えないような断片を発展させてソナタに仕上げる才能ならば、当代一の座に君臨したブラームスだが、展開の余地のない旋律を次々生み出す才能では二人に劣るという自覚。対位法だ、フーガだ、展開部だ、再現部だなどという小難しい理屈が霞むほどの旋律。
シューベルト特集の真っただ中にドヴォルザークのメモリアルデーが訪れるのはむしろ吉兆。
ドヴォルザークは1841年9月8日生まれ。本日は生誕180年のメモリアルデーだ。ところが我がブログはシューベルトネタの奔流の真っただ中で、なんだか申し訳ない。
私の脳内でドヴォルザークはブラームス、バッハに次ぐ三番目の位置にいるのだが、現在シューベルトさんの猛追にあっているところ。たまにはドヴォルザークさんに思いをはせるのも悪くない。
昨日の記事「奇跡の組分け」で作曲家の出生地をキーにキリスト教の信仰を以下の通り新旧に分類した。結果、私の好みの作曲家が極端にプロテスタント側に偏ると書いた。無理矢理「あの子が欲しい」とばかりに指名するならベートーヴェンには違いないが、見返りに誰が要求されるのか怖い。
<ウニオン>プロテスタント同盟
<リーガ>カトリック同盟
むしろチェコのドヴォルザークをカトリック側から域外枠として引き抜きたい。お遊びには違いないが妙にマジになってきた、
バッハ生誕333年と屁理屈をこねて昨年正月に始まったバロック特集の中、昨日カテゴリー「バッハ」に属する記事が283本に到達した。これは作曲家カテゴリー別ランキング第一位のドヴォルザークを抜いたということだ。
2010年9月から1年間、ドヴォルザーク特集を展開した。ブラームスほどではないけれど、ドヴォルザークだって相当好きなのだ。
今回のドイツ旅行にプラハ訪問を織り込んだのは、なんとしてもドヴォルザークの墓参りがしたいからだった。プラハ郊外ヴィシェフラドにある教会の懐深きところにドヴォルザークは埋葬されていると聞いていた。
プラハから地下鉄で15分くらいのところにあるヴィシェフラド駅で降りろと案内のお姉さんに告げられた。地下鉄の駅になっていたのかとまずは軽い感動。駅まではスムースに着いたが、案内らしき案内はない。プラハは東欧にあってはそこそこの観光地なのだが、案内表示の不備には困惑した。仕方ないから通りがかりの人に「片言の英語」で尋ねると、手を伸ばして「ゴーストレート」と教えてくれた。
瀟洒な住宅街と思しき小道を進むこと10分で、城門があった。どうやらこの中らしいが、何せチェコ語では雲をつかむような話だ。「教会の境内」という情報をもとに案内図に中にそれらしきエリアを発見し歩くことにした。万国共通の「i」という標識の建物に飛び込んで、「ドヴォルザークの墓」と尋ねると、ここをまっすぐと言われ、簡単なパンフを見せられた。境内見取り図で、著名人の墓が記載されている。日本円で50円くらいなので記念にと買い求めた。
先にスメタナの墓が見つかった。墓碑には「モルダウ」の冒頭2小節の第二フルートのパートが刻まれている。いやいやこみあげてくる。
壁際の屋根で覆われたところにドヴォルザークの墓があった。
柵があって近づけないのがもどかしい。柵の外から手を合わせた。なんだかなんだかジーンときた。
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