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カテゴリー「791 CD」の296件の記事

2021年12月18日 (土)

シューベルトの24曲

シューベルトの歌曲について私的ベストを選定した。

  1. 小川のほとりの若者 D30 シラー →こちら
  2. 月に寄す D193 ヘルティ →こちら
  3. 漁師 D225 ゲーテ →こちら
  4. 野ばら D257 ゲーテ →こちら
  5. 泉のほとりの若者 D300 ゼーヴィス →こちら
  6. 連祷 D343 ヤコビ →こちら
  7. 幸福 D433 ヘルティ →こちら
  8. 子守歌 D598 ?→こちら →.こちら
  9. 秋の歌 D502 ゼーヴィス →こちら
  10. 楽に寄す D547 ショーバー →こちら
  11. ます D550 シューバルト →こちら
  12. 雷雨の後 D561 マイヤーホファー →こちら
  13. こびと D771 コリン →こちら
  14. 水の上で歌う D774 シュトルベルク →こちら
  15. 君は我がやすらぎ D776 リュッケルト →こちら
  16. 夕映えの中で D799 ラッペ →こちら
  17. 孤独な男 D800 ラッペ →こちら
  18. 夜と夢 D827 コリン →こちら
  19. ノルマンの歌 D846 シュトルク →こちら
  20. ブルックにて D853 シュルツェ →こちら
  21. 漁師の歌 D881 シュレヒタ →こちら
  22. シルヴィアに D891 シェークスピア →こちら
  23. リュートに寄せて D905 ロホリッツ →こちら
  24. 菩提樹 D911-5 ミューラー →こちら

いやいや楽しい。シューベルト特集開催を思い立ってからおよそ1年半の取り組みの集大成のつもり。会期中に言及した記事にリンクをしておいた。

ポイントをいくつか。私的ベスト24ではあるのだがドイチュ番号順なので必ずしも序列ではないとお断りしておかねばなるまい。「魔王」「グレートヒェン」「セレナーデ」が落選した。断腸の思いだが今はこう。シューベルトの歌曲を題材にこのくらい悩めるとは成長の証である。

 

 

2021年11月29日 (月)

Singphonik Schubert

ト短調ドイツレクイエムのCDを探してうろついていて発見した。「男声パートソング全集」とでもいうべき5枚組。演奏はSingphonikerという男子6名の声楽アンサンブル。彼らがドイツ民謡を録音したCDを持っていた。これがお気に入りだったことも手伝ってト短調ドイツエクイエムが入っていないにも関わらず我慢できずに購入。

20211017_090114

いやもうたまらん。全部再生すると6時間くらいかかるのだが、楽しくて楽しくて。いわば「声の室内楽」だ。先に紹介した合唱のCDと重なる曲もある。合唱よりも響きの輪郭がくっきりとする。

 

2021年11月18日 (木)

歌のあるテンペスト

まったくもって私の勝手な命名だ。「Auf dem Wasser zu singen」D774のこと。「テンペスト」とはもちろんベートーヴェンのピアノソナタ第17番のことだ。同曲の第一楽章冒頭。

20211024_103330

赤枠で囲った部分の8分音符のイメージが、

20211025_161533

これに似ていると思うからだ。片や8分音符、片や16分音符。拍子も違えば調も違うのになぜか似ていると思うからこその命名。スラーでつながった2つの音が、さざ波のように下降を繰り返す枠組みが似ていると言えなくもない程度だ。

「水の上にて歌う」という邦訳の通り、この特色ある音型は、波か流れか水の動きを描写すると見て間違いあるまい。この音型が延々繰り返される中、旋律が載せられる。その旋律中にもさりげなく組み込まれることもまた印象深い。

見ての通り、調号はフラット4個。放置すれば変イ長調かヘ短調なのだが、様子が変だ、そう冒頭小節からいきなり、「C音」にフラットが寄り添う。これにより変イ短調がいきなり安定確保される、変イ短調は律儀に調号を付与したらフラット7個が必要なところ、フラット4個にとどめて、必要に応じた臨時記号でまかなっているけれど、歌が途切れる間奏部分には「C音」へのフラット関与はなくなるから、変イ長調の晴れ間がのぞく。けれど、歌が復帰する1小節前にはまたC音にフラットが奉られて、頑固に変イ短調が志向される。こうした枠組みは最後までかたくなに守られる。

