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カテゴリー「761 父」の33件の記事

2023年11月17日 (金)

母の気概

網膜剥離の手術が決まったとき、真っ先に知らせたのが母だった。88歳の今も現役でバリバリと家事をこなす母は、思ったより冷静だった。もともと昔から、家族の誰かが病気になると気合が入るたちだったせいもある。「見ててなんだか目を気にする素振りだったから気にはしていた」とのたまう。自らが61歳のときに白内障の手術を経験したこともあって、息子である私の仕草を観察していたということなのだ。この手のカンの冴えは50年前と変わらぬ。

1日に入院が決まり、6日の入院までの5日間、そりゃ入院準備が事細かであった。入院当日や手術当日に自分が立ち会うと言い出さんばかりの勢い。「コロナの影響で今は立ち合いも見舞いも制限されている」と家族総出でなだめた。

入院中は毎日電話で様子を知らせた。毎日仏壇に2倍の線香を上げてお祈りしているとか。

思いのほか、早く退院できたのは亡き父のご加護かもしれぬ。そう今日11月17日は父の命日だ。

 

2023年4月 3日 (月)

3重の節目

長女が結婚のため我が家を巣立ってからちょうど1年が過ぎた。2月26日に挙式披露宴も終え、車で1時間の新居で元気にやっている。おばあちゃんにもマメに電話をくれる。

そして今日はブラームスの命日。没後126年である。

さらに加えて父の誕生日。生きていれば88歳になっていたはずだ。

2022年11月17日 (木)

父没後25年

1997年に父を失ってから今日で丸25年となる。今や私はその父の享年を過ぎた。

展開中の実朝特集は生誕830年の記念にと始めた企画だが、実は父没後25年の記念碑でもある。父はブラームスよりは実朝を含む和歌特集を喜ぶだろう。父のお気に入りはおよそ下記。

  1. 寂蓮
  2. 慈円
  3. 西行
  4. 崇徳院
  5. 業平
  6. 良選
  7. 能因
  8. 源頼政

私は下記。

  1. 実朝
  2. 九条良経
  3. 後鳥羽院
  4. 慈円
  5. 西行
  6. 俊成
  7. 定家
  8. 宮内卿
  9. 亀山院
  10. 永福門院

ブラームスネタで一献酌み交わすよりはこちらのが盛り上がる。

2022年9月21日 (水)

寿福寺

鎌倉五山の一つ。

1971年8月5日、今は亡き父に連れられて小学校6年の私は、鎌倉を訪問した。夏休みの自由研究の取材旅行でもあった日帰りハイキングの主目的が鶴ケ丘八幡宮と寿福寺だった。そう父は私に歴史の名場面を語るのを楽しみにしていた。実朝暗殺の舞台とその墓所が、旅のメインになるのは必然でさえあった。

北条政子と実朝の母子が眠るという場所、あまりのオーラに暑さを忘れて立ち尽くした。昨日のことのようだ。

が、しかしそこに埋葬されているのは実朝の胴体だけだとあとで知った。

実朝を討った公暁は首をはねていた。暗殺に成功した証とするためである。それを「やりました」とばかり持ち込んだ先で。あるいは持ち込む途中で殺されたという。「やりました」は「言われた通りやりましたのでほめてください」の意味だろう。持ち込んだ先の人から唆されていた。確かにそれは北条氏ではないし、鎌倉幕府の正史たる吾妻鏡も沈黙している。そりゃ「北条氏が唆して」とは筆を滑らすはずもない。「甥が叔父を討った」つまり「源氏内部の内輪揉め」である方が好都合に決まっている。

人の口に戸は立てられないのは何もネット社会だからではないのだ。庶民は薄々というパターンだ。

 

2022年9月 7日 (水)

62歳7か月と14日

父が没したのは1997年11月17日だ。私が妻を亡くしてから1年9か月後。子供たち3人をなんとかいつくしんできた矢先に父も失ったということだ。長男5歳、長女3歳、次女2歳を抱えて母はそこからさらに子育てにまい進する。悲しんでいる暇なんぞなかったというのが実情だった。

その母から生まれた私は今日62歳7か月と14日に到達する。父の亡くなった時の年齢に追いついた。追いついてみると若い。そりゃあ基礎疾患のデパートだし、あちこち無理も利かなくなってもいるが、死ぬほどではない。この年齢で愛する家族を残して逝った父の無念を改めてかみしめる。

私にできることは限られている。1つはこうしてブログで言及すること。

もう1つは87歳で健在の母を大切にすること。

両立可能。

2022年5月14日 (土)

形見の香炉

この度の大整理に伴う廃棄を免れた品物のお話。父の形見の香炉だ。父と一緒に買いに行ったと母が言っている。在宅スペースで私が使うことにした。雨の日には香を焚く習慣のある母のことだから、梅雨時には出番が多くなる。香を焚きながら在宅勤務も悪くない。

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2022年5月 6日 (金)

踏み台

「産みの行李」と並んで廃棄を免れたのが祖父の遺品という踏み台だ。

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父の父が作ったらしい。祖父は私が生まれる前に他界していたから会ったことはないものの、この踏み台は祖母の家にあってよく遊んだ。父の兄の遺品整理に出かけた父が、唯一これだけを持ち帰ってきていた。このほど再発見となった。木の風合いが懐かしい。偶然だが我が家の踏み台と同じ高さである。

2022年5月 5日 (木)

産みの行李

この度の屋根裏収納大整理で廃棄を免れた品。これで「こうり」と読む。衣類を入れる箱だ。

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竹で編まれたもので、見るからに通気性に富む。

なんといってもそのエピソードが凄い。私を産むために入院する際、身の回りの品物を持参するために買い求めた逸品らしい。「私はあんたを産むためにこれを持って入院した」と母は、まるで昨日のことのように語って廃棄を拒否した。つまり62年前から我が家にあったということだ。

2022年5月 3日 (火)

屋根裏収納

妻の急逝で、同居を申し出てくれた両親。終の棲家として購入したマンションでの二人暮らしを捨てて、私と子供たち3名との同居を即決してくれた。亡き妻の遺品をなるべく使うという方針を提案してくれたこともあって、両親の家財を数多く処分した。どうしても捨てられないものを収めたのが屋根裏収納だった。

あれから25年。入居以来一度も取り出していない物品も多い。扇風機とスーツケース以外は手つかずと思っていい。それらと少々の例外を除いて大挙処分とあいなった。両親の思い出の品も含めて、母は処分に同意した。長女の結婚はそう決意させるほどの大ナタだったということだ。

2022年2月26日 (土)

かるたの隠し玉

一昨年のクララに続いて、昨年バッハをかるたにした。延々と展開したシューベルトさんではあったが、歌曲に特化していたせいかかるたまでは届かなかった。ドヴォルザークさんを抜いて東大関になれないのはそのあたりの事情もある。

シューベルトさんでかるたが作れるようなら記事確保は安泰なのだけれど。

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