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カテゴリー「212 オペラ」の64件の記事

2018年6月21日 (木)

マイスタージンガー初演150周年

本日6月21日はワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」が初演された日である。1868年だから今年は150年のメモリアルイヤーである。場所はミュンヘン、指揮はハンスフォンビューローだ。

同年4月10日にはブラームスの「ドイツレクイエム」が初演されている。

1868年と言えば、1866年の普墺戦争勝利の後だが、対仏開戦には至らぬ段階。ドイツ統一機運が高まる中での両巨頭の代表作の初演がたったの75日違いだ。ちなみにブラームスの第一交響曲と「ニーベルンゲンの指環」の初演も同じ年であった。

バロック特集を粛々と中断して言及する。

2017年10月10日 (火)

ヴェルディ

ジョゼッペ・ヴェルディは1813年10月10日に生まれた。今日はお誕生日である。ブラームスより20歳年上。ご存知の通りのイタリアオペラ業界の重鎮だ。

ブラームスはこのヴェルディの作品が好きだったという。

音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第1巻の125ページ。ヴィトマンの中に興味深い記述がある。ヴェルディの「レクイエム」について友人で指揮者のビューローと意見が食い違ったという話だ。ビューローはこの作品をけなしたが、ブラームスはピアノとヴォーカルスコアを一瞥して「まさに天才の作品だ」と称し「ビューローは恥さらしだ」と憤る。

自分と同じ庶民の出だということも親近感を増す要因だったらしい。

不思議なのは8回に及んだイタリア旅行なのに、その間本場のイタリアオペラを楽しんだ形跡がないことだ。友人のヴィトマンは、それらオペラの終演が大抵夜遅くになるからだとの見解を示している。

2017年1月17日 (火)

オペラのネタ帳

グリム兄弟の「ドイツ伝説集」下巻には、オペラの元になったと思われる話が散見される。

  • 538番「ジークフリートとゲノフェーファ」は、シューマンの「ゲノフェーファ」
  • 540~544番 ワーグナーの「ローエングリン」
  • 561番 「ワルトブルクの合戦」はおそらく「マイスタージンガー」だ。

されば「ニーベルングは?」と探したが、序文に断り書きがあった。「ニーベルング」関連の伝説は、収集の対象からはずされていた。既存既知の有名な文学作品との重複を避けたと明言してある。意図的に収載していない話を系統立てて列挙してあった。

私のような初心者が感じる疑問には、ことごとこく先回りして対処済みという風情である。

2017年1月10日 (火)

グリム童話の痕跡

最近話題にすることが多いグリム兄弟が、ブラームス関連の書物の中に痕跡として現れている場所がある。音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第2巻121ページだ。

友人のホイベルガーとの会話がフンペーディンクのオペラ「ヘンゼルとグレーテル」に及ぶ。ブラームスは「とにかく皆が驚いたのはオペラに童話を使った点なのだから」と言っている。1894年12月22日の記述だ。

周知の通り「ヘンゼルとグレーテル」はグリム童話だ。この会話をかわした時点でブラームスはグリム兄弟を思い出していた公算は大きい。自らの友人であるユリウス・オットー・グリムとの血縁関係でさえ知ってた可能性もある。

2014年8月23日 (土)

ラインゴルト

さまよえるオランダ人」で思い出した話。「Rheingold」と綴る。「ラインの黄金」という意味。ワーグナーの楽劇のタイトルと一致する。ライン川の底に沈められた黄金にまつわる伝説に由来する国際特急列車の名前だ。

営業開始は1928年5月15日だから、ブラームスには直接関係がないものの、ドイツの鉄道ネタとしては避けて通れぬ話。時代によって変遷するがほぼ、アムステルダムとバーゼルを結ぶと考えてよい。

激動の時代を走りぬけ1987年まで存続していた。

2014年8月22日 (金)