名高い歌曲集「美しき水車小屋の娘」と作曲年代が近い。水の戯れという意味ではこちらの方が数段芸が細かい。水車小屋の主役はあくまでも娘なのに対して、こちらは水が主役だからかと妄想がやまない。

そうそう、フラット4個の曲が冒頭から変イ短調化する歌曲がブラームスにもあった。「エーオルスのハープに寄せて」op19-5だ。

 

 

2021年10月27日 (水)

惚れ込み4原則

シューベルトの歌曲にどっぷりとはまっているうちに、私自身の好みに一定の法則があると気づいた。シューベルトの歌曲の一部がこのパターンだ。

  1. 長調
  2. 4分の4拍子
  3. おそいテンポ
  4. レガート

「遅い長調の4分の4拍子でレガートな曲想」ということを箇条書きにすると上記になる。これを「惚れ込み4原則」と名付けた。そういえばブラームスにだってこのパターンがあった。4分の4には一部2分の2も含む。

  1. エーオルスのハープに op19-5
  2. 五月の夜 op43-2
  3. 君の青い瞳 op59-8
  4. 夏の宵 op85-1
  5. 森のしじま op85-6
  6. 野に一人いて op86-2
  7. サッフォーの頌歌 op94-4
  8. 2人はそぞろ歩いた op96-2

ベスト24に8曲も入っていた。

明日からしばらくシューベルトの本パターンを考察する。

 

 

2021年10月19日 (火)

タルタルスの群れ

「タルタルスの群れ」D583のテキストはシラーだ。ギリシャ主義の反映と言われている。「冥府における人間の苦悩」がテーマ。つまり重苦しい。予備知識のない日本人には敷居が高いと諦めてもいた。劇的な流れに忠実なピアノ伴奏で、オーケストラで演奏したくなるのも理解できる。ブラームスはこれを管弦楽伴奏に編曲した際、以下の通りの編成を採用した。

  • フルート2
  • オーボエ2
  • クラリネット2
  • ファゴット2
  • コントラファゴット1
  • ホルン2
  • トランペット2
  • トロンボーン3
  • ティンパニ
  • 弦楽5部

これは第一交響曲の編成とそっくりだ。第一交響曲ではホルンが4になるだけの違いである。コントラファゴットは第一交響曲にしか現れない。

同編曲は1871年のこと。これは長い長い第一交響曲の作曲期間に含まれる。影響の有無は安易に論じることはできないがタイミングの辻褄だけはあっている。

なかなかCDに巡り会えない。

 

 

 

2021年10月11日 (月)

会員No7

カテゴリー「309シューベルト:に属する記事が昨日の記事「出典不明 」で103本に達した。2033年5月7日のブラームス生誕200周年のメモリアルデーまでに必要な記事総数10252本の1%を確保したことになる。これを「1%クラブ」と称している。会員は下記。

  1. バッハ
  2. ドヴォルザーク
  3. 次女
  4. ビスマルク
  5. 長女
  6. クララ
  7. シューベルト←NEW

よって会員番号No7である。

 

2021年8月21日 (土)

マルクセンのCD

それってなもんで、我が家のCD棚を探すと本当におどろくべきCDがあった。1843年から10年間ブラームスを指導したマルクセンが作曲もしたということ自体は知っていたが、その作品を収録したCDだ。

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歌曲とピアノ曲全17曲。ジャケットは1853年のハンブルクの絵が用いられている細かさだ。解説は目からうろこが十数枚落ちる内容。

ブラームスの伝記作家として名高いマックスカルベックが、1901年にハンブルクの骨董商で、マルクセン全作品の自筆譜を偶然発見したという。現在ウィーン楽友協会に伝わるそれらの中から抜粋録音である。1830年にハイネの詩に作曲した旨、ハイネに書き送ったという記述も出て来るばかりかハイネからの礼状の文面も日本語で読める。昨日話題にしたハイネとマルクセンの文通がここでも裏付けられた形だ。

