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2022年7月25日 (月)

まさに醍醐味

店頭で手に取ったのは、単なる偶然だった。ストラディヴァリウスというイタリアのレーベルが珍しくて何の気なしだった。内容はヴィヴァルディのオルガン協奏曲だった。収録曲目を見て血の気が引いた。イタリア語はわからぬものの「RV265」と「BWV976」という記載が確認できた。

 

ヴィヴァルディの「調和の霊感」から12番ホ長調op3-12RV265を、バッハがチェンバロ独奏に編曲したものがBWV976である。ヴィヴァルディのオルガン協奏曲を集めたCDの余白に収録されている以上、チェンバロ独奏用の作品がオルガンで演奏されている可能性が高いとにらんで購入。

 

帰宅して再生するとあたりだった。まさにBWV976のオルガン盤である。第二楽章ラルゴをオルガンで聴けた。

 

そりゃあもう絶句。「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」をシュプラーコラールBWV645で初めてオルガン曲として聴かされて以来の衝撃と申すべきか。いやはや敬虔。ヴィヴァルディにも編曲したバッハにも宗教的な意図なんざあったはずはないのだが、賛美歌風だ。これを教会で聴かされたら神様を信じてしまう。

2022年7月 8日 (金)

音源確保

イムジチのヴィヴァルディボックスは、合奏という切り口でヴィヴァルディの器楽曲が集められた好企画なのだが、普通のヴァイオリンと通奏低音のソナタop2が収録されていない。またop1とop5のトリオソナタもしかりだ。編成が薄すぎてイムジチではなくなるからに違いない。律儀で結構だ。それを埋め合わせるかのようなアッカルドさんの貴重CDを入手した。op1とop2がすっきりと揃った。

問題はop5のトリオソナタである。

ショップをうろついていて発見した。ブリリアント社が2016年に発売した20枚組のヴィヴァルディ全集。作品番号1から12およびop14のチェロソナタが入って9000円。作品番号付きの作品はコンプリートする。op5のために9000円は痛いが、一枚当たり450円なら悪くないと自分を説得して購入。

ヴィヴァルディの場合、作品番号なしの作品が大量に存在するので網羅性は心もとないが、生前出版の作品がそろうのはありがたい。2013年という新しめの録音ながら、バロックヴァイオリンなのでイムジチさんたちとは異質なテイストである。

2022年1月24日 (月)

待望のシャコンヌ

あっと驚く発見。大好きなヴァイオリニスト、ファビオ・ビオンディさんのバッハだ。

チェンバロ付きのソナタやコンチェルトは既に出ていたが、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータは、出ていなかった。コロナで様々な予定がキャンセルになった結果、レコーディングに時間をとれるようになって、発売にこぎつけたらしい。

それはつまりビオンディさんの「シャコンヌ」が聴けるということだ。矢も楯もたまらず即買いしてさっそく聞いた。そりゃあ私はシャコンヌに関してはシェリング世代だから、ビオンディ節をやけに期待して聴いたのだが、普通だった。いやいや四季の衝撃を期待していたらそれほどではなかったとでもいうべきか。我が家の楽譜にない音をアドリブっぽく弾いている。恐れ多くもバッハを振り回す感じ。

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2021年12月18日 (土)

シューベルトの24曲

シューベルトの歌曲について私的ベストを選定した。

  1. 小川のほとりの若者 D30 シラー →こちら
  2. 月に寄す D193 ヘルティ →こちら
  3. 漁師 D225 ゲーテ →こちら
  4. 野ばら D257 ゲーテ →こちら
  5. 泉のほとりの若者 D300 ゼーヴィス →こちら
  6. 連祷 D343 ヤコビ →こちら
  7. 幸福 D433 ヘルティ →こちら
  8. 子守歌 D598 ?→こちら →.こちら
  9. 秋の歌 D502 ゼーヴィス →こちら
  10. 楽に寄す D547 ショーバー →こちら
  11. ます D550 シューバルト →こちら
  12. 雷雨の後 D561 マイヤーホファー →こちら
  13. こびと D771 コリン →こちら
  14. 水の上で歌う D774 シュトルベルク →こちら
  15. 君は我がやすらぎ D776 リュッケルト →こちら
  16. 夕映えの中で D799 ラッペ →こちら
  17. 孤独な男 D800 ラッペ →こちら
  18. 夜と夢 D827 コリン →こちら
  19. ノルマンの歌 D846 シュトルク →こちら
  20. ブルックにて D853 シュルツェ →こちら
  21. 漁師の歌 D881 シュレヒタ →こちら
  22. シルヴィアに D891 シェークスピア →こちら
  23. リュートに寄せて D905 ロホリッツ →こちら
  24. 菩提樹 D911-5 ミューラー →こちら

いやいや楽しい。シューベルト特集開催を思い立ってからおよそ1年半の取り組みの集大成のつもり。会期中に言及した記事にリンクをしておいた。

ポイントをいくつか。私的ベスト24ではあるのだがドイチュ番号順なので必ずしも序列ではないとお断りしておかねばなるまい。「魔王」「グレートヒェン」「セレナーデ」が落選した。断腸の思いだが今はこう。シューベルトの歌曲を題材にこのくらい悩めるとは成長の証である。

 

 

2021年11月29日 (月)

Singphonik Schubert

ト短調ドイツレクイエムのCDを探してうろついていて発見した。「男声パートソング全集」とでもいうべき5枚組。演奏はSingphonikerという男子6名の声楽アンサンブル。彼らがドイツ民謡を録音したCDを持っていた。これがお気に入りだったことも手伝ってト短調ドイツエクイエムが入っていないにも関わらず我慢できずに購入。

