母の気概
網膜剥離の手術が決まったとき、真っ先に知らせたのが母だった。88歳の今も現役でバリバリと家事をこなす母は、思ったより冷静だった。もともと昔から、家族の誰かが病気になると気合が入るたちだったせいもある。「見ててなんだか目を気にする素振りだったから気にはしていた」とのたまう。自らが61歳のときに白内障の手術を経験したこともあって、息子である私の仕草を観察していたということなのだ。この手のカンの冴えは50年前と変わらぬ。
1日に入院が決まり、6日の入院までの5日間、そりゃ入院準備が事細かであった。入院当日や手術当日に自分が立ち会うと言い出さんばかりの勢い。「コロナの影響で今は立ち合いも見舞いも制限されている」と家族総出でなだめた。
入院中は毎日電話で様子を知らせた。毎日仏壇に2倍の線香を上げてお祈りしているとか。
思いのほか、早く退院できたのは亡き父のご加護かもしれぬ。そう今日11月17日は父の命日だ。
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