さまよえるオランダ人

名高いワーグナーのオペラのタイトル。ドイツ語では「Der Fliegende Hollander」綴る。英語では「Flying Dutchman」だ。元々は喜望峰がらみの幽霊船の話だったがワーグナーがそれを題材にとった。記事「空飛ぶハンブルク人」で取り上げたベルリン-ハンブルク間の特急列車の名前「Der Fliegender Hamburger」が、この話に由来するのは明らかだ。さすがにこれを「さまよえるハンブルク人」と訳すのは気がひけただけだ。

それにしても幽霊船にまつわる名前を列車名に採用するとは大胆な話であると、早合点してはいけない。1851年英国グレートウエスタン鉄道に登場した特急は、長らく世界最速の列車の座に君臨していた。もちろん蒸気機関車が牽引するのだが、何と300kmの距離を平均時速85kmで駆け抜けていた。その列車の名前が「Flying Dutchman」だった。しかしながら当時英国で無敵を誇った競走馬の名前という説もある。

つまりドイツの空飛ぶハンブルク人は、世界最速の列車を運行するにあたり、過去の世界最速の列車名の中の「ダッチマン」の部分を「ハンブルク人」に差し替えたものだ。幽霊船にちなんだのではなかった。むしろ並々ならぬ決意の表明であった。

和訳には注意が要る。幽霊船なら「さまよえる」で結構だが、列車名としては「空飛ぶ」あたりに落ち着かざるを得まい。

2012年10月 8日 (月)

歌劇ビスマルク

鉄血宰相ビスマルクの生涯を題材にオペラが書けやせぬかと考えた。

配役はこんな感じ。

  • ビスマルク(Br)
  • 妻ヨハンナ(Sop)
  • ウイルヘルム1世(Ten)
  • アウグスタ王妃(Alt)
  • モルトケ(Bas)

第一幕第1場は、「プロイセン国会」くらいか。ウイルヘルム1世が、国会で演説「軍制改革のアリア」だ。ところが国会はこれを拒否。男声合唱による「否決の合唱」が高らかと歌われてウイルヘルム1世は、落胆の表情でビスマルクと「相談の二重唱」。切れ目無く国会議員たちの合唱がかぶさってくる。議場の混乱が頂点に達したところで、ビスマルクの「鉄血のアリア」がとどろく。国会はこれに同調し一同で「ドイツ国歌」を合唱。

第2場は「ニコルスブルク城」。ケーニヒスグレーツの大勝でウィーンに進軍中のプロイセン軍に冷や水。ナポレオン3世の休戦提案だ。ウィーン入城派の合唱で始まる。この合唱にウイルヘルム1世が加わって大本営は強硬派一色。ここでビスマルクのアリア「真の敵はオーストリアにあらず」でビスマルクの苦境が強調される。ビスマルクの苦境を見かねたモルトケがウイルヘルム1世を説得する二重唱が「陛下は戦闘に勝って戦争に負けるおつもりか」で始まる。史実ではこの説得は皇太子だったが、若干の改変。丁々発止のやりとりで王が折れ、最後は国王の「休戦のアリア」。

第二幕第1場はいきなり普仏戦争前夜に飛んで「ビスマルク家の居室」回想シーン。普仏戦争への息子の出征を嘆く妻ヨハンナとビスマルクの二重唱。夫の企てた戦争に息子が駆り出されると嘆くヨハンナのアリアが続く。やがて現実にもどって「ゼダンの前線大本営」では、ビスマルクとウイルヘルム1世の二重唱で、一進一退の攻防が仄めかされる。いらだったビスマルクがモルトケを呼び出してこちらも二重唱。やがてモルトケの「包囲のアリア」が続く。さらにビスマルクが「葉巻のアリア」で勝利を確信する。モルトケは差し出した葉巻のうちから上等のものを選んだと冷静さを賞賛するアリアだ。最後は男声合唱がナポレオン3世が捕虜になったと歌って幕。