 

 

 

2021年8月 8日 (日)

欠落の補填

CDでシューベルト歌曲が聴ける女性歌手の中でお気に入りは以下の3名。

  1. エリー・アメリンク
  2. キャスリーン・バトル
  3. 白井光子

フィッシャーディースカウ先生は、訳あって、女声に歌われるべきと考える歌を、全集録音から省いている中、アメリンクさんはフィッシャーディースカウ先生が録音していない作品を6曲も録音してくれている。

  1. 糸を紡ぐグレートヒェン D118
  2. ミニヨンの歌 D321
  3. 子守歌 D498
  4. 恋する女の手紙 D673
  5. 若き尼僧 D828
  6. アヴェマリア D839

バトルさんは以下。フィッシャーディースカウ先生の録音が無い曲はありがたい。そして、それが何故なのか考える参考になる。

  1. 恋はいたるところに D239-6
  2. 奔放な恋をする男 D558
  3. ズライカ D720
  4. 若き尼僧 D828
  5. デルフィーネ D857
  6. 男はみんなやくざなもの D886-3 D866-3

白井光子先生はディースカウとの重複が多くて「若き尼僧」ただ1曲だ。

2021年8月 3日 (火)

収載の可否判断

ディートリヒ・フィッシャーディースカウ先生がグラムフォンに録音したシューベルト歌曲全集を、探索の音源にしていると書いた。その録音の準備を通じて堆積した情報が書籍「シューベルトの歌曲を辿って」に結実した事情も既に述べた。全集と銘打っていながら、実はシューベルトの歌曲全てを録音していない。フィッシャーディースカウ先生がテキストを検証し、未完のもの、明らかな習作、偽作、あるいは男声で歌われるべきではないと判断した作品が控除されている。明快な基準があったに決まっているが、出来上がった21枚組の収載リストだけを見ていても落選組の実態がわかりにくい。

そこで音楽之友社刊行の作曲家別名曲解説全集「シューベルト」巻末の作品リストを参考にしながら落選組の実態把握を試みることにした。独唱歌曲の総数は573曲ある。フィッシャーディースカウ先生はこのうちの406曲を全集に収載しておられる。167曲が落選しているということだ。探索の音源などとはしゃいではみたもののおよそ3割も抜けているということだ。

落選組をざっと眺めるのも興味深い。

とりわけ興味深いのは「男声に歌われるべきではない歌」という基準だ。タイトルだけから判断しても「女子の立場から歌う恋の歌」「母の立場の歌」などが抜けていると感じる。「糸を紡ぐグレートヒェン」D118の落選を見てもシューベルト歌曲としての知名度や重要度が物差しになっていない気がする。この167曲にもふさわしい音源が必要な気がしてきた。

 

 

 

2021年7月17日 (土)

相乗効果

昨日の記事「シューベルトの歌曲を辿って 」で、大歌手ディートリヒ・フィッシャーディースカウ著の書物について述べた。グラムフォンへのシューベルト歌曲全集録音に先立つ作品解釈のために収集した楽譜や資料を分析した結果、1冊の本になったと彼自身が著作の中で述べている。そこでは録音が全歌曲作品でないことも律儀に言及する。いわく「テキストの内容から判断して男性に歌われない方がいい作品は対象から省いた」と。

先般の記事「探索の音源 」で紹介したシューベルト歌曲全集こそがまさにその果実だった。買い求めたのはドイツ版で日本語解説は無いのだが、こちらの書物を読めば演奏家本人の著述による解説が読めるということに他ならない。

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いやもう本当にすごい。大歌手でありながら、知識の裾野が広大で目がくらむ。何よりも何よりもシューベルトへの愛がこぼれるほどだ。作品の一般的は知名度は度外視して、純粋に彼の興味の厚みがそのまま著述の量につながっている感じがする。シューベルトへの傾倒を別として目立つのは、テキストの供給者に対する温かで深い視線だ。それが大文豪であろうと無名の青年であろうと変わらない。

巻末の人名索引にはブラームスも出て来る。これによれば全部で15回ブラームスへの言及がある。有名作曲家の中ではベートーヴェンに次ぐ頻度だ。

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