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いやもうたまらん。全部再生すると6時間くらいかかるのだが、楽しくて楽しくて。いわば「声の室内楽」だ。先に紹介した合唱のCDと重なる曲もある。合唱よりも響きの輪郭がくっきりとする。

 

2021年11月18日 (木)

歌のあるテンペスト

まったくもって私の勝手な命名だ。「Auf dem Wasser zu singen」D774のこと。「テンペスト」とはもちろんベートーヴェンのピアノソナタ第17番のことだ。同曲の第一楽章冒頭。

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赤枠で囲った部分の8分音符のイメージが、

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これに似ていると思うからだ。片や8分音符、片や16分音符。拍子も違えば調も違うのになぜか似ていると思うからこその命名。スラーでつながった2つの音が、さざ波のように下降を繰り返す枠組みが似ていると言えなくもない程度だ。

「水の上にて歌う」という邦訳の通り、この特色ある音型は、波か流れか水の動きを描写すると見て間違いあるまい。この音型が延々繰り返される中、旋律が載せられる。その旋律中にもさりげなく組み込まれることもまた印象深い。

見ての通り、調号はフラット4個。放置すれば変イ長調かヘ短調なのだが、様子が変だ、そう冒頭小節からいきなり、「C音」にフラットが寄り添う。これにより変イ短調がいきなり安定確保される、変イ短調は律儀に調号を付与したらフラット7個が必要なところ、フラット4個にとどめて、必要に応じた臨時記号でまかなっているけれど、歌が途切れる間奏部分には「C音」へのフラット関与はなくなるから、変イ長調の晴れ間がのぞく。けれど、歌が復帰する1小節前にはまたC音にフラットが奉られて、頑固に変イ短調が志向される。こうした枠組みは最後までかたくなに守られる。

名高い歌曲集「美しき水車小屋の娘」と作曲年代が近い。水の戯れという意味ではこちらの方が数段芸が細かい。水車小屋の主役はあくまでも娘なのに対して、こちらは水が主役だからかと妄想がやまない。

そうそう、フラット4個の曲が冒頭から変イ短調化する歌曲がブラームスにもあった。「エーオルスのハープに寄せて」op19-5だ。

 

 

2021年10月27日 (水)

惚れ込み4原則

シューベルトの歌曲にどっぷりとはまっているうちに、私自身の好みに一定の法則があると気づいた。シューベルトの歌曲の一部がこのパターンだ。

  1. 長調
  2. 4分の4拍子
  3. おそいテンポ
  4. レガート

「遅い長調の4分の4拍子でレガートな曲想」ということを箇条書きにすると上記になる。これを「惚れ込み4原則」と名付けた。そういえばブラームスにだってこのパターンがあった。4分の4には一部2分の2も含む。

  1. エーオルスのハープに op19-5
  2. 五月の夜 op43-2
  3. 君の青い瞳 op59-8
  4. 夏の宵 op85-1
  5. 森のしじま op85-6
  6. 野に一人いて op86-2
  7. サッフォーの頌歌 op94-4
  8. 2人はそぞろ歩いた op96-2

ベスト24に8曲も入っていた。

明日からしばらくシューベルトの本パターンを考察する。

 

 

2021年10月19日 (火)

タルタルスの群れ

「タルタルスの群れ」D583のテキストはシラーだ。ギリシャ主義の反映と言われている。「冥府における人間の苦悩」がテーマ。つまり重苦しい。予備知識のない日本人には敷居が高いと諦めてもいた。劇的な流れに忠実なピアノ伴奏で、オーケストラで演奏したくなるのも理解できる。ブラームスはこれを管弦楽伴奏に編曲した際、以下の通りの編成を採用した。

  • フルート2
  • オーボエ2
  • クラリネット2
  • ファゴット2
  • コントラファゴット1
  • ホルン2
  • トランペット2
  • トロンボーン3
  • ティンパニ
  • 弦楽5部

これは第一交響曲の編成とそっくりだ。第一交響曲ではホルンが4になるだけの違いである。コントラファゴットは第一交響曲にしか現れない。

同編曲は1871年のこと。これは長い長い第一交響曲の作曲期間に含まれる。影響の有無は安易に論じることはできないがタイミングの辻褄だけはあっている。

なかなかCDに巡り会えない。

 

 

 

2021年10月11日 (月)

会員No7

カテゴリー「309シューベルト:に属する記事が昨日の記事「出典不明 」で103本に達した。2033年5月7日のブラームス生誕200周年のメモリアルデーまでに必要な記事総数10252本の1%を確保したことになる。これを「1%クラブ」と称している。会員は下記。

  1. バッハ
  2. ドヴォルザーク
  3. 次女
  4. ビスマルク
  5. 長女
  6. クララ
  7. シューベルト←NEW

よって会員番号No7である。

 

2021年8月21日 (土)

マルクセンのCD

それってなもんで、我が家のCD棚を探すと本当におどろくべきCDがあった。1843年から10年間ブラームスを指導したマルクセンが作曲もしたということ自体は知っていたが、その作品を収録したCDだ。

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歌曲とピアノ曲全17曲。ジャケットは1853年のハンブルクの絵が用いられている細かさだ。解説は目からうろこが十数枚落ちる内容。

ブラームスの伝記作家として名高いマックスカルベックが、1901年にハンブルクの骨董商で、マルクセン全作品の自筆譜を偶然発見したという。現在ウィーン楽友協会に伝わるそれらの中から抜粋録音である。1830年にハイネの詩に作曲した旨、ハイネに書き送ったという記述も出て来るばかりかハイネからの礼状の文面も日本語で読める。昨日話題にしたハイネとマルクセンの文通がここでも裏付けられた形だ。

 

 

 

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