第2場はベルサイユ宮殿「鏡の間」からドイツ皇帝への戴冠式の場面。どんちゃん騒ぎの祝賀気分に終始する。ちょっとフランスやオーストリアでは上演しにくいオペラになる。

いかんいかん。アウグスタ妃の出番が無かった。

2012年8月 9日 (木)

サントゥッツァ

マスカーニの歌劇「カヴァレリアルスティカーナ」は一幕もののオペラ。2組のカップルが織り成す愛憎劇。「よせばいいのに」が2つと「案の定」と「後の祭」が各1個で構成される。1890年5月17日ローマで初演。

よせばいいのにいまや亭主持ちの昔の女にちょっかいを出す男。これまたよせばいいのにそれを女の亭主に告げ口する女。案の定男が復讐に走る。告げ口をした当人が教会で懺悔するものの後の祭。オペラのラストで人が死ぬというカルメンのパターン。イタリアはシチリア島での実話が元になったらしい。

全一幕の中盤に間奏曲が置かれている。告げ口をした女が教会で懺悔するシーン。全曲でもっとも有名な部分。ソプラノかメゾソプラノが演じるこの女の名がサントゥッツァ。

先般次女たちのオケの美術館コンサートでも演奏した。先代の35代もドイツで演奏し、届いたばかりのCDを改めて聴くとこれが絶品。次女たち36代も今後この曲に取り組んでゆく。

娘たちにピッタリの曲。ヴァイオリンの繊細な音色で勝負する曲。彼女たちオケの本領はこういうところにある思わせる十八番。きっとこれから何度も聴ける。

2012年6月27日 (水)

バイロイト音楽祭

ワーグナー楽劇を演目として毎年夏にバイロイトで開かれる。記念すべき第1回は1876年8月13日から開かれた。ハンス・リヒターの指揮で「ニーベルングの指環」全曲が初演された。もはや国家的一大事の様相を呈する。バイエルン王ルートヴィヒ2世、ドイツ帝国皇帝ウイルヘルム1世の他、ブラジル皇帝さえ含む華麗な国賓の他、音楽家ではチャイコフスキー、ブルックナー、リストらが顔をそろえた。

ブラームスは来ない。もちろん招待もされていない。

もう一人来なかった人物がいる。ビスマルクだ。ブラームスと違って招待を受けながらそれに応じなかった。ドイツ統一の前夜、バイエルン王ルートヴィヒ2世への工作のために、人を介してワーグナーに接近を図ったというビスマルクだが、ドイツ帝国が狙い通り成立してしまった後となっては、ワーグナーに用は無いとばかりに欠席をかました。ドイツ帝国成立の際に「皇帝行進曲」を献じた熱狂も、ビスマルクのこの仕打ちにより完全に冷めたと見られている。

さてさて集まったメンバーの華麗さに比して、収支は無惨だったという。15万マルクもの赤字を発生させた。およそ7500万円という赤字額はさすがのスケールだ。ブラームスの交響曲に払われた原稿料に換算して10曲分である。

第一交響曲の初演は同じ年の11月4日だ。

2012年1月30日 (月)

カルミラブラーナ

「Carmira Brana」と綴るラテン語。「Carmira」は「歌」の複数形。「Brana」は元々「館・住居」を意味する。「歌の館」でつまり「歌集」というところか。1803年にボイエルン修道院で発見された歌集のことを指す。修道院に集う僧侶や学生たちの声だ。教訓、風刺、恋愛、酒、放浪などが歌い込まれている。13世紀末の成立と目される。

実はこれが学生歌の淵源と解されている。学生歌の源流を求めて文献を遡って行くと、どうやらカルミナブラーナにたどり着く。いくつかの歌が少々形を変えて19世紀の学生歌集にも載っている。

そんなことよりもっと凄いことがある。

「Carmina」が「歌」の複数形であると書いた。しからばその単数形はと調べてみた。単数形は「Carmen」であった。現代知らぬもののないオペラのタイトルロールに一致する。何だか凄く納得できる。

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