2パートインヴェンション
15年前、私がヴィオラから遠ざかる直前のことだ。細々とではあるがヴァイオリンを続けてくれている次女といつかアンサンブルをしたいと考えて購入した楽譜がある。
バッハのクラヴィーア用の作品をヴァイオリンとヴィオラの二重奏に編曲したものだ。原曲は「2声のためのインヴェンション」。平均律クラヴィーア曲集と並ぶ教育用作品の金字塔。ピアノの学習者はほぼ不可避だ。右手と左手のコラボを、常用性の高い長短15の調で学ぶ仕組み。右手と左手の対話からクラヴィーア奏法上での対位法の扱いの習得が目的だそうだが、芸術的側面も軽んじられていないのがバッハテイストだ。
その曲の右手がヴァイオリンに、左手がヴィオラに写し取られている。少々のオクターブの上下はあるけれど、ほぼ原曲のまま。ブライトコップフの装丁ともあいまって、今眺めても気が利いている。
これを今頃になって取り出したのには、訳がある。
この曲集のヴィオラのパートを日々の練習に取り入れたということだ。
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