OXford University Pressのことだ。OUPと略記される。
さる楽譜ショップをうろついていてお宝を発見した。タイトルは英語で「German Folksongs-Johannes Brahms」とある。出版社はOXford University Pressになっている。
26曲という収載曲数を見て、脳味噌が酸っぱくなった。「混声四部合唱のための14のドイツ民謡」WoO34と「混声四部合唱のための12のドイツ民謡」WoO35かもしれぬと直感した。「14足す12イコール26」の暗算が出来たということだ。
中身を確認してもWoO番号は一切書かれていない。困ったことにテキストは英語だ。巻末にまとめてドイツ語のオリジナルテキストが載っていた。持ち歩いているiPodを取り出して、確認したら、やっぱりWoO34とWoO35と一致した。店頭でこれをしたから相当怪しかったに違いない。
我が家には独唱用のWoO33とWoO32、「子供のための14のドイツ民謡集」WoO31の楽譜しか無い。ドイツ民謡の合唱版をずっと捜していた。WoO34は1864年つまりブラームス生前の出版だ。本人のお墨付きのようなものだから大変貴重だ。
問題は価格だ。祈るように裏表紙を見ると、4130円だ。格安である。あーもすーもなく即買い。ペーター版だとWoO34の14曲が上下2巻に分かれて各1800円だ。これだけで3600円となる。WoO35まで1冊に収まって4130円ならお買い得だ。
いやはや見ているだけで楽しい。今まで単に聴くだけだった作品が、楽譜を見ながら聴くことで味わいが深まる。「49のドイツ民謡集」WoO33と重複する作品については、合唱用と独唱用を比較することも可能になる。
さっそく発見がある。本日買った楽譜にもピアノパートが印刷されている。WoO34もWoO35もブラームスのオリジナルはアカペラだったはずだが、これいかにと思っていたら、さすがに芸が細かい。ピアノのパートには小さく「リハーサルオンリー」と書かれていた。合唱の4声部がピアノ風2段楽譜に映されて添えられているのだ。
発想記号が一部英語というのが少しがっかりだ。オリジナルの発想記号ではないからブラダスへの取り込みは出来ない。この調子では途中のダイナミクスも怪しいと思わねばなるまい。
それでも楽しみの大きさに比べれば大した問題ではない。こうなるとハンブルク時代の名残りである女声合唱版、つまりWoO36、37、38が欲しくなる。こちらはCDもまともに出ていない超レアアイテムだ。
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